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100 クラスライン? ナニソレ

伏魔殿(S) + 縄張(EX) = 魔境(EX)

俺の持つ感知系スキルの”森羅万象”は、五感の強化や空間認識の他にも第六感や直感というべき感覚すらも強化するスキルだ。


そして朝の6時頃に、虫の知らせのごとく森羅万象が警鐘を鳴らしていた。


始めは早朝ランニングでアクシデントがあるのか? と思い中止し、伏魔殿改め”魔境”というEXスキルになった空間内で鍛錬を行うことにした。魔闘法の訓練の後にエルとも剣術の鍛錬を行う。特にこの前に学んだ四剣式も色々と試行錯誤をして、一時間近くが経過した。


しかし、それが終わってもなお森羅万象は警鐘を鳴らし続けている。


「いったい何があるってんだよ...」


「心配性ですねぇ。では、今日一日は護衛に誰かを連れて行っては?」


そのクズノハの提案を、俺は採用することにした。そして、式神ファミリーズの方を見る訳だが...


「ガゥ!」


最近は出番の少なかったフェルが、こちらを希望の眼差しで見つめてくる。しかし、フェルを連れて行くのは....


「ガゥ?」







「フェルを連れて行こうか...」


「ワッふ!」


まぁ、今日は実技の授業もないので、ステータスを縛ることもないだろう。なので、もしものことがあったとしてもライフで耐えられるし、最悪の場合は罪業再誕(カルマドライブ)の出番だ。最近はちょくちょくだがダンジョンに潜っていたので、幸い復活に必要なスタックは溜まっている。


「じゃあ、フェルは影這入(かげはいり)で影に入っててくれ」


うん。地味にフェルは影に入っていれば召喚を維持できて、かつ魔力消費を抑えられる。その魔力も俺とフェルの持つ二重の自動回復で補えるので、消費よりも回復の方が上回っているのだ。まあ、影から出たら魔力消費が膨れ上がるんだけれども。


しかしこれといった選択肢があるわげでもない。クズノハとエルは式神ななので外に連れ出せないし、バロムは隠れられないので論外、アネモイは....


「私はいきませんよ?」


「知ってた」


アネモイは心を読むのは本体の権能が必要だとか言っていた割に、年の功なのかナチュラルにこちらの心を見透かしてくる。


「私のような美少女(・・)が学校についていったら、マスターは目立つでしょうね!」


ほらね? というか、普通に風に紛れてればいいだけだろ。


と、そんなこんなで。意欲と能力的にもフェルが護衛になるのが決定し、少し早めに学校に来た。


訳なのだが...




「ん? ここは.... 教室はあってるな」


少し早いとは言えど、教室には人っ子一人もクラスメイトの姿が見えなかった。それに、同じ階にある同学年の教室からも気配は感じられない。


「休校? それとも...」


こういう時は、このスキルが輝く場面だ。


【天眼通】


周囲一帯を第三者視点で見通せる天眼通。しかし、その分だけ脳に行く情報が膨れ上がり、CPUと同じように熱を帯びる。


「っと、忘れてた。【思考制御】」


ここでこそ思考制御の出番だ。


このスキルは思考領域の拡張、思考の分割、思考の制御を行うことができる。なので、脳に負荷をかけるようなスキルを使う場合に必須のスキルと言える。これを活用し、周囲5キロ圏内の風景を全て視界に収め、特に人が密集した場所を探し当てた。


「これは... 裏門?」


以前、始めて(二回目)に学校を訪れたときに登校場所として指定された場所だ。すぐさま階段を駆け下りて、割り当てられた下駄箱に入れていた靴をひったくり、裏門に向かって校舎を迂回した。


そうしてついた先には、大きなバスが大量に並んでいる。


「これは?」


いつもの習慣でそこらの茂みに隠れて様子を見ていると、クラスメイトAがバスへと乗車するのが見えた。


....校外学習か?


だが、俺はそんな情報を貰ったことはな.... そういえば、この学校に入ってから連絡方法についてを教えてもらったことがないな。


取り敢えず、そろそろHRが始まる時間が迫っているので、クラスメイトが乗車しているバスに俺も向かっていく。するとバスの外に立っていた先生がこちらに気づいたようで、少し焦ったような顔をしてこちらに駆け寄ってきた。


「早川君! 間に合ってよかった。ちゃんとクラスラインには入ってたんですね」


「え?」


クラスライン?


「もうそろそろ出発の時間なので、取り敢えず空いている座席に乗ってね」


「あッ、ハイ」


俺の疑問はそのままに、バスの一番前の空いている席に俺は座る。そして先生が通路を挟んで反対側の席に座ると、バスが発車した。


「移動には一時間ほどかかります。これから今日の流れを書いた紙を配りますので、前から回していってください」


そういった先生から、右列分のプリントの束を渡される。その中から一枚を取って後ろに回し、取った一枚を見てみるとこんなことが書いてあった。




________________________________________________

校外学習のしおり 全国探索者高校交流会


〇 日程表


10:00 武道館 到着 各自 案内に従って、座席へ

      *トイレは開会式までに各自で済ませること


10:30 開会式


11:00 試合開始 一試合10分(予定)

      *代表選手は開会式後に控室へ


13:00 昼食 観客席のみ飲食可


13:40 決勝戦


14:00 エキシビジョンマッチ


15:00 閉会式

_______________________________________________



......何これぇ?




そんな疑問をぶつける相手がいるはずもなく、バス内はクラスメイト達の歓談で埋まっている。



リアクション 喜び Lv.1

ブックマーク 喜び Lv.2

評価     喜び Lv.3

感想     歓喜

レビュー   狂喜乱舞

        ↑

      作者の反応

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― 新着の感想 ―
クラスラインが連絡手段なら先生仕事して!w
クラスラインの存在を教えるのは、担任の任務でしょうね。職務怠慢ですね。
いじめと言っても過言ではないと・・・
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