槍と鏡
思いつきヒロイン、参上!
職員さんが行ってから僕はソーダルトと話していた。
しばらくワイバーンを倒した時の事を話していると職員さんが帰ってきて所長室で話があるとゆう事でソーダルトとの話を一旦やめにして所長室に向かう。
「失礼します、スランさんをお連れしました。」
「ご苦労、君は業務に戻りなさい。」
女性らしい声が中から聞こえた。
そう言われると職員さんはここから立ち去った。
ドアの中を見てみるとそこには爽やかな青少年がいた。
髪と目は銀色で身長はおそらく僕と同じくらいで髪型はショートボブ。
女性の特徴は…無い。
「はじめましてスラン君。僕の名前はミラ、よろしくね。」
「こちらこそ、はじめまして。えっとミラさんは…その…」
「?…あぁ、僕の性別の事かな。僕は女だよ、よく間違われるけどね。」
「すいません、どちらかわからなくて。」
(…いくら僕が女湯でいつも通報されるからって…)
なぜかこちらを恨む様に見てくる。
流石に今のは失礼だったか。
そう思っている内にミラさんが真面目な話を始めた。
「まずは謝罪からかな?今回はすまなかったね、本来、君一人では絶対に討伐させない相手だからね。」
「僕もビックリしましたよ?まさかレッサーワイバーンがワイバーンになってるなんて。」
「あぁ、そうだ。君はそう考えるんだね?こちらの情報が間違っているのではなく、ワイバーン自体が成長したと?」
「まぁ、それが一番高いと思ってます。」
「…一応参考程度に聞いておくけど、他にはどうゆう可能性があると思うかい?」
「そうですね…僕はそちらの情報が嘘とゆう可能性は低いと思っていますからね、多分それはないでしょう。一番厄介なのは…」
「そのワイバーンが違う奴だった時…とゆう事か。」
「まあ僕は少し違うんですけどね。」
「もしかして…番の可能性を考えているのかい?」
「はい。あのワイバーン、少し変だったかな?と思う事がありまして。」
「…それはどんな事だい?」
「あのワイバーン巣じゃない所にいたんですよ。」
「!、本当かい!それが本当なら国に調査依頼を出さないといけないんだけど…」
こちらを伺う様な顔をして見ている。…まさか!
「…行きたくないんですか?王城に。」
「…実は、あそこにはいくら言っても僕を口説こうとしてくる奴がいてね…あまり会いたくないんだよ。」
「因みにそれは誰の事ですか?」
そう言ったらミラさんが辺りをキョロキョロと見渡し、窓も扉も閉めて僕の近くに来て耳打ちすrあっ!いい匂い!
「誰にも言わないでくれよ…第二王子だよ。」
あっ、案外ヤバイ人だった。
「大変ですね…」
「…分かってくれるかい?仮にも王族に何か出来る訳ないからね。なんとかするだけで大変なんだよ…」
その後ミラさんの口からは第二王子の愚痴が滝の様に出てきた。
「デリカシーが無い。」やら「近づき過ぎ。」やら「気持ち悪い。」やら「生理的に無理。」などかれこれ十分は喋っている。
僕は悪口が始まってから防音の魔法をこっそり使った。
流石に僕にこんな事話して不敬罪!とかなったら目覚め悪いし…
とゆうかよくここまで喋れるな、普通ならここまでノンストップで喋れないのに。
「大体アレは、貴族の令嬢にキャァキャァ言われてるからって、自分が声をかければ惚れるとでも思ってるんですか?どんだけ自惚れてるんですか!あぁ、そういえば知ってますか?あのナルシスト、いつも鏡持ってるんですよ?」
「それを見ながら『あぁ、今日の俺もカッコいい。』なんて言うんですよ!何が『今日も』ですか!お前の顔は毎日カッコよくなるんですか?変わるんですか?変わる訳ないじゃないですか!精々変わっても少しじゃないですか!」
「この前そう言ってやったら『俺の顔は毎日毎日、昨日の僕の二倍カッコいいのさ!』なんて言ってきたんですよ!そんな変わる訳ないじゃないですか!何が二倍ですか?そんなに変わる訳ないじゃないですか!何回でも言いますよ!そんなに変わる訳ないんですよ!!」
「あの馬鹿知ってるんですかね?もう令嬢にはそんな好かれてない事。みーんなあの性格に引きまくって、今周りにいる奴はご機嫌取りか王族の一員に自分の血を入れたい奴らだけですよ。そんなんだから口説こうとしても口説けないですよ!せめてそのお花畑な脳内を一回入れ替えてこい!」
「世間では王位継承権を兄を支えたいから捨てたって事にして、世間から好印象ですけど、違いますからね!本当は庶民の気に入った子とやりたいだけなんですよ!私は知ってますよ!この前可愛い女の子捕まえて宿屋でやった事知ってるんですからね!それも私、もう五十回は見てますよ!しかも全員違う子なんですよ!誰が好き好んであんな奴に尻尾振るもんですか!」
えっ、そうなの!ホントに!
とゆうか、そろそろ切り上げないと晩御飯の材料買う暇がなくなるな。
「すいません、ミラさん。僕そろそろ晩御飯の準備しないといけないんですけど…」
「…あぁすまないね、こんな愚痴聞いてくれる人がいなくてさ。助かったよ、おかげで少しスッキリしたよ。」
あれだけ喋っておいて少しなのか…
「それで報酬の話だよね。報酬はワイバーンの基本相場百五十万コールと間違った情報の謝礼分の五十万コールの計二百万コールでどうかな?」
意外とくれたな、精々百八十万コールくらいかと思ってたのに。
「いいですよ、それで。」
「…ボラないんだね、二百万くらいならボッてくるかと思ってたのに。」
「僕の予想より出してくれましたから、必要ないかなって。」
「まぁ、相手が相手だからそれくらいはね?相性最悪だったし、これくらいは普通だよ?」
そう言って下に繋がる魔道具を使って下に連絡をした後、
「ありがとね?守ってくれて。」
「…何の事ですか?」
「あくまでもしらばっくれるつもり、ってことかな?」
何故バレた。わからないよう慎重に発動したのに。
「私、こう見えても元近衛騎士団第二番隊魔法部隊隊長なんだよね。だから魔法の発動はある程度わかっちゃうんだ。」
このえきしだんだいにばんたいまほうぶたいたいちょう?
「ミラさん!」
「なっ何かな?スラン君?」
「ミラさんって騎士だったんですか!」
「うっ、うん。そうだけど…」
騎士だ!目の前に憧れの騎士がいる!
「うわぁ、すごい!ミラさん凄いです!」
「あっ、ありがとう。」
「僕、騎士になるの子供の頃からの夢なんです!」
「えっ?」
どこか驚いた顔をする、ミラさん。
「?、ミラさんどうしました?」
「えっとスラン君って確か、武器はy」
「槍です!」
「剣じゃなくて?」
「はい!槍です!」
「どっどうして槍を使っt」
「父さんが毎日毎日槍の練習をしていたからです!父さんは僕の憧れの人です!」
「えっと、今お父さんはどこにいるの?」
うっ、それは…
「…父さんは…もう…」
「あっ…ゴメンね?嫌なこと思い出させて。その…僕に出来る事なら何でもするよ?」
なっ何でも!いや待て、ここは慎重に…
「ではお言葉に甘えて、ミラさん何か二つ名的な物ってありますか!」
「えっ…」
「ダメ…ですか…」
そうだよね、教えてくれるわけ…
「いっイヤそうゆう訳じゃないよ?ちょっと思ってた事と全然違う事考えてただけだから。」
「じゃあ、教えてください!」
「えっと…『鏡の戦乙女』だk」
かがみのいくさおとめ?
「鏡の戦乙女ですか!僕が騎士の中で一番尊敬している人ですよ!あっ!後でサイン下さい!」
「いっいいけど、僕、サイn」
「ありがとうございます!一生家宝にします!」
やった!僕のお財布に書いて貰おっと。
「ふぇ?」
「鏡の戦乙女といえば何と言っても固有魔法の強さですよね!その魔法を使えば相手の魔法を全て跳ね返し相手に壮大な被害を負わせ、更に通りかかる時に相手を少し回復させて死なせず相手の予算を食い潰し幾度となく相手に白旗を上げさせここ近年の国力上昇はミラさんの活躍がなければ無理だったと思います。」
「あの、そn」
「でも僕が一番変えたって所はやはり魔法が軍でも重要視され始めた事だと思います。魔法が重要視されてから国も豊かになったんですから。しかもそれをした時は僅か18歳!たった3年でここまで武勲をあげる人なんて探しても見つかりませんでしたよ!その後姿を消してしまって少し残念でしたが、嬉しいです!生鏡の戦乙女、お会いできて光栄です!」
「なっなんか照れちゃうな…」
喜んでくれてる!もしかしたらいけるかも!
「あのっ!もし良ければ…」
「なっ、何かな?」
「お友達になってください!」
「えっ、と、その…」
「やっぱ駄目ですよね…」
はぁ、駄目だった…
「いっ、いや良いんだけどさ、…男の人に友達になって下さいなんて初めてだから少し戸惑っちゃって。」
「やっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっったあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
ミラ様と友達だ!やった!
「ありがとう御座います、ミラ様!」
「様?!」
ミラ様が驚いたように言う。…ハッ、まさか!
「すいませんでした、お名前で呼ぶなとy」
「みっ、ミラでいいからね!」
なっ、なんと!呼び捨てで良いと!
「ではミラ…と呼びますよ?」
そう言うとミラが顔を真っ赤に染めた。
「ミラ!だいじょぶですか?ハッ!まさか、熱が!」
「だいじょぶです。おとこのひとに、よびすてされるのがはじめてなだけですから。」
そう言った後お互い気まずくなり、沈黙の時間が訪れる。少ししてミラが
「…サイン、書きますか?」
「はいっ!」
やった!サインだ!
どうでした?以上騎士オタクのスラン君でした。好きな騎士は、鏡の戦乙女、堅牢、紫電です。
KHRBよろしくお願いします。