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槍と試合前

ここまで買い物?かな。

薬屋から出た後、僕らは闘技場の近くを散策していた。

メイが色々いい所を教えてくれた為結構楽しめてる。


ふとセフィの方を向くとある土地に目を奪われていた。

そこの土地は中々売れないのか看板の色が少し落ちている。


「セフィリアさん、どうかしましたか?」


今は敬語だよ、流石にこの状態でバレたら面倒だしね。

変な事じゃ無い限りセフィには基本的なお願いは通る様になった。

まぁあんなじょうたいになってる以上負い目を感じるのだろう。


「…ここ、私の両親が住んでいた場所なんです。」


え…

ここが……売られてる?


「記憶が曖昧な所は勿論あります。でもここだって、私の感覚が言ってるんです。」



「お父さんとお母さんさんは…どこに…」


そう言って涙を流すセフィに近寄りそっと抱きしめた。


「僕も父さんと母さんはいません。」


「最初に父さんが死んだって知った時は沢山泣いて、そして頑張ろうって思いました。」


「母さんが死んだ時も泣きました。けど僕はその時大昔から繋いできたこの命を大切にしていこうって思いました。」


「きっとどこかで生きてますよ、だってセフィリアさんは聖女でしょう?そんな人の両親は無下にされませんって。」


「…でも、」


「まぁ心配する気持ちもわかります、でも前を向かなきゃ何も始まりませんよ?」


「そう、ですよね。」


「セフィリアさんが前を向かないと僕達も前向きになれませんからね。僕達もサポートしますから、一緒に頑張りましょう?」


「…はい、よろしくお願いしますね。」


少しセフィが落ち着いたのを見て周りを見渡すとメイと王女殿下が絡まれていた。

あらら、って思いながらセフィを連れて助けに行く。

セフィを置いてくとか僕の仕事を忘れない限り無い。


「すいません、こいつら僕の連れなんで。」


「あぁ?なんだって?」


そう言ってセフィの方を見ると態度が変わった。

あれぇ…魔道具ちゃんと発動してるよな。

…うん、ちゃんと発動してる。


「おぉ、おいお前!」


「はい…なんでしょうか?」


「俺らといい事しようぜ。そんなやつといるより絶対に楽しいからよ。」


そう言って伸ばしてくる手を叩いた。

知らない人には触らせない、護衛としては当然の事だ。


勿論相手から、だけど。

怪我人とかなら多少は目を瞑らないと何もできないしね。


「…なぁ、お前は痛い目見たいんか?見たいなら見せてやるよ!」


そう言って殴ってきたので腕を掴んで取り押さえる。

取り押さえた後は後ろから付いてきてた騎士達に連行してもらう。

勿論仲間も一緒に連れて行かれる。


攻撃?されたけどその前に気絶させたから問題ない。

ここで負けたら騎士なんか出来ない。


「メイ。」


「ひぅ!」


名前を呼んだだけで何故か怯えてしまった。

もしかして…怒られると思ったのか?


別に怒ってない、寧ろ褒めようと思っていた。

取り敢えず僕は耳を塞いでいるメイの頭を撫でる。

撫でると理解が追いついていない顔をしていた。


「よく頑張ったな、メイ。お前のおかげで僕が間に合った。」


「…怒ってない?」


「怒るわけないだろ、寧ろ褒めようと思ったからな。」


「…守れなかった。」


「別にそこまで求めてないかって言われると違うけど元々の目的は僕の護衛の補助だからさ。」


「…♩!」


喜んでくれたみたいだ。

時間もそんなにないので帰ったら続きをするからと言って闘技場に戻る。


そこには椅子に座って作戦を練っているルナミスがいた。

相当練りこんでるらしい、紙に何を書いているかわからない。


「ただいま。どうだ、作戦の方は。」


「普通って所かしら、まぁこんなに練る必要はないんだけど。」


そこから一応さっきの襲われた件について話しておいた。

こうゆう事でも言っておかないと後々面倒になる事もあるしね。


「ふーん、成る程ね。でも良かったじゃない、王女殿下が怪我してあんたの首が飛ばないで。」


「メイがいたからね、問題ない。」


そう言って頭を撫でる。

メイは気持ち良さそうな顔をした。


たまにしかやらないが結構心が癒される。

毎日やらない理由は…


「スラン、後でお願いしますね?」


「はい…」


セフィがおねだりしてくるから。

頭を撫ではしないけど僕がおもちゃになる。

抱き枕はその内の一つだ。


普段はそんなに思いっきり抱きつかないがこの日は思いっきり抱きついてくる。

まず寝れない、流石にまだ慣れない。

他にも色々あるけど…今は関係ない話だ。


そう思っているとルナミスが係員に呼ばれた。


「さて、じゃあ行ってくるわ。セフィにカッコいい所を見せないとね。」


「負けないでくださいね?」


「勿論よ、セフィとの約束だしね。」


約束?

なんだそれ、聞いた事ないのだが。

ルナミスが外に出た後セフィにこっそり聞いてみた。


「約束ですか?そんなに変な事約束してないですよ。」


「あなたと、つまりルンちゃんですね。同格以下には絶対に負けないって約束です。」





「おい!こいつを倒せば聖長になれるんだよな!」


「倒せれば、だけど。」


「お前がいたら勝てるだろ?」


「ふふふ、当然。」


「これで…俺様も正当な価値で評価してもらえる!」


「ふふふ、 (作戦成功。)

KHRBよろしくお願いします。

次回はルナミス視点が少し入ります。

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