2 鏡と管轄外
暫くしてセフィちゃん達が部屋に戻ってきた。
ただ顔が少し明るくないので思ってた答えは出なかったんだろうな。
そしてセフィちゃんはコール様との会話を話し始めた。
「管轄外!?、神様なのに?」
「はい、正確にはコール様以外の方が管轄している、と言った方がいいですね。」
へぇ、イレイサ教ってコール様以外に神様いたんだ。
昔勉強した時はいなかったし、最近になって現れたのかな?
どうしよう、もう一回勉強し直そうかな?
「因みに、イレイサ教ではコール様だけが神様なので他に神がいると捉えられる様な発言は控えてくださいね?」
「えっ?」「はぁ?」
もっ、もしかしなくとも、機密情報だったりする?
まっ、まさかね、これでも一応人質だし言うわけ──
「それ、どれだけ知ってる人がいるの?」
「王族の方と聖女とその関係者のごく一部は知っていますよ。」
セフィちゃん……
まぁ、仲間として見てくれてるのは嬉しいけど……
「それ、人質に言う事じゃないわよ。」
「私にとって二人はもう仲間ですから。」
「これでも一応王女なのよ?もう少し疑ってもいいんじゃないの?」
「コール様が平気って言っていましたので、平気だと思ったのですが……駄目でしたか?」
「うっ、もういいわ。」
そんな事言われちゃうと何も言い返せないよ。
でも神様に平気って言われるのは実感がないからか少しだけ嬉しい。
「それで、一応管轄している方にコール様が話をしてくれたんですけど……」
「駄目って言われたの?」
「はい、コール様曰く『試練だから』、『これくらい乗り越えないと』、らしいです。」
試練?
……もしかしなくともこれって、
「……最初から仕組まれてた?」
「はい、スランを連れ去る事も、フリージアさんの事もこの状況全てが想定済みらしいです。」
多分僕が魔法を咄嗟に使えないのも想定内なんだろうな。
なんか悔しい、僕だって意識してれば出来た筈なのに。
そしてそう考えている内にその神様の悪口大会が始まった。
「何そいつ性格捻くれてそうね。」
「タルトちゃん!?」
「なんでダーリンを犠牲にしようとするのかが分からないわ、ダーリンの素晴らしさを分からないなんて死ねばいいのに。」
「アリアちゃんも!?」
「友達がいなさそうな神ですね。」
「メイちゃん……」
皆好き放題に喋っていく。
はぁ、天罰とかされても僕は知らないからね!
「ミラはどう?」
「えっ?僕は別にないよ。」
「そう、ルナミスは?」
「無い無い、というか関わらない方がいいからそこら辺でやめておいた方が……」
「じゃあ、セフィリアは?」
ルナミスちゃんの声を無視してそうタルトちゃんが言うと少し戸惑いながらも話し始める。
「いい方だと思いますよ?コール様が選んだ方ですし。」
「えっ?そいつ旦那なの?」
「はい。後いつでも私達の事を監視していると、コール様が。」
「……この話はやめましょう。」
KHRBよろしくお願いします。