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とある魔女の終わり



 「今まで、世話になったわね。ありがとう」

 「何だ、お前がそんなに素直だと気持ち悪いじゃないか……」


 これ程にも長く仕えた主は久しぶりだ。それも後、数分で終わると思うと感慨深いものがある。

 目の前に横たわる女は、知略の魔女として大陸に名を馳せた齢500を超える者だ。

 「本当のことを言っているだけださ。お前は優秀な使い魔だった」

 魔に染まっているとはいえ、所詮は人間。

 枯れる時は必ず来る。何と儚いことか。


 「アタシも久しぶりに楽しませてもらったよ。ありがとう」


 これで、しばらくは私もお役御免だろう。

 次第にネルの瞳が濁っていき、空っぽになっていくのを感じた。

 出会いは良いものだったとは言えないが、それなりに幸せだったんだろう、死に顔も満足そうだ。


 「さて、私もしばらく寝るとしよう」


 陽炎のように景色が揺れる部分をなぞると裂け目が入る。

 裂け目から懐かしい香りが溢れ、体に染み渡っていく。


 「サヨナラだ」


 裂け目に足をかけ、潜ると、電流が弾けた。





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