☆02☆
翌日、教室に入ろうとしたら入口で愛子ちやんと目が合った。
すると彼女は俺から目をそらし、うつむいたままこう言ったのだ…。
「昨日の事だけど、アレが答えなの?」
「え?アレ?」
俺はとっさに美代子が愛子ちゃんに昨日の事を全部話したと気付き
「うん…」
と俺は言った。
すると彼女は黙ったまま自分の席に座った。
そして美代子はその日学校には来なかった。
…多分かなりショックだったんだろう…
−さらに翌日、俺の親友のけんじがイキナリ
「おマエ、美代子と付き合ってるの?」
と言ってきた。
「は!?何で急にそんな事言うんだよ…」
「…いや今、学校中の噂なんだよ!
お前と美代子が付き合ってるって…!俺かなりびっくりしたんだけど…」
「は!?」
「いや、朝からその話題がスゴイぜ…。
ホラ、美代子の見た目が見た目だけに…さ。
お前の女の趣味もかなり疑われてるぜ…。ははは…」
そう言ってけんじは笑い、俺は…ワケがわからなくてボーゼンとしていた…。
一体、何故そんな噂が流れ出したのだろうか…?
教室に入るとみんなが俺を見ていた。
その日は愛子ちゃんはもちろん、美代子も学校に来ていたので、
すごい居心地が悪かった…。
…だけど何故そういう噂が流れ出したんだろう…。
考えられる事は美代子が俺を呼び出したあの日を誰かが目撃したってことだ。
別に隠れて告白された訳じゃないから見られても不思議ではない。
だからといって、それで付き合ってるなんて噂を流されちゃこっちはたまったもんじゃない。
愛子ちゃんや美代子にも迷惑かけるし、
誤解なんてされたくない。
俺は一人イライラしていた。すると
「あの話、ホントなの〜?」
「拓郎君、正直言って悪趣味だよ〜!」
ーと、近くに座ってた女子どもが小声で俺に問い掛けた。
「ね、ね、ねー、美代子のどこがいいのぉ〜?」
「そうよ!あの子よりカワイイのなんてクサるほど学校にいるのに〜。あっ!もしかして拓郎君ってアレ…!?」
「え?何よ。アレって……。」
「ほらぁ、太ってる人が好きな人の事を言うじゃん!デブ専だっけ?」
「あ〜あ、言うよねぇ!あははは…」
俺はこの二人の会話に呆れて何もいえなかった…。
昼休み、俺は親友のけんじと屋上にいた
「なんだあれ…デマだったの?」
「当たり前だよっ!だいたい何で俺が美代子なんかと付き合うんだよ!
俺には…あ、愛子ちゃんがいるんだもん…。」
「なにオマエ、愛子が好きなのか…?」
「……俺、たしか前に話したよな?愛子ちゃんが好きって…
なんでお前はいつも人の話忘れるワケ!?
普通だったら美代子と俺が付き合ってるって聞くだけで
嘘か本当かすぐにわかる話だろっ!
お前何年俺とツルんでんだよ!」
「…え!?そうだっけ?ごめん、オレ頭ワルイから…。
でもよー、愛子ちゃんって美代子の為にオマエに手紙まで渡したんだろ?
それってオマエに気がないって事だよな?」
「……痛いトコつくね…。そう。そうなんだよね〜。はあ…」
「じゃあ、このまま付き合うか?美代子と…」
「……お前、それ笑えないジョークだよ」
「ははは…しかし何でそんな噂流れ出したんだろうなー」
「それは俺が聞きたいよ…愛子ちゃんには誤解されそうだし、
美代子がそれを本気にしてたら恐いし…」
だが、俺はいてもたってもいられなかったので、
愛子ちゃんを呼び、誤解だって事を言う事にした。
「あ・あのさ、噂の事なんだけど…」
「………うん。」
「美代子から聞いてると思うんだけど…」
「…聞いたよ。だから付き合ってるんでしょ?良かったね」
「…いや、そうじゃなくって…アレはデマなんだ…」
「………?」
「誰かが流したんだ。単なる噂なんだ」
「……ひどい…。」
「−は!?」
「だってわたし、美代子の口から聞いたんだよ!
拓郎君と付き合ってるって!なんでそんな事言うの?」
「え…あ、いや」
「まさか…美代子をからかってたんじゃあ…サイテー!」
「え?からかう?」
「もう…森下君の事、信じられない…」
そう言って彼女は走って行った…。
−なんていう事だっ!あの噂を広めたのは美代子だったのだ!
俺はさすがにムカついて美代子を放課後体育館の横に呼び出し、美代子に問い詰めた。
するととんでもない答えが彼女の口から飛び出したのだ!
「だって付き合ってるじゃないあたし達…」
何を言ってるんだ?このオンナ……?
ここから美代子が進化していきます(笑)