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96 ケツの毛はいりません

毎度恒例のドロップアイテム鑑定の時間だ。



【精査】




⇒ 種別 魔剣 短剣  Name 毒龍(オロチ)  Rank S


  材質 魔鉄 毒竜の龍結晶 竜の猛毒袋   耐久度 4820 / 4820

 

  補正 攻撃 +4000 魔力 +3500


  スキル 蟲毒(EX) 侵蝕毒(S) 再生(S)

  

  総評 様々な毒を喰らい、宿る毒を強化することができる。

     また、八岐毒竜(ヒュドラ)から受け継がれた侵蝕毒は、

     一定の耐性とスキルを無効化して、攻撃対象を毒に侵す。

     持ち主の魔力に反応して自動で耐久を回復し、壊れることが無い。




⇒ 種別 スキルオーブ(縄張)  Rank EX


  総評 割るとスキル 縄張(EX) を獲得




なかなかにエグい短剣が手に入ってしまった。


以前に、毒を扱える武器を探したときは、あまり自分のレベルに合ったものが見つからずに落胆していたが、これほどの逸品ならば文句なしで実戦に投入できるだろう。


そう思って、横たわった短剣を手にすると、



「これは...」



感じる。


この短剣との繋がりを。


己の力で倒した強者(オロチ)が武器に(へん)じたこの短剣に、「認められた」という事を肌で感じることができる。


以前の因幡さんの時と同じように、俺とこのオロチの間には、既にパスの兆しが顕れていた。


「まったく、神の呪縛(アドミラル)もお前みたいに潔く認めてくれればいいんだが...」



今の真銘契約のスキルレベルは4なのだが、現状で俺が契約を結んでいるのは、星夜月とマッチロックに龍血の聖骸布の三つのみ。


まだ一つの空きがあった。


【真銘契約】



⇒ 種別 魔剣 短剣  Name 神毒(オロチ)  Rank EX


  材質 魔鉄 毒竜の龍結晶 竜の猛毒袋   耐久度 ∞

 

  補正 攻撃 +5000 魔力 +5000


  スキル 蟲毒(EX) 毒性変質(EX) New! 不死再生(EX) New!

  

  総評 評価規格外 真銘契約



「いいね、伏魔殿の倉庫にドロップアイテムで毒物とかあったかな...」




良く手に馴染む。


半年間、迷宮生活のほとんどを連れ添った星月夜ほどではないにせよ、武器の方が俺に合わせてくれるような、そんな感触がある。


「不幸中の幸いというか... いや、これなら不幸よりも幸運の方が大きいな」


まぁ、俺一人で倒したような物なので、魔石以外のドロップアイテムはポッケナイナイしてもいいよね?


うん。


この魔石は証拠として引き渡さなければならないだろうが.... レベル430の魔石、階層に直せば70階層相当のモノをおいそれと買い取ってもらう訳にもいかないだろうし.... また百武さんに頼らせてもらうか。


その分、依頼を頑張らせてもらおう。



「よし、じゃあ二人の方も見に行かなきゃな」




基本的にスキル由来の毒や呪いは、術者を倒せば無害な魔力に還元される。なので、八重樫さんと因幡さんも心配はない。


そうして、岩の影になったところに横たわった八重樫さんと、その横で心配そうにしている因幡さんを見つけたわけなのだが....



「早川さん.... 私はもうじき死ぬでしょう、自分の体なので分かります。少しの間ですが、一緒に探索ができて楽しかったです....」


八重樫さんがめっちゃシリアスに遺言みたいなことを言っているが、精査したところHPは3割も残っており、出血によるダメージもそこまで大きくはない。


「俺も楽しかったですよ、また機会があったら一緒にパーティーを組みましょう【影法師・神癒】」


「ははは... 冗談がお上手ですね。でも、そう言ってもらえると... 嬉.... しい.... あれ?」


腹の辺りから溢れている血が止まり、あらぬ方向に曲がっていた四肢は自ら正常な形へと戻って行く。


八重樫さんは服に血がべっとりとついている以外、健常者と何ら変わりない姿へと戻っていた。


「体に何か問題はありますか?」


「ないと... 思います?」


「先生スゲーです。マジ尊敬っす」


「因幡さん、そんなキャラでしたっけ?」


精査しても、状態の欄には後遺症が残っていなかったので、本人が気づいていないだけ... というのも無いだろう。


一応、ポーションとかを使ったら弁償とか、面倒なことになりかねないので、スキルを使った訳だが.... 


「早川さん、君は命の恩人だよ。 差し当たって、何かお礼をしたいわけなんだが... 生憎と持ち合わせが無くてね。 代わりと言っては何ですが、あの一人で逃げやがったボンクラをケツの毛まで毟り取りに行きましょうか。 取り分は三等分して、私の分を早川さんに上乗せさせてください」


「あ... ハイ」


めっちゃ雰囲気が怖くなったんですけど。


レベル999の俺でも少し冷汗をかくほどの気迫というか... 人としての底冷えする恐ろしさがある。何この人、結構裏の顔があるタイプの人だったの? 大吾よりよっぽど雰囲気があるんだが?



ちなみに...


HP三割(全身複雑骨折 頸椎損傷 内臓破裂)





刀についた血をいつもの癖で、外套のすそで拭った結果...



⇒ 種別 魔装 外套 Name 龍血の聖骸布  Rank EX


  材質  シャドースパイダーの糸 黒大蛇(ブラックサーペント)の革 龍血 

  

  耐久度 ∞  補正 敏捷 +4000 耐久 +3000


  スキル 龍血の加護(EX) 血染(EX) 不壊(A)


  総評 評価規格外 真銘契約

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