槍と忠誠
どうしよう…今週でテスト二週間前だ…
「そんな訳ありません!私はガロンさん以外に負けない力ぐらいはあります!」
「確かにお前が強いのは認めよう、だがスランに勝てるかと聞かれれば負けると答える。」
ルンちゃんが不満そうにするがガロンさんははっきり言った。
「じゃあ今勝負を、」
「護衛騎士が一人もいなくなったら駄目だろう、それは実現不可能だ。」
「でも…」
「…はぁ、わかった。」
ガロンさんは諦めた様子で話しはじめる。
「勝負はしてもいい。」
「いいんですか!じゃあ早速、」
ルンちゃんはやる気満々でこちらを向く、が。
「勝負は駄目と言っただろう。」
「じゃあどうすれば勝負できるんですか!」
「少し考えれば簡単だ、お前達のどちらかが先に俺に勝てばいい。」
…まぁ確かにそれで勝負はつくとは思うけど。
「…それって私達が勝てなかったら引き分けになるじゃ無いですか。」
「そしたら諦めろ、私がいなくなった時は聖女様にでも決めてもらえ。」
そう言い切って訓練場を出て行った。
ガロンさんが見えなくなるとルンちゃんがこちらを向いた。
「絶対に負けないからね!」
ルンちゃんが宣言した。
「そうか、頑張れよ。」
正直言ってやる気は出ない、戦えたしサインも貰えるし。
「はぁ!何言ってんの!あんたは負けたのに悔しくないの!」
「…悔しいけど別に勝負する必要なくないか?」
そう言うとルンちゃんは少し考えてから話始める。
「…じゃあ私の勝ちね!」
「?、勝負受けてないから勝ち負けとかないだろ。」
「不戦勝よ、あんたが受けないなら私の勝ち!」
…不戦勝されるは嫌だな。
「わかったわかった、受ければいいんだろ。」
そう言うとルンちゃんは少し笑顔になった。
「よかった、受けてもらえないと困るからね。」
「流石に不戦勝と言われたらほとんどの人は受けると思うけど。」
「それくらいわかってるわよ、私は先に聖女様の所へ行ってるからあんたも早く来なさいよ。」
そう言ってルンちゃんも訓練場を出た。
僕も訓練場を出て第三聖が待機している所に行く。
「回復、お願いしてもよろしいですか?」
「はい、いいですよ。ヒール!」
近くにいた男の人に声をかけて回復させてもらう。
「ありがとうございました。」
「いえいえ、これが仕事ですので。」
「では、僕は聖女様の護衛に戻ります。」
「頑張ってくださいね。」
回復してもらって聖女様の所へ戻る。
「お疲れ様です、大丈夫でしたか?叩きつけられてたみたいですけど…」
「大丈夫です、聖女様。僕の母さんに比べれば全然痛くないので。」
「えっと…どんな事を?」
聖女様が聞いてくる、そうだな…
「そうですね…例えば城壁毎日百周を一時間でするとか。」
「えっ…」
「最初の方はきつくて大変だったなぁ。」
「ちょっと待って、そんな事してたの?」
隣にいたルンちゃんが聞いてくる。
「まぁ、母さんに魔法を教えてもらう代わりに体も鍛えろって言われたからね。」
「…そう。」
(私もやってみようかしら…もしくは騎士団の訓練に取り入れるのも、)
ルンちゃんが少し考えるようなそぶりを見せた。
「えっと、今もやってるんですか?」
「はい、最近は三十分くらいでやってるんですけど。」
「護衛の仕事が始まったらあまり時間は取れないのですけど。」
「わかってます、時間が取れる時にやりますので。」
「お願いしますね、ではこの後忠誠の儀があるのでついてきてください。」
忠誠の儀か、騎士になるなら当然やるよな。
忠誠の儀は基本的に国に仕えるから国王に誓うんだけど…
「忠誠の儀って聖女様にするんですよね。」
「そうですよ、城内には教会があるのでそこでやります。」
「そこで神託をいつも受けてるんですか?」
「基本的にはそこでしますね、他の町に行く時にする場合はする時もありますけど。」
しばらく話していると教会についた。
聖女様とルンちゃんとはここで別れる。
中に入ってしばらくすると準備が出来たらしい。
待っていると聖女様とルンちゃんが入ってきた。
入ってきたのを確認して僕は合図を待って待機する。
国王陛下が進行し始めた。
「今から護衛騎士就任の忠誠の儀を始める!」
宣言して僕は聖女様の前まで進む。
そして膝をつき話が進んでいく。
しばらくして僕が忠誠を誓う所までくる。
「では、宣誓を。」
昨日言われた言葉を言った。
言い切ると拍手が起きて収まると国王陛下が話し始める。
「以上で忠誠の儀を終了にする!」
そう言って国王陛下と聖女様達が退出していく。
全員退出してから教会から出ようとすると騎士の人に止められて部屋に案内される。
部屋の中に入ると聖女様とルンちゃんがいた、あれ?国王陛下がいない…
「失礼します。…あれ、国王陛下は?」
「国王陛下はこの後会議があるのでいません。今日は日程の方を話しますね。」
ルンちゃんとの日程を合わせる。
正直な所特にやる事無いからなぁ…
休日を一個も取らなかったら怒られた、『流石に無しはダメです!』って言われた。
なので月初めに一日入れると『もうそれでいいです。』と言われてしまう。
ある程度の事を話終わって退出した。
「…で、それはどうするんですか?」
「コール様からはスランと言われているんですけど…どうしましょう?」
聖女様が机の上に紙を出した、そこには…
『第百回武闘会聖女推薦枠』
と書いてあった。
KHRBよろしくお願いします。
最後のは…そうだな…四章くらいかな?
追加、この後は閑話だぜ!