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92 最凶のメンバーを紹介するZE☆

待合室の隣の部屋にて軽い顔合わせが行われた。


ちなみに今回も四人組(フォーマンセル)でのパーティー編成のようで、今回のメンバーの顔ぶれを見てみた第一印象はというと....


一人目、金持ちそうなやつ


二人目、冴えないおっさん


三人目、俺


四人目、見覚えのある弟子


といった構成だ。




.....なんで因幡さんがいるんだ?


因幡さんの攻略階層は、二週間前の時点では15階層かそこらだったのに.... 


そう思い少し怪訝な視線を送っていると、因幡さんはこちらに気づいて嬉しそうに話しかけてきた。


「早川先生! 久しぶりです!」


「...久しぶりですね。ちなみに、もう29階層まで到達したんですか?」


「そうなんですよ! いや~ 早川先生の指導を受けてから戦うのが楽しくなっちゃって... 毎日探索してたらレベルも60になっちゃいました! うかうかしてたら弟子に追い抜かれちゃいますよ?」


....すがすがしいほどのドヤ顔だな。こういうのを、レベルが上がったことでなってしまう典型的な迷宮病と言い、中堅探索者によくある症状らしい。




俺の信条.... その中でも最も重要なことは、身の丈に合った探索をすることだ。


俺みたいに生きるか死ぬかの状況で探索をするならまだしも、レベルたったの60で階層ボスに挑むとか.... ネットで階層ごとの推奨レベルなどは公開されているのに、それを無視して突撃するようではいずれ因幡さんはダンジョンで野垂死にするだろう。


色々と教えた手前、死なれるのは目覚めが悪いし、探索が終わった後にしっかり助言しておいた方がいいかもしれない。






そうして俺達4人は部屋の椅子に腰かけると、その対面に座る職員さんとの軽い面談が始まった。


「今回の30階層討伐の代表者をまずは決定してください」


「俺です」


すぐさま口を開いたのは一人目の金持ちそうなやつ。おっさんと俺は特に異論もないので、取り敢えずうなずいておく。


「では、階層ボスについての情報はお持ちですか」


「.........」


金持ちそうな奴は黙ってしまったが、そこで一息置いておっさんが答えを返してくれた。


「30階層ボスはポイズンスネーク。確認されているスキルは毒系統が多く、尾を利用した攻撃や、噛みつきの攻撃がメインのモンスター... といった所でしょうか」


「では、毒対策の方はどのようにしていますか?」


そろそろ俺もなにかしら貢献しなくちゃな。と、そう思ったので、この質問には俺が答えた。


「解毒のポーションを5本ほど用意してきました。あとは、耐性で毒と麻痺に抵抗できるので、斥候職の強みを生かして、毒状態になったパーティーメンバーを即座に回復できるように立ち回ろうと思います」


そう言って懐に出現させた格納庫の口から、Dランクの解毒ポーションを5本取り出した。個人的には少し心もとない数に思えるが、Dランクのポーションは一応 希少品に分類される。


それらを鑑定した職員さんは納得したような表情を浮かべ、手元にあるタブレットに何かを入力していった。


「完璧ですね、ではこちらの転移結晶を探索者組合から貸し出します」


このように念入りにチェックが行われる一番の理由が、この転移結晶だ。


これを使うと一瞬でダンジョン外に避難することができ、退却できない一部の階層ボス戦では必須級のアイテムだ。俺も欲しいなと思って探索者ライセンスのIDを使用して入場できるネットオークションを除いてみたが、一つも売りに出されていなかった品だ。


なんでも、どこかのダンジョンのボスがドロップするアイテムで、探索者組合が独占しているとかなんとか....(探索者になろう wiki 調べ)


その転移結晶を受け取った金持ちそうな奴は、そのまま部屋を出て行った。そして俺とおっさんと因幡さんが、職員さんに礼を言いつつ部屋を退出する。


「一応自己紹介を... 八重樫(やえがし) (いさむ)です」


「これはどうも... 早川 誠です。よろしくお願いします」


「「.........」」



どうやらこのおっさんは俺と同類(陰キャ)らしい。


案の定、金持ちそうな奴に名前を聞く勇気は、両者とも持ち合わせていない。



「私は因幡由衣って言います! よろしくお願いします」


「あ、はい。よろしくお願いします」



そして、相も変わらず因幡さんは元気なようだ。




そうして列が順に消化されていくのを後ろから眺めること30分ほど、いまだに金持ちそうな奴はスマホをいじり続けており、こちらには目もくれない状態が続いていた。


そんなコイツは八重樫さんによると、最近マッチングを利用する探索者の間で悪評がひろがっているという、ある企業の社長令息らしい。なんでも、スタイルの良い美人さんとパーティーを組むと、執拗に立場をアピールして固定パーティーに誘ってくるという要注意人物だとか....


しかし、因幡さんが空気を気にしてしゃべりかけても華麗にスルー、哀れ因幡さん.... 




どうやらこの七光り野郎のタイプは大人っぽい美人さんのようで、顔は整っていても150センチの童顔は範囲外らしい。






そうして、終わっている空気の中で探索が開始された。




クロッキー帳でバロムを描いてみたのですが...


男の顔を描いたことがないせいで全く描けない!


のっぺらぼうになってしまったので、描くのを断念...


ちょっと練習してて投稿が遅れました。

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― 新着の感想 ―
主人公は平気かもしれませんが ガチに命懸けの仕事のマッチングが こんなのはなり得ないし 面接や脱出アイテムの希少性、パーティー組ませる設定が まるで意味をなしていないし メンバーもダンジョン舐めまくっ…
あの学校行く必要ないような気がしますね。 全員弱いですし、性格もあまりよろしくない人が多そうなので辞めたら良いと思いますね。
別にトップだとバラさなくてももう少し軌道修正するとかしないとますます追い込まれそう 場当たり対応ばっかしてるから辻褄が合っていない情報すぐバレるよね? 最適解を導き出せる大人に相談してみるとか 何か社…
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