槍と仲良く
聖女様との仲が少し進む…かも。
今?もうすぐ二章が終わるところまで書き終わってるよ。
港に着くと船が何隻か海に留まっていた。
案内員に誘導され船の中に入っていく。
僕は休憩時間で海の景色をデッキから眺めた後自分の部屋に戻る。
自分の部屋に戻ろうとしたら船の中で護衛をしていたルンちゃんが倒れそうな顔色でフラついていた。
僕は心配になり近くにまで行く。
「大丈夫か、なんか具合でも悪いのか?」
そう言うとルンちゃんは喋るのが気持ち悪そうに話した。
「私…ちょっと…船はだ…うっ」
「平気か?体調悪いなら船の時は全部変わってやるから休んでろ。」
そう言うとルンちゃんはジェスチャーでありがとうと伝え自室に戻っていった。
護衛を変わったので一応聖女様に報告しておく。
ドアの前でノックして反応を伺う。
「はい、なんでしょうか?」
「スランです、ルンちゃんが体調が悪かったので急遽変更しましたのでそのご報告をさせて頂きました。」
「わかりました、何かあったら呼びますのでそれまで待機しておいてください。」
そう言って会話無しが暫く続く。
気付いたら30分経っていた事に驚いてた所に聖女様が話し始める。
「スラン、いますか?」
「はい、いますけど。どうかしましたか?」
「部屋に入ってきて貰えますか?」
「わかりました、では…」
ドアノブを掴んでドアを開けるとベットに座る聖女様がこちらを見ていた。
聖女様に近づいて話を聞く。
「どうかなさいましたか?」
「暇なので話し相手になって貰えないかと思いまして。」
「良いですけど、話の内容についていけないかもしれないですよ?」
「別に聞いてもらうのが趣旨なので気にしないでください。」
そう言われたので軽く頷き聖女様が話し始める。
「話したい事なんですけど…丁寧に話すのはやめては良いなって思いまして。」
丁寧にか、それはまた急な提案だな。
「それはまた」
「タメ口にしてください。」
「…どうしてですか?」
「普段どうり喋らないと話しませんよ。」
くっ、しょうがない…僕が護衛騎士になる前の感じで話そう。
「なんで?」
「ルンちゃんとスランって仲が良さそうに話しますよね?」
「まぁ、確かに同じ仕事してるから仲良くしようとは思ってるけど。」
「それが羨ましいなって思いまして。あっ、座っても良いですよ。」
そう言って隣をポンポンと叩いて座らせようとする。
それを無視して僕は近くにあった椅子に座った。
「隣に座ってくれないんですか?」
「親しき仲にも礼儀あり、ですので。」
そう言うと少し不満そうにこちらを見ながら話を再開した。
「まぁいいでしょう、私は五歳頃に聖女になったのは知ってますよね?」
「うん。」
「それで私は基本貴族相手に治療をします。」
「まぁ近くにいるから知ってるけど…」
「貴族に本音なんて言えない以上気軽に話せる年が同じくらいの子と喋れません。」
まさか…
「…まさか同じ境遇の筈のルンちゃんが僕と仲が良さそうで羨ましいと思っちゃったとか。」
流石に…そんなまさか聖女様がそんな事で…
「…そうゆう事で大体合ってます。」
当たってしまった…
まっまぁしょうがないだろう、聖女様だって一人の女の子だ。
「ルンちゃんがいたので女の子とのお喋りはあったんですけど…」
そう言いながらこちらを向く。
「男の子とはあまり喋った事が無くて、自分が出来ないのにルンちゃんだけ…って感じであってる?」
「そうです、なので私にも護衛中以外で普通に喋ってほしいなって思いまして。」
その考え自体は別に否定はしない。
けど、その前に
「でも…聖女様にも当てはめられるよね?」
そう、聖女様もずっと丁寧に話しているのだ。
「これは癖なので気にしないでください。後、聖女様はやめてください。」
…じゃあどうやって呼べば?
「どうやって呼べばいいの?」
「セフィで良いですよ?」
セフィ…うっ…くっ…
「…セフィリアさん。」
そう言って聖女様が暫く考える仕草を見せて
「まぁいいでしょう、及第点です。」
ギリギリOKだった。
勿論初めから愛称は無理だ、僕にそんな度胸はない。
「あっ、スラン。窓の外を見てください。」
そう言われたので窓を見ると空に緑色の梟が飛んでいた。
「緑色の梟なんて珍しいな…」
「こうやって景色を眺めてたのですけど暇になってしまって。」
「一人で見るよりは楽しめますしね。」
「スラン。」
しまった、つい癖で。
「あっ…」
「まぁ許しましょう、初日なので。」
聖女様が少し笑顔になりながら話す。
許された、よかったぁ。
暫く話していると船が王都についたらしく乗組員が声をかけてくれた。
王都は結構珍しく海からいける立地にある。
馬車に向かうとルンちゃんが先に待機していた。
ついさっき回復したらしい。
因みに僕と聖女様が異様な程仲が良くなっていたのを見て驚いていた。
船がつき馬車が出る所が開くと…
今まで見てきた街の美しさに比べ物にならない程美しい。
綺麗な街並みはこの地にダンジョンがある事さえ忘れてしまう程綺麗に並んでいる。
街の活気も良く皆聖女様を快く出迎えてくれている様子がわかった。
馬車がそんな活気溢れる街道を通りその先には…
ガラス張りの大きな塔があった。
ガラス張りという事は…
「スラン、あれがもしかして猿の箱庭?」
「だと思うよ。」
いくら聖女様が男性が苦手でも話したい気持ちはあります。
KHRBお願いします。
宿題もやらなければ…