槍とステータス?
ステータス画面は一切出てきません、安心してください。
「槍が伸びた……」
「質量保存の法則はどうしたんだ……」
「國井君、ここは異世界だよ。法則なんて壊してくるに決まってる。」
皆が槍に意識を向けたのでもういいかなと思い槍を元に戻す。
大田は僕を睨んだが特に何もされなかった。
「では皆さん行言ってください、ステータス!」
……セフィ?
どうしたんだ?
ステータスなんて御伽噺に決まって
「うわっ!なんだこれ!」
「なんか書いてある、適正:動物使いだって。」
んん?
ある……のか?
じゃあ僕もやってみよう。
「スラン、私達は出来ませんよ。」
「……えっ?」
「これは神の加護に分類されますから。
この世界の平均と比べてどれくらい強いのかが分かるのが皆さんのステータスです。」
……危ねぇ、危うく恥をかく所だった。
全く、先に説明してくれって思うよな。
なっ、ルナミス?
「……」
あらら……信じてやっちゃった系か。
大丈夫、誰も見てないから。
メイがいたら無理だったかもしれないけど。
因みにメイは僕ら共通の部屋にいる。
メイが急に体調を悪くしたので置いてきた。
心配だからセフィに回復魔法をお願いしたけど
「それは治せません。」
と言われてしまった。
ルナミスも頷いていたからあの中じゃ僕だけわからない。
そういえばメイの症状はセフィもルナミスも月一であるな。
セフィはその時とっても機嫌が悪いからそっとしとく事が多い。
けど喋らないと怒られるのだ。
しかもそれで喋ったら煩いと怒られる。
あの症状は一体なんだろう?
まぁ今は関係ない、考えるべきは勇者だ。
そう思った瞬間、一人の女の子が僕を見て驚いた顔をした。
「どうゆう事……」
「どうしたの楓ちゃん?」
「これを見て……」
「えっ……えぇ‼︎」
もう一人の女の子が大きな声を出すと他の勇者が集まった。
何かを空中で大きくすると全員が驚いている。
「まじかよ……」
「攻撃と防御以外全部Sだと……」
……S?
Sっていうと……上から十九番目‼︎
そんな低いの‼︎
まじか……そりゃあガロンさんにも勝てないよ。
アルファベットは物語ではよく使われており基本的にはAが一番高い。
ごく稀にZが一番高い事もあるけどそれでも上から八番目だ。
「……」
「?、どうしたんですか?」
「いや……低いなって。」
「「「「「「「「「「え?」」」」」」」」」」
「上から十九番目、又は八番目でしょ?勇者の文献から読み解くと速さもあった筈。」
「スラン?Sは」
「速さには自信あったのにな……」
「あれ?攻撃と防御の横に(S)って書いてある。」
「多分身体強化的なのをやったらそうなるんじゃない?」
え……
普段はもっと低いの?
「どうせ僕なんて調子に乗ってた一般人ですよ……」
「楓ちゃん……今言う事じゃなかったね。」
「ごめん、つい気になっちゃって……」
「スラン‼︎」
わっ!、びっくりしたぁ。
急に大声出さないでよ。
「何ですか聖女様?」
「……」
「せっ聖女様?」
「……」
「……もしかして怒ってます?」
「……」
怒ってるな、しかも悪い方向に。
絶対セフィ呼びじゃないと反応しないじゃん……
「後でなんでもしますから、今はやめましょう?」
「……」
これはダメだ、護衛の立場としての限界はここまで。
これ以上は親しくないといけない。
「はぁ……セフィ?」
「それでいいんです、ちゃんと私の話を聞いてください。」
セフィと呼ぶと勇者の女性達の甲高い声が聞こえた。
……必要経費だ、耐えよう。
「いいですかスラン、Sは一番上です。」
一番……上?
あの中途半端なSが?
「つまりスランは世界中でも相当強いわけです。」
「……本当?」
「とゆうか普通程度の実力なら護衛騎士になんて選ばれません。」
……確かにそうだ。
実力が無い奴に護衛は務まらない。
潜在能力を見て決めた可能性もあるけど……
「あの……少しいいですか?」
少し考えていたら勇者の一人に話しかけられた。
確か……楓って名前だったな。
「何?」
「スランさんとセフィリアさんの関係は──」
「ただの主従関係です、ね?スラン。」
セフィが僕を喋らせない様に速攻で話に割り込んできた。
……仕返しするか。
「何言ってるの?自分から告白までしたよね?」
そう言い放つとセフィの顔が少し赤くなり勇者達は盛り上がった。
……きつい。
こうゆうのは苦手だから自分にまでダメージは入るが……
「いっ、いつの話を持ってきてるんですか!」
「つい一月くらい前の話だけど?」
「つっ、つまりお二人は付き合って……」
「それは……ご想像にお任せするよ。」
これ以上はセフィからの報復が怖いので話さない。
とゆうか色恋沙汰で囃し立てられるのが苦手な僕の心がもたない。
「もしかして……もうされてたり」
「それは無いよ、一応聖女様だし。」
聖女様は神聖な者だから成人までは特別な事情がない限りそうゆう事は出来ない。
その特別な事情が今の僕達の状況に値するんだけど……
「でも一緒に寝た事はあガッ……」
「スラン、それ以上は怒りますよ?」
「……だって、だからここまでね?」
触らぬ神に祟り無しとはこの事か……
KHRBよろしくお願いします。
S間違い、よくありますね。