43 デカい魚の倒し方
迷宮で遭難した者の朝は早い。
早朝の起き抜けは鍛錬に励み、肉体を鍛え上げスキルの熟練度を上げ魔闘法の修練をする。そこからはフェルとクズノハが起きてくるまでの間に生産スキルを磨くといった流れが毎日の日課だ。
ここ三か月で俺の制作能力は元の器用さのおかげもあってかなり成長したと自負しており、今は魔石銃四号機の開発を進めている。
が、しかし。今の所、一番できのいいものは魔石銃二号だった。
魔石銃二号機はサブウエポンとしてかなりいい出来で、簡単な構造としては短い銃身の火縄銃のような物でだ。他にも、グリップからハンマーの部分までを魔力を通しやすい素材で作り、なおかつ弾は火薬の代わりに魔石を使い、魔鉄を円錐状に加工した物と魔石をくっつけた物で、魔石に過剰な魔力を流し込むことで爆発させるという仕組みを取り入れて、実用化できる程度の強さを持っている。
元々エアガン等も嗜んでいたお陰で、スキルの補助もあればかなりの戦力になると自負している.... まぁ、弾丸一つでものすごい手間がかかるのだが。
しかし、その甲斐あって魔法を銃を持つ手で発動すると魔鉄に魔法が宿るため、魔法と併用して打てば魔法を込めた銃弾が放てるなど多機能さが強みの一品だ。
そうして作っていると腹時計が朝7時を指す頃合いになった。最近は朝食で前日の残りを温めて食べることが多く、今朝も例にもれず昨日の鶏がらスープを飲み干す。
「おはようございまふ...」
「くあぁぁぁ」
二人もやっと起きてきて朝食を飲み干すと、ダンジョンへ...といつもならなるが今日は違う。バロムとアネモイを召喚し椅子に腰かける。
「では作戦会議を始めます! 作戦参謀!作戦を頼む」
「では今回の作戦を発表する」
口を開くのは昨夜作戦参謀に任命したバロム。
「まず奇襲でダメージを与えるそしたら後は全員でボコるだけだ」
「....却下で」
流石の脳筋悪魔でもそれは無いだろう。
「相手の権能は私が押さえておきましょう」
頷いて今度は俺の作戦を話す。
「奇襲っていう案は良いな。まずは奇襲で俺ができる限りあいつにダメージを与えて神足通で離脱、地上に脱出する。そしたら俺は運気調息で神足通に使ったMPを回復し、ある程度回復したら復帰。そして、その間はバロムをメインとして、フェルは事前に蓄えたMPを使った永久凍土と天災地変で海を凍らせて拘束、クズノハは両者の支援。そこからは持久戦で、できる限り広範囲スキルの発動を妨害と、こんな感じかな。後は未知のスキルも多いが予想できる厄介なスキルは猛毒血液、これのせいで近接戦はあんまりだからバロム、百歩神拳で応戦、以上」
「さすがはネトゲをやったことのある者の攻略法はレベルが高いな!」
「もしもの時は精霊憑依で大精霊召喚を使ってください」
「ちなみにリヴァイアサンを仕留められる?」
「もちろん、10秒で海から引き揚げて活け造りですね!」
WoW すごいね!?
「じゃあそれで... 「今の私の本体をマスターの体に宿した場合、魂がほんの1分でぺっちゃんこになりますよ? なのである程度セーブして、なおかつ短時間にとどめる必要がありま「いや遠慮しときます」
「いや遠慮しときます」(迫真)