9 サバイバルスタート
改めてオークのドロップ品を確認してみる。オークが装備していた腰蓑や棍棒は避けて、まずは松明と革袋を拾った。しかし、革袋を開けて中身を見てみるが、中の水は泥で濁った茶色をしていた。
「うっわー... 汚い。これじゃ飲めそうにないな」
一応革袋を解析してみる。
【解析】
⇒ 種別 革袋 Rank C
材質 火蜥蜴の革
耐性 火耐性(C) 物理耐性(D)
総評 火に耐性のある革。とても頑丈だ。
「うーん、そうだな。イケるか?」
思いついたアイデアを試してみよう。
取り敢えず、汚い水を全て捨て去り、革袋を裏返す。そして、その革袋に足を入れてみると、見た目だけはそれっぽい。
「おぉ」
しかし、まだまだ靴としては不十分だ。走ろうとすればそれだけで明後日の方向へと脱げて飛んで行ってしまうだろうし... よし。であれば。
オークの腰蓑を拝借し、その腰回りの紐を抜き取った。そして、足首の部分で革袋の口と一緒に紐を巻いていく。ある程度強めに巻いても、レベルアップによって上がった頑丈さのおかげで痛みはない。
「よし、完成!」
原始的だが、ファンタジー要素のおかげで靴としての役割は果たせている。試しに歩いてみても、地面に転がった小石や木の枝を物ともせずに歩けていた。
「器用ですわね ご主人様」
「そのマスター ってなんだ?」
「従魔や召喚獣は主を呼ぶときにマスターというものなのです。」
「そうなのか... まあいいや。」
作業もひと段落したところで、そろそろ行動を起こさなければならないだろう。ここがダンジョンの中である以上、夜が来るのかは分からないが、夜になれば危険が増すのは当然だ。寝床も必要だし、他にも食料を調理する手段や、水源なども必須。
なにより、フェルを魔石から実体化するのに魔力を常に消費しているため、不寝番をどうするかも考える必要がある。
とまぁ、初手から問題はたくさんあるわけだが....
「よし。まずは拠点を作るぞ!」
「ヲゥン?」
「はい!」




