「ゴミ」
「ゴミ」
死ねと言われた。どうして言われたのか、その理由はわかりませんでした。頭にかけられた給食、髪の毛にくっついたご飯粒をみじめに取り続けていたことを覚えています。だれも助けてはくれませんでした。多くの人が私を笑い、女の子たちは憐れみの目で私を見るだけでした。友達だと思っていた子も、私の味方をしてはくれなかった。そのことが一番悲しかった。ゴミは喋るなと言われた。嫌がらせは毎日行われ、私は死にたくなりました。お母さんに買って貰ったばかりの傘を破られたとき、私はとうとうその男の子に殴りかかった。私はクラスでも小さい方だったし女の力で勝てるわけがなかった。悔しくて悲しくて、無我夢中で床に転がっていたハサミを掴んで、そしてそれを胸に突き立てた。真っ赤に染まった手。どんどん流れ出る血はとても温かかった。私の冷たかった心を優しく暖めてくれた。私と男の子は綺麗な赤色になった。こんなに美しいものを見たことがなかったから嬉しくて涙が出てきた。
涙が頬を濡らした。同時に、温かくなった心が冷たくなっていくのを感じた。幸せだったひとときが失われると思うと悲しかった。最初は要るものだったものが、いつの間にかゴミとなって捨てられ消える。私は自分の胸に刺さったハサミを見ながら床に崩れた。