27 レベリング中毒なう
伏魔殿の外に出て城を見張ること30分ほど、ついにオークの団体が一組、場外へと出てきた。
「豚肉が来た!」
どうやらもう彼にとってオーク=豚肉の構図が出来上がっているようだ。
「つけるぞ」
「了解」
そしてまた30分ほど歩いたところで仕掛けることにした。
「よし、そろそろいいだろう。俺が広範囲に拘束系のスキルを使って全員の足を止めるから、その間に仕留めていってくれ」
「防御の低い魔法使いオークがねらい目だな」
「油断すんなよ。今のステータスだと魔法使いでもビンタされたらHPが半分吹き飛ぶぞ」
「....やっぱダンジョンで油断は禁物だな」
「よし、いくぞ [剛糸結界]」
スキルを使うとMPをガンガン吸い取られる感覚と同時に、直径200メートルほどの範囲が糸に覆われオーク達は繭のようになっている。そして、MPはというと600も消し飛んでいた。
「どれが魔法使いオークかわからんが... 行ってくる。」
キングが走って行ったあと、こちらは剛糸結界を抜けだした強めのオークの相手だ。せっかくの相手なので、こいつらで新スキルの試し打ちをしてみよう。
[糸切]
二体のオークの首を狙い糸を放つが、少し跡が付くだけでHPは微塵も削れていない。流石にDランクスキルでは威力が足りなかった。しかし、
[影糸・糸切]
今度の影糸を使った糸切は大魔法使いオークの首を余裕で切り裂いた。そして、もう一匹のオークは持っていた大楯で防御したようだが、大楯は切り刻まれ使い物にならなくなり、腕も切り飛ばせている。
一応鑑定してみると種族はオークヒーローとなっておりレベルは350となっていた。
「さっさと終わらせるか。」
神足通で後ろに回り込むと天穿と五月雨の組み合わせで攻撃を仕掛ける。防御が間に合うはずもなく、無防備な首に天貫が3発突き刺さったところで、オークヒーローも力尽きた。
キングの方を見ると、どうやら剛糸結界の糸に苦戦しているようで、炎をまとわせた斧で何度もオークの首を狙い少しづつ撃破している。なので、一応糸を操作しオークの上半身までを覆う形にしておくと、調子が上がりすぐにレベル上げ作業は終了した。
「よぉし!!」
「レベルはどれくらい上がった?」
「もう255だ、新スキルも試してみたいな。ところでマコトはどうなんだ?」
そう聞かれて確認するとレベルは364まで上がっていた。そして獲得していたのは刀術のスキルで残像剣と居合抜刀というスキルだ。これで本格的に短剣から愛刀の方にメインウエポンをシフトできるだろう。
「その様子だと結構レベル上がったのか?」
「スキルが二個手に入ったし上々だな。」
そのまま城の方へと帰るときに、野良のオークに遭遇しある程度試し打ちもできた。しかし、俺の新スキルの居合抜刀は鞘がなければ発動できないらしく、結局使うことはできなかった。