☆04☆
放課後の教室。
俺は愛子ちゃんに呼ばれて待っていた…。
「ごめんね。急に呼び止めたりして…」
俺は正直、嬉しかったりもした…。
「ああ、別に気にしないで、どーせヒマだしさ…」
愛子ちゃんは何か考えてるのか、俺に背中を向けていた。
少しの沈黙の後、ようやく重く口を開いた。
「美代子の事なんだけど…」
「…あ・うん…」
(やっぱりその事か…)
俺は予想通りだったので少し面白くなかった。
「…もう少しやさしくしてあげられないかなー?」
「ーえ!?」
俺がその言葉に反応すると、愛子ちゃんは俺を見つめ、
「何か、美代子に対してすごく冷たい感じがするの…
私の知ってる森下君とはイメージが違う気がして…」
「……そ・そう?」
俺は愛子ちゃんの言葉にすごいショックを受けた…。
「彼女ね…ホントにいい子なんだ…。
ホントに森下君の事好きなのよ…
がんばって森下君の為にダイエットして少しでもキレイなろうとしてるの…」
「…でもあいつ、俺と付き合ってるなんて嘘付くから…
俺はそれをはっきりさせただけだよ…」
「…うん、それは美代子が悪いよね。
でも、森下君、美代子がヤセたら付き合う気はあるんでしょ?」
「いや、あれは美代子が強引に…」
「…じゃあ、森下君も美代子に嘘ついたって事!?
お互い様だよね?今回の事で…」
「……でもー」
「とにかくっ!言い訳はいいから。
付き合う気ないならはっきりと美代子に言ってよ!
このままだと美代子が可哀相だから…」
「………ああ」
「用はそれだけだから…じゃあね。」
そのまま立ち去る愛子ちゃん。
小さくなっていく足音が更にむなしくなっていく。
(…なんだか俺、愛子ちゃんに嫌われてるよなー…)
俺はすごいブルーになった…。
その日の夜、部屋で落ち込んでたら携帯が鳴った…。
「もしもしー…」
…………。
(いけねっ!ボッ〜としてたから
画面見ないで電話に出てしまった!美代子かも…)
ハア…ハア…
電話の奥から不気味な声が聞こえた。
うっ…うぅぅ…
「も、もしもし!?」
あ…あたしだけど…
やはり美代子だった。
俺は電話をすぐ切ろうとした。
今、吐いてた…
美代子からの言葉。
俺は問い返す。
「吐いてたって?」
…ううっ!
俺はあまりの気持悪さに
思わず怒鳴る。
「いい加減にしてくれないかな!?」
それはこっちのセ
リフよ!拓郎君ズル
イんだもん。
あたしがヤセても付き
合ってくれないし…
美代子も切れ気味に言い返す。
「え?ヤセた…?」
俺は「どこが?」と言わんばかりに
声を裏返しながら聞き返した。
「今、ヤセたって言った?」
そうよ!がんばっ
て1キロヤセたのに
さ…皆の前であん
な事言われるなんて
話が違うでしょ?
「ちょっ、ちょっと待てよ!
お前ヤセたらって言ってたけど、
どれくらいの事言ってたんだよ」
え!?1キロでもヤ
セた事には変わら
ないでしょ…?
「…いや、俺はてっきりもっと…」
うん。だから2キ
ロヤセようと思っ
て。今吐いてたの
「いや、だから…普通はさ、
もっとスリムな事を言うだろ?
1、2キロじゃそんなに変わらないだろ?」
……なによ…
もっとヤセろって
言ってるの?
少しずつ美代子の声が荒くなる。
「だからさ…」
アンタ、あたしを
殺す気?
「ーは!?」
殺す気かって言っ
てるんだよ!!
“プッ”
ドスのきいた声で電話を切る美代子。
俺は携帯を見つめながら呆然としていた。
彼女は何かおかしいのか?
それともダイエットのせいなのか?
俺の中での不安は更に拡大して行った。
“プッー プッー プッー”
ホントにいたら嫌だな(笑)




