20 ワルプルギスの夜
不思議な感じだ。今まで階層の門を2回通っているが、それらと比べても圧倒的に時間がかかっている。
[ マッチング開始
特級... 該当1件
一級... 該当13件
魔力生成量... 12638.55 茨城ダンジョン (EX)
563.92 ニューヨークダンジョン (A)
94.14 北京ダンジョン (A)
91.65 ロンドンダンジョン (A)
~
開催地を茨城ダンジョン六〇階層に決定
適正レベル90以上 該当者数 2名
インスタントダンジョンを生成... 成功
該当者を転移。
一部、非対象者を通常階層に隔離します。
これよりワルプルギスの夜が開催されます。]
「だれだ!」
最近はクズノハくらいしか話す相手がいなかった日本語とは違う。頭の中に直接入り込んでくるような声だ、それに、機械のように抑揚もない。
「自動音声か何かか?」
しかし、その問に答えは返ってこなかったが、少しするとやっと外に出ることができた。
「よし クズノハ早速索敵を...」
いない。
なぜかクズノハとフェルがいない。まさか入ってすぐ倒された? いや、パスはまだしっかり通っている。先ほどの音声、「非対象者を通常階層に隔離」ということは...
[解析]
思った通り称号の 探索者(茨城ダンジョン:59階層) が変わっていない。ということは、俺だけが特殊な場所に移動させられたということか?
いくら考えても答えは出てこないが、二人がそう簡単にやられることはないはず。
そんなことを考えていると、目の前に黒い門が現れた。
「は?」
そこから現れたのはマッチョだった。