槍と異変
すっストックが……
一週間後
「すいませんでした、入れてください。」
「……なんで二十杯も食べるんですか?」
「美味しくて、つい……」
塔の上で何回も謝ってくる。
実は昨日皇女様が僕の料理を食べに来たのだ。
皇女様が沢山食べると言っていたので二十杯ほどカリーを作った。
メイも沢山食べるので次の日でも美味しいカリーを作ったんだけど……
驚いたよ、だって二十杯分を一人で食べると思う?
とゆう事で僕は皇女様を出禁にした。
理由は単純明快、急に来ると皆の分がなくなる。
後食費が皇女様で消えるから。
……よし。
「ここに来るなら僕が昼作りましょうか?」
「お願いしますっ‼︎」
「沢山は作りませんからね。」
別にこんな事しなくてもいいんだけどなんとなくやりたくなってしまった。
理由はあんなに嬉しそうな顔で料理を食べてくれた事。
あんなに笑顔で沢山食べられた事なんてなかったから少し嬉しいしね。
……コールが足りるかな?
そんな事を考えてるといきなり強い揺れを感じ取った。
「きゃっ‼︎」
「うわっ‼︎」
大きな地震が起こった。
人生で初めて地震を経験したので少し動揺する。
更に
「ちょっ⁉︎急に抱きつかないでください。」
「怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い──」
ダメだ、声が聞こえていない。
……皇女様結構凄いモノを持っててセフィとは違った感情が押し寄せる。
それにしても皇女様は見た目に反して結構怖がりなんだな。
これを見て可愛いと思ったらギャップ萌えと言うのだろうか?
やがて地震が収まると皇女様が離れる。
「その……すまん。」
「いいですよ、役得でしたし。」
「なっ!」
「冗談ですよ、騎士なら皇女様を助けて当然です。」
そう言って辺りを見渡すと見慣れない物が一つあった。
それはまるで洞穴の様な穴だ。
「ちょっと行ってきます。」
「俺も行く!」
そう言って翼を生やす皇女様……翼⁈
え⁉︎
「?、あぁこれは俺の固有魔法『竜』の翼生成って魔法だ。」
魔法って本当になんでもありだな……
竜って絶対強いじゃん。
まぁいいや取り敢えず行こう。
「……なんだろう?」
「わかんねぇな……」
これが何か考えていると中からオークが出てきた。
ダンジョン?まさかな……
そう思いながらオークを殺す。
「フリージア様、騎士をここに呼ぶ事って出来ますか?」
「ここの調査って事だな、わかった。」
そう言って皇女様が飛び立つ。
飛び立って数分すると何人かの先生達がやってきた。
おそらく何があったのか確認しにきたんだろう。
「スランさん、でしたっけ?」
一人の先生が話しかけてきた。
僕は先生達に魔物がいたので生徒には近づかない様に伝えてと言う。
先生達は納得して教室に戻っていく。
暫くして皇女様が騎士を連れて戻ってきた。
その中には紫電もいたので驚いてしまう。
「お久しぶりです、事情は聞いていますか?」
「うん、魔物が出現したとなるとここを暫く封鎖しなければならないね。」
「それが一番いいでしょうね、後は勇者に室内での魔物との戦闘を教える──」
「成る程、後で父上に提案しておこう。」
早速採用されてしまった。
でも勇者達に室内戦闘を教えるのは丁度いい機会だと思う。
これからずっと屋外戦闘だけとは言い切れないからね。
騎士達がダンジョンらしき物に入った後僕はセフィの所まで戻った。
何も起きてない事は位置発信機とウインドサーチでわかってはいる。
が、僕は護衛騎士だ。
セフィの所に行くのが普通だと思う。
一応戻って地震騒ぎが収まるまでは一緒にいるつもりだ。
「スラン、何が起きたんですか?」
「外にダンジョンらしき物が出来ました。」
「え? でもダンジョンは今までゴーラーダにしか……」
「はい、でもゴーラーダ以外に出来ないとは限りません。」
確かに今までダンジョンはゴーラーダにしかなかった。
しかし他の国の領土内にダンジョンが出来ないとは決まってない。
ゴーラーダ以外無いとゆうのは結果論でしかない。
ダンジョンがゴーラーダにしかないのは以前から世界四大謎の一つである。
しかし今その謎は一部解決した。
だが次は何故このタイミングでここに出現したのかが謎となる。
謎が謎を呼ぶ、と言うのはこの事であろう。
今後はこのダンジョンに研究の焦点が当たるはずだ。
あの地震が関係するのは誰でも理解出来るだろう。
同時刻、ゴーラーダからダンジョンが消えた。
約五千を超えるダンジョンがたったの五つになってしまう。
その代わりと言っていいのか分からないが各大陸各国の敷地内にダンジョンが出現してる。
ただ、各国の敷地内にあるダンジョンの数は一つづつ。
このまま各国ごと一つとして考えるとたった九つしかない事になる。
各国の研究者達の結論はおそらく西の大陸、メリア大陸に数多くあるのではないか。
そうゆう結論に至った。
だが確認は出来ない。
西の大陸は今現在毒素に覆われているのだ。
西の大陸に行った人は体の各所に異変が起きてしまう記録がある。
その死亡率は高く、更に死ななかった者の子孫は全身のどこかが変異が起きた。
その為子孫の死亡率も高い。
その毒素の事をレジレイションとゆう名前にしている。
レジレイションは目で見えない何かだと思われていた。
しかし、第十一代目の勇者のおかげで光とゆうのが判明する。
その光は体に悪い症状、ガンとゆう症状が起こってしまう。
細胞内のDNA?とゆう物を壊しているらしいのだ。
何故今このタイミングで変化したのかも分からない。
だが、この世界がまた一歩破滅への未来へ近づいたのは確実である。
何か大きな事が起こる時、それは大抵小さな事の連続の後に来るのだ。
なくなっ……た……
KHRB……よろしく……お願い……しま……す……