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6 戦闘

もう一度フェルを外に出してから、そのまま道を進んでいき、分かれ道や広場を見つけるたびに、元来た方に石を積んで、てきとうに選んだ道を進んでいく。


そうしてしばらくすると一際(ひときわ)大きい広場に出て、そこには見覚えのある姿をした狼が鎮座していた。


その後ろには、黒一色の門のような物が置かれており、その姿はまるで何かを守るダンジョンのボスの様にも見える。


そして、やはり見慣れた銀色の毛並みをしていて、フェルとの違いといえば、少し小さいくらいだろう。


「リポップってやつかな」


「グウゥ」


そうだと言うようにフェルは唸り、俺は試しに向こうにいる狼を調べてみることにした。


[解析]


⇒ 【種族】 ブリザードウルフ Lv.250  【Name】 -

  

  【進化数】 0  【状態】-


  【称号】 守護者(茨城ダンジョン57階層)


  ◇ 能力値

  HP 1601/1601  MP 1722/1722  SP 1431/1431

  筋力 1549 魔力 1809 耐久 1294 敏捷 2001



  ◇ 耐性

  ⇒無効

   氷属性無効(B)-

  ⇒耐性

   風属性耐性(C) Lv.11 物理耐性(C)Lv.7

   麻痺耐性(D)Lv.4 毒耐性(D)Lv.3


  ◇ スキル

  ・武技スキル

   ⇒爪術

    硬爪(D)Lv.5 

   ⇒移動術

    疾走(D)Lv.11 縮地(B) Lv.1


 ・魔法スキル

   ⇒水属性 

    アイスストーム(B)Lv.6 ミラージュミスト(C)Lv.5

    ウォーターキャノン(C)Lv.11 アイスランス(D)Lv.15 氷鎧(D)Lv.13

   ⇒風属性 

    鎌鼬(C)Lv.12 ウィンドランス(D) Lv.16

   ⇒影属性

    影分身(S)Lv.1

  

  ・特殊スキル

   ⇒パッシブ

    魔力強化(C)Lv.10 身体強化(D) Lv.14

   ⇒アクティブ

    覇気(A)Lv.4 魔力収束(B)Lv.8 




「フェルよりは弱い... が普通に強いんだろうな」


ステータスはフェルに比べてレベルは30くらい低いが、自分と比べれば二倍近くレベルは高く、スキルや耐性も滅茶苦茶に多い。


「フェルやれるか?」


「グオゥ」


「よし。 頑張れ!」


その問いにフェルは元気よく唸り、目の前からフェルが消え、ボスの方を見ると、既にフェルは狼に向けて前足を振りかぶっていた。


ズガガガガガガッ...


爪の一撃で薙いだ(ないだ)先の岩壁には、巨大な爪の跡が五本くっきりと残っている。だが、狼はいつの間にか薄い水色のような鎧に包まれており、氷の鎧に傷はあれどその体には何の外傷もない。


「[氷鎧]のスキルか」


氷の鎧をまとった狼は、フェルから距離をとると、そのままフェルの周囲を回り始めた。


その動きはどんどん早くなっていき、レベルの低い俺の目では負えないほどのスピードに達している。


『グゥオオオオオアアアアッ』


しかし、次の瞬間フェルの咆哮が広場に響く。すると見えていた狼の姿がいきなり掻き消え、別の場所に姿を現した。


狼はふらふらとした足取りにもかかわらず、何とか走り出そうとするも、巨大な氷塊がフェルから放たれたことで、その氷塊に足を巻き取られ、その場で倒れ伏した。


そして、間髪入れずにフェルが爪の一撃を狼へと繰り出す。


だが、フェルの一撃は空を切り、周囲を見渡すと、少し離れた場所に片足を失った狼が倒れている。どうやら、足を犠牲にして回避を優先したようだ。


その場で狼は自分の体に再度、氷の鎧をまとわせ、同時に氷の槍を十数本生み出しフェルに向かい打ち出すが、フェルもそれに合わせて氷の槍を打ち出し攻撃を相殺する。


「う...」


体から、何かがごっそりと抜ける感覚がする.... これは、魔力?


俺が喪失感を感じているうちに撃ち合いは拮抗して終わっており、次に両者は接近して格闘戦を始めた。狼は器用に失った足の代わりとして氷の足を生み出し、その足で攻撃を繰り出す。


対して、フェルはその攻撃を紙一重でかわしながら、氷の鎧を爪で削っていく。そしてついにフェルが氷の鎧を削り切り狼の体に攻撃が届こうとした瞬間...


フェルの後ろに"二匹目の狼(ぶんしん)"が現れた。


フェルは突然のことに反応が遅れ、分身の攻撃をもろに食らいそうになっている。


「おらああぁぁぁぁぃ」


突然のことだったが、無意識に体が動くと、手に持っていた剣を狼の分身に向かって投げていた。


レベルが上がったおかげか、黒歴史の一つである投げナイフの成果か、その短剣は(ぶんしん)に向かって吸い込まれるように突き刺さる。


すると分身はそのまま煙になって消え、フェルの一撃はそのまま本体の狼の首を切り裂いていた。




長いようで短かった激闘が終わり、ほぼ見ていただけなのに糸が切れたように座り込んでしまった。


その姿を心配するように、フェルはすぐに隣まで走ってくる。


「あの二匹目は狼のスキルの[分身]だろうな、伝えるのを忘れてたよ。ごめんなフェル」


フェルは大丈夫だというように首を振った。犬は飼ったことがないが、超巨大サイズでも結構かわいく見える。


「よし、じゃあドロップアイテムを確認しようか。」


「グウゥ」


気を取り直してすでに消えた狼の元まで行ってみると、そこには以前、踏みつぶしたマジックオーブが落ちていた。


それを拾い上げフェルの顔に近づける。


「これはフェルが使ってくれ。」


「グオゥ?」


フェルは不思議そうにこちらを見ている。


「今回はフェルが頑張ってくれたからこれはフェルが使うべきだろ?」


すると、フェルは嬉しそうにオーブを口で受け取ってそのまま噛み砕いたので、[解析]してみるとフェルのスキル欄には[影分身]が増えていた。


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― 新着の感想 ―
全てにおいて格下の同族に苦戦?
前話で、剣を両手で握り込むみたいな描写も有り最初は刀剣というカテゴリで出してたのに短剣?
>突然のことだったが、無意識に体が動くと、手に持っていた短剣を狼の分身に向かって投げていた。 急に短剣が出てきましたが、これはもしかして鉄骨剣の事でしょうか?前話の表記では単に剣でしたし、普通にその…
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