表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

隣のナニカ(ホラー短編集)

ピンポンダッシュ

作者: 星雷はやと


 ピンポーン、ピンポーン、ピンポーン。


 我が家のチャイムが鳴り響く。


「今日もか……」


 原稿用紙から万年筆を離すと、壁掛け時計を見上げた。チャイムが鳴るのは決まって何時も夕方の、この時間である。家の目の前が通学路に面しているから、下校途中の小学生達によるピンポンダッシュの標的になっているのだろう。この時代に和風の平屋は、目立つから仕方がない。


 ピンポーン、ピンポーン、ピンポーン。


「……はぁ、注意するか……」


 気は乗らないが、俺は立ち上がる。何時もは鳴り止むまで、無視をするのだが、締め切り前に集中力が切れるのは勘弁して欲しいのだ。畳の上に散らばる原稿用紙を避け乍ら、廊下へと出る。

 俺が小学生の頃は、ピンポンダッシュをした経験はない。だからこの行為の何が楽しいのか分からない。毎日ご苦労様なことだ。


 ピンポーン、ピンポーン、ピンポーン。


 忍び足で玄関に着くと、引き戸の玄関扉を勢い良く開けた。


「こらっ! ……あれ?」


 そこには、誰も居なかった。


 ピンポーン。


 背後でチャイムが鳴った。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ