23 序盤で最強武器をもらえる系のチート
「フォグアッ...」
「...アニキ、強すぎるな。あと、最後にオークは「見事也」って言ってたぞ。」
「どこの時代劇だよ。」
少しして、キングに続き俺の体も光り始めた。いつも通り解析してみると、レベルは351になっている。
「なあ、なんでそっちの刀は使わないんだ?」
キングの視点は腰に刺した愛刀の方へとむけられていた。
「あぁ、俺は短剣術のスキルしか持ってないんだ。」
「なんでだ? そんな立派な武器を使わないのは損だろ? 使ってればスキルは生えてくるし、最近手に入れたのか?」
「いや、コイツは成長する剣で、元は短めの直刀だったんだ。」
その言葉を聞くと、キングの目はまたしても子供のように輝き始めた。
「成長する剣!? スゲェな、鑑定してみてもいいか?」
「ん? あぁいいぞ。」
しかし、少しの間キングは動かなくなってしまった。
「どうした?」
「マジかよ... Sランクの武器、しかも鑑定阻害まで起きてるし、」
「鑑定阻害?」
「造語だけどな、格上相手に鑑定系のスキルを使ったときに文字化けすることがあるだろ? あれの事だ」
なるほど。
ちなみに今の愛刀のステータスはこんな感じ。
⇒ 種別 魔法武器 小太刀 Name 龍骨刀 (Lv.3) Rank S
材質 青生生魂 龍骨 魔鉄 耐久度 ∞
補正 攻撃 +2000 魔力 +1500
スキル 不滅(EX) 成長(EX) 武装破壊(S) 帰属(B)
総評 成長する武器。
EXランクに進化する可能性を秘めている。
不滅のスキルにより、壊れることはない。
帰属武器であり、持ち主以外は扱えず召喚が可能。
「じゃあ、キングの武器... というか鎧も見てみていいか?」
「いいぞ!」
「では、[精査]」
⇒ 種別 精霊武装 重鎧 Name 灼熱霊鎧 Rank EX
材質 精霊鋼 耐久度 ∞
補正 防御 +3500 魔力 +1000
スキル 大精霊召喚(EX) 火の加護(EX) 契約(EX)
精霊憑依(S) 灼熱結界(S) 霊装(A) 形状変化(A)
総評 評価規格外
「??????????????????????」
「この鎧、元は三十階層で手に入れたんだぜ?」
「虹? いやEXランクなら黒い宝箱でも見つけたのか?」
「いんや、そんなのは見たことないな。これは元三十階層のボスドロップで、Cランクのただの鎧だったんだ。けど... あれ?さっきも言ったっけな? まあ炎の大精霊と契約したことで、この鎧に分霊ってやつを付与したとかでこんな風になったんだ。」
「スキルてんこ盛り過ぎない?」
「だろ? これがなかったら氷雪地帯の三十一階層で死んでただろうな」
「ちなみに精霊との契約って何?」
精霊との契約、ファンタジー物での定番といえる物は、俺の厨二魂に火をつけた。
「イフリートに精霊界に招かれて「俺と契約して精霊の導き手になってくれ」って言われたんだ。」
「キュ〇べえかな? まあそんなことは置いておいて、つまりは精霊側に招かれると契約ができると。」
「そういうことだ。なんでも俺の筋肉に惹かれたとかでな? 後は、この鎧がもともと精霊結晶てのが素材に使われていたのも関係しているそうだ。アニキの面も精霊の力が感じられるし、60階層を突破したら契約できるんじゃないか?」
「期待していようかな。」
「多分、今のところアニキより強い奴なんていないだろうし、呼ばれるのは確定だろうな。」
「...? ところで、そのアニキってのはなんだ」
最初はきょとんとしていたがすぐにキングは口を開いた。
「自分より強い奴にレベリングを手伝ってもらうんだ、そういう時はアニキって呼ぶのが日本流なんだろ?」
................. 何処の極道かな?