槍と誘拐
残り八話!
これ以上はIf情報出さんぞ。
発信機を見るとやっぱりあの貴族の館にいた。
イライラしていて魔力が抑えきれない。
ウインドスピードは逃げる用にとっているので全速力で槍に乗っている。
十秒もせずに館に着いたので槍で館を貫く。
聖女様がいるのを確認して持って帰ろうとすると後ろから殺気を感じた。
後ろを見ると暗くて見えないが大柄な男が立っている。
「あぁおっしーなぁ…もう少しで殺せる所だったのによ。」
「…」
「無言か、悪くわねぇ。」
多分雇われたのだろう、僕の全魔力を受けても何も感じないのは相当な手練れだ。
魔力的には僕の方が勝ってると思うが…隠しがうまい場合もあるので何も言えない。
でも少し薬臭い、何かを飲んでるのか?
ウインドスピードを発動させセフィリア様を強引に連れ去ろうとすると相手が攻撃してきた。
セフィリア様を持ちながら回避して敵の方を見ると目の前で武器を振っている。
(早い!)
このスピードについていけて尚且つここまで対応されたのは三度目だ。
つまり少なくともこいつはガロンさんや母さんと同じレベルとゆう事。
(負けるかもしれないな…)
「ほら!ドンドンいくゼェ!」
そこからはセフィリア様を後ろにおいて防戦一方だった。
相手の攻撃は強くて速く動きもう腕が痺れている。
なんとかまだ維持できるがそろそろまずい。
槍の強みは長いリーチを活かした戦いでありこんなに密着されたらそれが活かせる訳がない。
…だかセフィリア様だけ助けるつもりで今は戦っている。
だから僕は槍をこの戦闘で一度も伸ばしてない。
「少し鈍くなってきたなぁ、ここがガラ空きだゼェ!」
(ヤバイ…)
攻撃自体は守ったがその衝撃が鳩尾に入ってしまう。
もう立てる訳もなくセフィリア様の隣でうずくまっている。
「… … 」
セフィリア様はまだ動けそうににない。
くそっ…もっと速く来いよ。
まだルンちゃん達は来ない、来てくれ…来ないとセフィリア様を、
「じゃあ、な!」
男が剣を振り落としてきた。
もうダメだと思い目を閉じるが一向に首が取れる感覚がない。
目を開けると土の壁が目の前にある。
これは…
「待たせたわね!」
「ルナミス…」
ルナミスだった、後ろには第六聖とメイがいる。
男はそちらを見て一気にそちらに向かう。
危ないと言う体力もなく眺めてるだけだったが男の連撃を軽くさばいている。
しかも男は館の奥まで吹き飛ばされた。
流石にもう動ける体力は戻っていたので第六聖の下までセフィリア様を連れて行く。
ウインドスピードはさっきの攻撃の衝撃で無くなってしまった。
アイツに勝つ方法は…
「あんた大丈夫、相手そんなに強かったの?」
「…あぁ、身体強化も…剥がれた。」
「あんたレベルが剥がれたのね、了解了解。」
そう言いながら男が吹き飛ばされた方向を見てみると男が魔物化していた。
魔物化する…
「違法魔力剤…だと。」
「なにそれ、教えて?」
「…種類はあるが…魔物化が代償でこの短時間で魔物に…なるならハウキシスだ。」
「ハウキシス?」
「…相手の1,5倍の能力になる代わりに…相手が強ければ強いほど魔物化が早く…なる一番安全な魔力剤…だ。」
「一番安全ってあんた邪魔よ、まだ来ないで。」
そう言って突っ込んできた男を軽くあしらった。
男はまた屋敷の奥まで飛ばされてしまう。
「で、なんで一番安全なの?」
「…解除方法がある…それは…人一人殺す事。」
「なるほど、解除方法があるから安全って訳ね。」
「とゆうかルナミス…なんで急に強くなって…んだ?」
「私?私は強くなってないし元々よ。まっ攻撃はできないんだけどね。」
「は?」
「私ってあんたとあった時のワイバーン戦以外の戦闘でセフィを危険にした事ないの。」
「…確かに絶対守護だけど…さ、そんな事あり得る訳」
「じゃあなんでセフィの後ろにワイバーンがいなくてもわかったかわかる?」
えっ…確かにルナミスは土だから地面についていないワイバーンの気配を知る事は出来ない。
なのに何故攻撃が来る事がわかった?
「正解はこの魔眼のおかげよ、攻撃を完全に予測出来るの。あんたにはまだ言ってなかったから言っとくわ。」
「…そんな事あの図鑑には、」
「あっこれ国家機密ね?」
あっさりと国家機密を言わないでくれ…
全攻撃を完全に予測できたら絶対に守れるに決まってる。
「さっ、あんたもう体力戻ったでしょ。あいつを倒しましょう。」
「…メイはセフィリア様を見ててくれ。」
「…了解。」
男もちょうど出てきたので最後の締めの準備をするか。
僕の持てる最高威力の魔法を準備する。
「フィニッシュは任せたわ、私は防御ができるだけだからね。」
「…一分あればいける。」
「一分ね、それくらいなら余裕よ。」
ルナミスが男の相手をしてる間に非常用の魔法陣を出した。
魔法陣は詠唱を肩代わりしてくれるものだ。
しかし値段が高く普通の人では買えない代物。
しかも何も書いてなくて魔法陣の知識がないと使えない。
これは僕が自分で書いた最後の切り札だ。
今は出し惜しみしている場合ではない。
「いでよ!シルフィード!」
そう言いながら魔法陣に魔力を流して魔法陣を起動させる。
魔法陣のデメリットとして必ず発動に一分はかかる所だ。
だから本当にここぞとゆう場面で使わないと攻撃される。
シルフィードと言い一番驚いてたのはメイだった。
「…シル…フィード。」
色々な事を知ってるなと思ってしまう。
精霊は誰でも呼び出せる訳ではない。
精霊と契約して初めて呼び出せるのだ。
契約もまた難しい、各属性を持っていてそれでその精霊のゆう事を聞かないといけない。
シルフィードは上から二番目の地位の大精霊、その契約内容は厳しい。
…とゆう訳ではない。
風は気まぐれで契約してくれる子が多い。
僕がたまたま風の小精霊を助けた時にシルフィードが現れた。
《君がこの子を助けてくれたんだ!ありがと!》
「いえ、当然の事をしたまでですシルフィード様。」
《かたいなぁ、もっと軽く喋って!》
精霊には敬意を特に大精霊クラスの精霊には礼儀を持ってと母さんに言われていた。
精霊のゆう事も聞いた方がいいとも言ってたので軽く喋り出す。
軽く喋ってたら一つだけ条件を出して契約してくれる流れになった。
《あのね!私が気に入ってる子がいるの!その子と結婚してほしいんだ!》
「結…婚?」
《うん!私ね、気に入った子達が結婚するのを見るのが夢なの!》
その時僕は10歳で結婚の重みを知らずに肯定してしまった。
それからはあまり召喚した事はないがシルフィと呼んでる。
その子とはもう少ししたら合わせると言ってまだ会った事はない。
《久しぶり!元気だった!スラン全然呼ばないから退屈なんだけど!》
「シルフィ、今はそんな事喋ってる暇ないから後でな。」
《わかったよ…で、何すればいいの!》
「精霊憑依で頼む。」
《いいね、結構本気じゃん。じゃあやりますか!》
そう言ってシルフィが僕の体に取り憑いた。
魔力の質と量が増えたのを確認してルナミスと交代する。
「ルナミス、もうこっちは準備出来たぞ。」
「わかったわ、じゃあ変わるわよ。」
そう言ってルナミスが一気に後ろに引いて僕が前に出る。
男は僕に標的を変えて襲いかかってきた。
ここで槍を伸ばして身動きを取れない様に拘束する。
「フルバースト出来るか!」
《勿論!任せてちょうだい!》
全魔力を男に向かって放つ。
「くぁzwsぇdcrfvtgbyhぬjみこlp」
男はフルバーストに耐えようとするが無駄だ。
僕基準で1,5倍になったとしてもシルフィードの魔力量には敵わない。
男は耐えきれず灰となって消えてった。
《じゃあお話しよ!》
「今フルバースト使ったんだから帰還に決まってるだろ。」
《そうだった!》
そう言ってシルフィは消えていく。
フルバーストは僕の魔力とシルフィの魔力をほとんど使ってやるため魔力で動いているシルフィはすぐ帰還させないと消えてしまう。
「あぁ…疲れた。」
そう言って僕は意識を失った。
KHRBお願いします。
スラン君一人だと負けてましたね。
魔眼保持者二人目、まぁそんなに確率は低くないです。