9 サバイバルスタート
改めてオークのドロップ品を確認してみる。オークが装備していた腰蓑や棍棒は避けて、まずは松明と革袋を拾った。しかし、革袋を開けて中身を見てみるが、中の水は泥で濁った茶色をしている。
「うっわー... 汚い。 これじゃ飲めそうにないな」
一応革袋を解析してみる。
[解析]
⇒ 種別 革袋 Rank C
材質 火蜥蜴の革
耐性 火耐性(C)
総評 火に耐性のある革。
「なるほど、火耐性か... いいこと思いついた!」
とりあえず今思い浮かんだアイデアを試してみよう。まずはオークのドロップ品の一つである、油の滴っている脂身を木の棒で拾って皮の上で火を使い炙り、少ししたら革袋に入れる。
次にオークの腰蓑から荒縄を拝借し、それを革袋の口に刺した後革袋の口を締めると、一分くらいで荒縄に油がしみ込んでくる。最後に油のしみた縄に松明の火をつけてみた。
「アルコールランプもどき。完成!」
予想通り、革袋を使ったランプが完成した。仕上げに松明の棒を革袋の口あたりに括り付け、提灯のような吊り下げ方にしてみた。
「器用ですわね ご主人様」
「そのマスター ってなんだ?」
「従魔や召喚獣は主を呼ぶときにマスターというものなのです。」
「そうなのか...まあいいや。」
作業もひと段落したが、まだ昼間なので革袋の口を少しきつめに締め火力を弱めておいた。これですぐに脂もなくならないはずだし、無くなってもまたオークを狩ればいい。
「よし。次は水を探しながらあたりを探索していこうか!」
「ヲゥン!」
「はい!」