槍と護衛会議
毎週やってるらしいね。
「…どう、予選。」
「ちょっと期待外れかな、もう少しレベルが高いと思ってたね。」
セフィの部屋にセフィを寝かせた後、丁度メイが来たので話している。
別に貶してるわけではない、もう少し強いと思ってただけだ。
僕の想像では魔買いの中堅レベル、ビクマスくらいだと思っていた。
戦った事は無いけど業績を一度だけ見た事がある。
魔買いは魔物を狩り続けると職員と上位陣の人達で話し合いがあった。
そこではその人を上位陣に入れるかどうかが話し合われる事が多い。
その時にビクマス率いるビックマウスの資料を見ている。
もうソーダルトとトップを争っていた時なので僕は勿論呼ばれていた。
僕は確か珍しく中立を取っていた気がする。
腕がいいのは見れば分かった。
ただし素行がちょっと…って感じだった筈。
口が悪かったり、問題を起こしてる為いつも肯定してる僕でも縦に顔を振らなかった。
僕以外が否定派なのも覚えている。
まぁ皆仕事を取られたくないんだな、とは思ったよ。
そこで僕は
「確かに上位には相応しくないと思うけど中堅トップレベルはあると思うんだ。」
と言って今後の上位基準を作ったのは懐かしい。
つまりビクマス の言っていた上位発言は嘘ってゆう事だ。
因みに大口叩きってゆう二つ名はソーダルトがつけた。
その時はロリコン世紀末者って呼ばれ始めてイライラしてたからしょうがないね。
思い出に浸っているとルナミスが部屋に入ってきた。
「セフィは…寝てるわね。」
「…寝てる。」
「じゃあ今の内に護衛会議でもしましょ、もう少しで武闘大会だしね。」
「あっそうだ、そういえば言っておく事があるんだけどいいか?」
ちゃんと言う事は大事だ。
一人で判断出来るものでも無いしね。
「何、また王女に無茶振りを言われたの?」
「まぁそんなところ、武闘大会の時一緒に街を回ろうって言われた。」
「…馬鹿なの?」
「メイ、言わない方がいいわよ。どこかで聞かれてたらクビよ、スランごと。」
それは…
まぁメイは僕の元奴隷だからクビか。
いくらセフィの護衛でも……難しいな。
「…やめとく。」
「それで、セフィは了承を出したの?」
「いや、この通り寝てるから。」
「そういえばそうだったわね。」
「もう記憶が無くなったの?早くなっイタッ!」
「ちょっと忘れただけでしょ、次喋ったら殴るからね。」
「もう殴ってるっイタ!痛い痛い!わかったわかった謝るよ!」
「フンッ!」
ったく、なんで力が男よりは弱い人が大多数の女性の殴りは痛いんだ?
ルナミスの力が強いのは知ってるけど想像以上に痛い。
「私は一応反対しておくわ、結局はセフィの意思を尊重してあげるけど。」
「自国なら少しくらいって思って警戒が薄くなるからもしも行くならより一層注意しないとね。」
「…私は?」
「…どう思う、僕は人手が増えていいと思うけど。」
「私はいいと思うわ、結構街には行ってるらしいしね。」
あぁ、確かにそれはありだな。
メイは街によく行っているらしいしありかも。
そう考えているとセフィが目を覚ました。
セフィは体をぐっと伸ばしてからこちらを向く。
「あれ、もう予選会終わったのですか?」
「ちょっと前に終わったけど?」
「多分スランですよね、運んでくれたのは。」
「あぁ、そうだけど。」
「すいませんね、別に起こしてもらってもいいんですよ?」
「それは…まぁ緊急時には起こしますよ。」
「そうゆう事じゃないのですけれど…」
あんまり無理に起こすと体に負担がかかりそうだからね。
緊急時だけにしとくつもりだ。
「そういえばどんな話をしていたのですか?」
「あぁ、王女殿下に武闘大会の時に街を回ろうって誘われた話。どうする?」
「街…いいですね、行きましょう!」
案外あっさりと許可をくれた。
確かにセフィが街に降りてる姿はあんまり見ない。
…あっ!
「…言ってない。」
「?、何を聞いてなかったんですか?」
「陛下にも確認してもらうのを言い忘れた…」
「あぁ…それはやったわね。」
「…今すぐ行ったら?」
行かないとな、そう思って席を立ったと同時にドアのノックがなった。
誰かなと思いドアの前まで行くとカーネル殿下が立っている。
流石にそのまま立たせるわけにはいかないのでセフィに許可を取ってから部屋に入れた。
「聖女様、今回も我が妹が迷惑をかけてすまなかった。」
「いえいえ、私が迷惑をかけてるようなものなので。心配なさらずに。」
それから話は続いた。
主な内容としては陛下にこの事を伝えておく事と彼の信仰心について。
前者はまぁいいとして後者の方が長い。
イレイサ教について熱心に話しているその姿はとても生き生きとしている。
「それにしても、聖女様の主要護衛は優秀であるな。」
「そうですね、皆特殊ですから。」
「噂を聞く限りでは実に特殊だと聞いていたが誠か。」
「はい、頼もしい限りです。」
「スラン殿はコール様から、ルナミス殿は聖女様自身が選んだのであろう?実に羨ましい!」
「はぁ…」
「二人はいわば神から選ばれた者達であろう?我も選ばれるものなら選ばれてみたいな!」
そこで時間が来たらしくカーネル殿下は帰っていった。
「なんか凄い人ね、皇太子って。」
「でしょ?ド=ゲザを初対面でやってくるんだから。」
「…でもあの人が次の国王陛下でしょ?」
「あぁ…そうだね。」
「皇太子妃に委ねるしかないわね…」
「でも皇太子妃の方は少し変な趣味を持ってたよ?」
「類は友を呼ぶ…かしら。」
ははは…
KHRBよろしくお願いします。
類友……か。