☆07☆
「嘘だってわかるけど他の皆はどう思ってるかはわからないぜ…」
けんじがニヤニヤしながら言う。
俺は血の気が引いた。
だが、俺負けずにあいつに対抗した。
「みんな聞いてくれー!
俺と美代子の噂を美代子から聞いていると思うけど、
あれは嘘だからな〜!作り話だ!」
「ひどいよ!拓郎君!
いくら勢いで好きでもない私とヤッたからって、
作り話なんて言い過ぎよ!」
美代子が反論して来た。
「私…わかってたんだよ。
拓郎君が私の事好きじゃないって…でも拓郎君、
自分に好意を持ってる私を利用して
誰でもいいからヤリたかったんでしょ!?」
(何言ってんだ?このオンナは…)
俺は、美代子が対抗してくると思わなかったので
かなり呆然としてしまった…。
「…でも、あたしは嬉しかったの!
拓郎君があたしを抱いてくれた事が…。
拓郎君にはただのはけ口かもしれないけど…
あたしには大切な出来事だったのよ!うわぁ〜ん!」
美代子は皆の前で大泣きし出した。
「み・みんな!こいつは嘘泣きしてるんだよっ!
俺は美代子にそんな事してないからなっ!」
「ホントの事よ!
拓郎君はあたしの喘ぎ声だって聞いてるんだからぁ!」
今朝の携帯に入っていた留守電の事だが
突然の大胆なセリフにみんな騒ぎ出した…。
「あれはお前が勝手に聞かせたんだろーが!」
「ほらぁ!やっぱり聞いてるじゃない!自分で恥ずかしくない?」
「……!?」
更にみんなが騒ぎ出した。
確かに今の俺の発言は誤解を招く…。
今、俺が弁解しても騒ぎが大きくなるような気がして
俺は黙ったまま席についた。
そして
「でも、みんな聞いて!あたしはちっとも不幸じゃないよ。
確かに見た目は悪いけど女として初めて幸せを感じてるトコなの…。
それだけで今は幸せなの!
だから拓郎君を責めないでね!」
俺は心底、美代子が恐いと思ってしまった。
「…毎回言ってんだけど、あいつおかしいよ。
変な世界持ってるぜー。恐いよー」
「ああ、はっきり言ったのに全然わかってなかった。」
「そういや、お前あいつの事昔から知ってんだろー?」
「うん、まあね」
「あんな性格だったん?」
「さあ…。そこまで仲がいいわけじゃなかったからね」
「そっかぁ…しかし、何であいつはイキナリ積極的になったんだ?
今まで話すらあまりしなかったんだろ?」
「…ああ。」
俺はけんじと学校の屋上で美代子について話し合っていた。
たしかに最近の出来事が急展開し過ぎでワケがわからない。
「よぉし、俺ちょっと美代子について調べてみるわ」
−と、けんじが突然言った。
「ばか、やめとけ。あいつ頭おかしいから何すんかわからないよ。
危険過ぎる…」
「はは…。大ゲサだな。大丈夫だよ。
俺そーゆうのすっごい大好き!」
「…ふぅ。お前に何かあっても知らないからな!」
俺達は笑いながら教室に戻った。
教室に戻ると美代子が俺の席に座ってた。
「あ、おかえり拓郎君!待ってたの…」
「……なに?」
俺はそっけなく返事した。
「美代子ね、拓郎君に弁当作って来たんだー。
ぜひ食べて欲しくって…」
「………。」
「ん…?なあに?」
「別に…」
「とりあえず昼休みになったら食べてみてよ。」
そう言って美代子は弁当箱を俺に渡した。
ふと周りを見渡すとクラスの皆がニタニタしていた。
「なんだかんだ言って拓郎もまんざらでもないって感じだなー」
「意外にお似合いかもね〜!ひゅ〜×2」
(何も知らないくせに…。はあ…)
俺は席について弁当箱をカバンに入れた。
なんだか教室もだんだん居心地悪くなって来た。
(大体俺は美代子ではなく愛子ちゃんが好きなんだ…。
このままじゃ愛子ちゃんに俺の気持ちを伝えられなくなる…。)
昼休み。
俺はけんじと屋上で美代子からもらった弁当箱を開けて見た。
「お!?割とうまそーに出来てんじゃん。」
「…うん。でも気味が悪いよ。中に何が入ってるか わかんないし…」
「はは…。なになに、玉子やウィンナー、そぼろにチキンか…。これは焼肉かな?」
そういって、けんじは焼肉らしきものを一口つまんだ…。
「あ・うめぇや。キムチがきいてて食欲をソソる感じ。」
「じゃあ、お前が食ってくれ全部…」
「ワリィけど、そういう弁当は食えないね。君がきちんと食べなさい。」
「…はあ。食えるかなー?」
「まず食って見ろって!うまいぞ!」
俺は不安ながらも一口食べてみた…。
「……うまい!…」
「だろ?あいつは見た目よりは女らしいかもな。ははは…。」
あんなにイヤイヤしていた俺だが、美代子の弁当を一気に全部たいらげてしまった。
「俺、食っちゃった…」
「いいんだよ。それで…。一応お礼言えよ。いくら嫌いな美代子でもさ。」
「ああ…」
教室に戻るなり俺は美代子のトコへ駆け寄った…。
「美代子、弁当うまかったぜ…ありがとうな…」
「…うそ?全部食べてくれたの?ホントにおいしかった?」
「ああ…」
「うれしい…」
美代子は泣きながら言った。俺も一瞬だが、美代子がカワイク見えた…。
展開がまた違う方へ流れていきます。
感想おまちしております。




