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魔王の呪文の正体

 あれからどのくらい時間がたったのであろう。俺が目を覚ました時は見たことのない池のほとりで倒れていた。


「ここはどこだ…。俺は確か大魔王と戦っていたはず…。何故池のほとりにいる。う…。」


 太陽のまぶしい光にくらりと眩暈がする。魔王との戦いためであろう、いつもより身体が重い気がした。


「顔でも洗うか。」


 独り言を言いながらも、俺はさざ波もたたぬ静かな池を覗き込んだ。すると水面には紫色の瞳の乙女が映っていたのだ。


「!!」


 その乙女に驚くと、同じ様にその乙女も驚きの表情をあげた。


「うそだうそだ!」


 顔に手を当てるとまた同じように、その乙女も顔に手をあてるのであった。


「おんなになってる!!」


 黒い髪の華奢な乙女、それが魔王が俺にかけた呪文の効果であったのだ。そしてこの後、俺が魔王と戦ってから数年たっていたことを知る。世間では俺は死んだことになっており、俺の実力に当てはまる後釜がいないこの時代では各国から勝手に認定された勇者たちであふれかえっていた。


* * * * *


 俺は魔王のかけた呪文の正体を探しだすため王立図書館で片っ端から文献を探った。しかしこの女の身体というものは、数十冊の本を一度に持つだけで悲鳴をあげる。相手を弱体化するために使う魔法としては確かに納得のいくものだと無駄に感心をしてしまった。


「あったぞ。そうか、最後に魔王が唱えた呪文は俺を違う者に変化させる呪文だったんだな。なになに…。」


チェンジス:相手を変えたいものに変化させる呪文であり仲間を強いものに変えたり、敵を弱いものに変化させるために使用される。


「おおこれだ、これだ。なになに。」


効果持続時間は施術者の魔力によるがすぐきれるものから、ある程度の魔力であれば半永久的に続くものもある。


「おいおい、勘弁してくれ。」


効果解除条件は施術者によるReチェンジスもしくは施術者の死亡。他の施術者によるチェンジスの上書きも不可能である。しかし変化されたものがその状態で死亡したり、その姿を受け入れた場合や大きく変化した場合(例としてさなぎから蝶になる。他人の臓器を移植する。妊娠する。他の魔法で違う姿に変化している時。などが挙げられる。)はその効果が解除されることは永遠になく再度チェンジスをかけることはできない。


「まぁ、前者の魔王にReチェンジスをかけてもらうのはあり得ないが、魔王が死ねば効果が切れるってのはありがたい話だな。目的は変わらない。しかしこんな状態じゃ今までの様な一人での冒険は無理だ。魔王を倒す仲間が必要だな…。」


 正直女になった今でもそこらの者よりも腕が立つ自信がある。しかし以前とは当然くらべものにはならない。なによりも今まで使ってきた関所や移動の船に手形もなく乗るなどの特権をもった“勇者としての身分”がなくなった状態では冒険を続けるのは難しいだろう。俺は仲間を探すことにした。

誤字脱字が多いので、少し書き直しています。

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