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【更新再開】朝起きたらダンジョンにいたんだが ~異世界転移?いいえここは現実世界です~  作者: sei10
第四章 夏休み編

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125 悪魔界の逆張リスト

あけおめェ ことよろォ



なんか... コメントが二倍ぐらいに膨れ上がってて開けねぇ...


たぶん、なろう作家ならこの感覚がわかる。


「ふ~む。どうしたものか...」


とりあえず、迷宮氾濫(スタンピード)の元凶は排除した。これで吾輩の計画(・・)を本格的に動かせるわけなのだが....


第一段階、吾輩の圧倒的な武威を記録するという工程は、目の前の探索者達が持つ記録媒体でクリアだ。軽く弄ってみると、探索中は常時録画できる設定になっていた。では次.... 第二段階、その映像を世界中に拡散するという工程を達成するにはどうすればよいか.... これが難しい。


「ふぅむ...」


吾輩が自らの手で拡散しようとすれば、マスターに見つかって破壊されること間違いなしだ。特に家の中で行おうとすれば、あのBBAが確実に告げ口するだろう。


であれば、記録媒体の本来の持ち主であるこの探索者にアップロードさせればいいのでは? と思ったが、それを確実に遂行させる方法が吾輩には無い。


「.......こういう時は、あやつの手を借りてみようか」


小難しい計略を巡らせるのは性に合わんな。


「さぁて、吾輩の右腕よ... 来たれ! 【悪魔召喚】」


赤黒い光が魔法陣を構築し、精神を蝕む発声と共にドブ色をした触手が中心の円から顔を出す。しかし、ちょっとばかしキモイな。一か月ほど見ていなかっただけで、このクトゥルフっぽいフォルムに対する耐性が減ってしまったらしい。


「よし、セバスチャンよ。もうちょっと姿を人間に近くしろ」


「ォアァ繧ゥ繧ゥ縺繝トアアッァぃ繧。ァァォォォぉ..... なんでしょうか? そのセバスチャンというのは」


「貴様の呼び名だセバスチャン。向こうでも吾輩の下僕をしていたのだし、丁度いい名前だろう。略してセバスだ」


「.........はぁ。ま、十万年以上も仕えてきた主人(あるじ)に名前を授かったのです。素直に喜んでおきましょう。で、このような場所に呼び出した用件はなんでしょうか?」


やはり、セバス(仮)は物分かりが良いな。吾輩に仕える悪魔の中で最古参なだけはある。そうして吾輩は、今までの経緯(いきさつ)とセバスにやってもらいたいことを簡潔に話した。


「つまり.... 私はそこな人間にアーティファクトの使用を【命令】すればいいのですね?」


「多分そういうことだ」


「承知しました」


そう言ったセバスは自らの肉体を再構成し、持ち前の魔眼を人体の眼球があるべき場所に移した。魔眼とは、スキルが肉体の一部として定着したモノを指す。そして、セバスの魔眼は ” 支配の魔眼 ” と称される代物で、その効果を一言で表すなら「対象に命令を下せる」とでも言うべきか....


「ルルーシ〇・ヴィ・ブリタニアが命じる!」を現実で行える魔眼というワケだ。ぶっちゃけ吾輩も欲しい。


「【命じる】汝、我が主人の雄姿を万民に示せ.... これでよろしいので?」


「うむ。あと、その記録媒体を他人に暴かれないような細工をしておけ」


「であれば.... 【悪魔召喚】グレムリンよ、このアーティファクトに取り憑き姿を隠せ。しかし、この女にだけは姿を晒してかまわない」


魔眼の効力は視線を交わした相手に限られる。よってセバスは命令する対象の頭をわしづかみ、そのまぶたを袖口からまろびでた触手によって開かせていた。うむ.... ビクビクと全身を震わせているその様は、とてもじゃないが他者に見せられるものではないな。


いわゆる薄い本に出てくるシュチュエーションだ。吾輩知ってる。


「よし、これで準備は整ったな」


「お役に立てたのであれば光栄です」


まるで汚い物でも触ったかのように頭部を放り投げたセバスは、その目線を吾輩にまっすぐと向け、神妙な顔でこう問うた。


「....いつ頃魔界に戻られるのでしょうか? 最近は間引きが不十分ゆえ、小物が領地を自治し始めております。噂では他の魔公と通じている者もいるとか.... 如何致しましょう」


「放っておけ。所詮は小物、有象無象に過ぎん。貴様の手のひらで踊らせておけばいい」


「承知しました」


物分かりが良いのもセバスの美点だな。別名イエスマンとも言うらしいが、仕える者としては満点だ。吾輩の主張に異議を唱えず、不足した部分を申告した上で補う有能さも持ち合わせている。


「最近は憤怒(われら)と怠惰を除いた五柱が共謀して領地拡大の計画を練っていると耳にしていましたが、我が主人は一手先を行かれているのですね。一枚噛むおつもりですか?」


「いや、それは憤怒らしくない。我らは常に闘争を渇望する者の集まりだ。であれば蹂躙する側に与するなど有り得まい? 闘争とは、互いを敵と定めてから起こるのだからな」


「であれば、それとなく喧嘩っ早い連中を焚き付けておきましょう。火種はいくらあっても良いのですから」


「うむ。それと、此度(こたび)は怠惰を巻き込むことにした。そちらは手出し無用。奴らの報復は手痛い(おもしろい)からな」


「仰せのままに、祭りの準備はお任せを」


その言葉を残して、セバスは魔界へと帰還した。これで下拵(したごしら)えは済んだのだし、あとは元の作戦を水面下で進めるのみ。とりあえず、帰宅するか。


生き証人が生きて帰れるようにダンジョン内の魔物を間引きつつ、ダンジョンの正規出入口を目指す。吾輩が強襲した影響か、迷宮から産み落とされる魔物どもが随分と色めき立っているのでな。スムーズに救出が行われるよう、多少の露払いはしておこう。


「....しかし、そろそろ面倒になってきたな。後片付けはマスターに任せようか」


そう独り言ちつつ、吾輩は締め切られた鋼鉄のシェルターを飛び越えた。


それを出迎えるのは、気配で既に認知していた12(ダース)程の黒づくめ。加勢か、撤退支援か、もしかして吾輩と口約を交わした人物の手の者だったりするのだろうか?


........あたりだな。悪魔の本能(スキル)がそう言っている。


しかし、あからさまな警戒を露わにする此奴等(こやつら)の相手は吾輩ではない。


「【神足通(キャスリング)】!」


焦るような声が聞こえると同時、吾輩の視界は見慣れたリビングに切り替わっていた。




リアクション 喜び Lv.1

ブックマーク 喜び Lv.2

評価     喜び Lv.3

感想     歓喜

レビュー   狂喜乱舞

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― 新着の感想 ―
ふむ、今回も面白かった。 バロムは意外と優秀かも知れない、魔界にも行ってみたいね? 知らない内に主人公は魔界大帝になっていた…とか? なら、主人公のレベルを最低でも2倍にしないと、全体のバランスが取れ…
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