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51 舎弟

速すぎる展開について行けないものの、一つ疑問がわいた。先ほど鑑定されたのは分かるがこの男はレベルが低い、であれば俺のステータスは絶対に見られないはずだ。それなのにこの低姿勢.....


「....えっと、どういうことですか?」


「へへへ... アニキみたいな強い人に礼を尽くすのは当然じゃないですか!」


なんで強いと思ったのかは分からないが、情報収集にはちょうどいいか。


「一旦、舎弟云々は置いておいて。まず、なんでここら辺は人がいないんですか?」


その質問に男はきょとんとした顔を返した。


「理由で言ったら第一次迷宮氾濫(スタンピード)の影響で避難命令が出たからなんですが、もしやアニキは迷宮遭難者ですか? それならこの質問をする説明がつくんですが」


迷宮氾濫(スタンピード)....


成程、それでここら辺は危険地帯になって全員避難したのか。確かに前俺が相手にしたオークの軍団の内の一体が出てきただけでも、レベルを上げていない人間しかいない町が一瞬で壊滅するだろう。


「一つお聞きしたいんですが、アニキは迷宮をクリアしたということですか?」


「まぁ一応ダンジョンを最後までクリアして地上に出てきたわけですね」


「なるほど!」


納得したような顔をした後、また男はしゃべり始める。


「俺の名前は石山大吾といいます、ちなみにですが今後の予定とかはありますか?」


「そうですねぇ... この有様じゃ学校もやってないだろうし、どうしたもんかなって感じです」


「なるほど! 最近、全国に探索者学校ってのが出来てまして、そこには保護された迷宮遭難者が無条件で転入できるクラスがあるらしいんですよ」


渡りに船とはこの事、今の俺にはピッタリだ。


「ところであなた達はどうして避難地域のはずのここにいるんですか?」


「はい、この辺は特級ダンジョンが出来た影響で政府も放棄した治外法権の無法地帯ですからね。ドロップアイテムを自由に売り捌けたり、用心棒として組員を派遣したりとか色々あるんすよ」


「へ~ でもここら辺は水道とか電気とかないのでは?」


「いえ、ここら辺には水道ガス電気とか引いてまして、あとは電波も飛んでますんで」


「....スマホって余ってる?」


「ありますが」


「ちょっとそれを譲ってもらったりは...」


「なるほど、では少しばかりこちらのお願いを聞いてもらいたい」


「内容によりますね」


こんなヤクザ顔の石山さんからの頼まれ事だと、ヤバいこと頼まれそうでちょっと怖いんだが。しかし、そんな考えとは裏腹に、頼まれたことは予想外の事だった。


「俺を鍛えて貰えませんか」


「それくらいなら全然大丈夫ですけど」


「マジすか」


「マジですが」


いきなり笑顔になった石山さんは、立ち上がると狂喜乱舞し始めた。はたから見るとヤバい薬をやっているのかと疑われそうなくらいだ。


「そんなに嬉しいんですか?」


「ええ勿論! アニキは多分ですが英傑の上位層レベルだと思うんですよ。そんな人にパワーレベリングしてもらえるって、人生勝ち組ですよ!」


「英傑ってなんすか?」


「それなら...」


すると石山さんはスマホを操作しあるサイトをこちらに見せた。


「ではこちらのサイトを見てみてください」


そこには名前と情報が縦に羅列された石碑のような物が映し出されている。


「これはアメリカのダンジョンで発見されたアーティファクトで、ヒエログリフと言われている世界で初めて発見されたEXランクアイテムでして、ほらこの文字。よく見ると日本語じゃなくて世界のどこにもない文字なんですよ」


確かに今まで違和感なく読めていたため気づかなかったが、文字がフニャフニャしていてどう見ても日本語ではない。しかし、何故か違和感なく読めるのだから不思議だ。


「このランキングは端的に言い表すと世界の最強ランキングなんです」


そう言われて見ると一番上の一位の欄にはunknownの文字が、そして二位の欄にはキングの名があった。


そのままスクロールすると画面が切り替わり250人ずつ表示されている。どうやら四面に250人ずつ、計1000人ほどが表示されているようだ。


「これに表示されている人が英傑で、更に上位250人が上位に分けられていて、少し前に演説をしていた300位前後の英傑よりアニキの方が強そうで上位勢だと分かった訳です」








....一番上なんだよな~


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