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槍とキョニョ助

「は?」


「何言ってんだ!そいつは──」


「もしかしてキョニョ助?」


「!、パパだ〜!」


その女の子、キョニョ助は鳥の姿になって抱きついた。

こいつは変わらないな、昔からずっとそうだ。


「あんた、パパって……」


「あー、まぁ実質パパみたいな感じかな?」


「パパこのメスはママなの?」


「ん?そうだなぁ、半分正解!」


「ん?どういう事?」


「このお姉さんの人格じゃない方がママかな?」


「???」


「キョニョ助には難しかったか。」


キョニョ助はまだ子供だししょうがない。

幼い子にはまだ難しいだろうし。


「私はメスじゃないわ、訂正しなさい。」


「じゃあオス?でもなんでママになれるの?」


「え?あそういう……ごめんなさい、メスよ。」


「ママ間違えちゃったの?」


「間違えた、というか勘違いね。」


「ふ〜ん、そうなんだ。」


そう言ってキョニョ助は僕に体を擦り寄せ直した。

こう見るとやっぱり可愛いな。


「そういえばグレン君は……」


「気絶してるわね。」


なんで気絶してるんだ?

……もしかしてアリーの言ってた恋ってキョニョ助に向けたものなのかな?

だとしてもこれだけで気絶するのはどうかと思うけど。


「こいつは村に放り投げておきましょう。」


「可哀想だよ!もう少し優しくしてあげないと駄目でしょ?」


「うっ……」


もしかしなくともソリアは子供に弱いな。

こういう純粋なのには打たれ弱いんだろう。


そういえばキョニョ助はグレン君の事どう思ってるんだ?

何かしら思ってくれていると嬉しいんだけど。


「キョニョ助。」


「何?パパ。」


「グレン君の事はどう思ってるの?」


「……グレンって誰?」


「え?この男の子の事だよ?」


「へぇ、そうなんだ。いつもご飯くれるいい人だと思ってた。」


これは……グレン君の初恋は叶わなそうだな。

もう少しキョニョ助が大人だったらとは思うけど少なくても数百年はかかるだろう。


「……ねぇ、もしかして不死鳥なの?」


「うん!そうだよ!」


「スランあんた不死鳥の混血なの?」


「普通に人間だよ、キョニョ助の育ての親だからパパなだけで。」


「パパはパパだよ?」


「うん、そうだね。」


キョニョ助は母さんが死んだ後初めて森に入った時に保護した不死鳥だ。

見つけた時は全身傷だらけで今にも死にそうな状態だった。

街に魔物を入れるのは禁止されていたけど僕は助ける事を選んだ。


無事大きく育って街の人に気付かれる前に自然に戻したんだけど……

まだ僕に懐いているようでよかった。



「ねぇパパ!」


「どうしたの?」


「パパと番になりたい!」


「駄目だよ、他のオスを見つけて一人前になるんじゃなかったの?」


「うっ……そうだった。」


そう言うキョニョ助の顔は悲しんでいる顔だった。

これは別れる時にした約束だし応える事はできない。


「でもパパみたいなオスがいないのが悪いの!」


「そんな事ないと思うよ?」


「絶対いない!パパみたいに強くてかっこよくて優しいオスなんて!」


そう言って頬を膨らませながらじっと僕を見つめた。

まだ不死鳥的には父親に甘えたい歳なのかもな、小さい時に親と結婚すると言うみたいな物だろう。


「うっ……」


「あら、意識が戻りそうね。」


「本当だ、なら起こそうか。その方が安全だし。」


自分で飛んでもらった方が何かあったら時に対処出来るしね。

そうして僕はグレン君の体を優しく揺すって起こそうとする。


「おーい、起きてー。」


「うっ……俺は一体何を……は!?悪魔!」


意識が覚醒したと思ったら急に僕に目線を向けながら遠ざかり臨戦体勢をとるグレン君。

悪魔って……僕は人間なんだけどな、多分。


グレン君から見たら長い間振り向いてくれない好きな子が一瞬で他の男に振り向いてしまう感じだし悪魔と言いたい気持ちは分かるけどさ。


「貴方の目は腐ってるのね、これだから雑種は……」


「この裏切り者!魅了でその子を好きな様に操るなんて、しかも悪魔と手を組むなんて誇りはないのか!」


「一回殴らないとその目は治らないのね分かったわ殺すっ!」


急に鬼の形相でグレン君を殺そうとしたので僕は必死にソリアを止めた。

キョニョ助も僕と同じ様に止めてくれている。


「放しなさいよっ!私の誇りを安易に傷つけたあいつは一回殺さないと気が済まないの!」


「だとしても殺すのは駄目だって!」


「可哀想だよ!」


「そもそもあいつが貴方の魂を悪魔と見間違える様な目を持ってるのが悪いのよ!」


「何の話してるの?」


「……悪魔じゃないのか?」


「そうよ、まぁ貴方みたいな雑種じゃあ知らなくても当然ね。ごめんなさい?」


謝る気のない謝罪だけど一応殺そうとするのはやめてくれたみたいだ。

どうやらグレン君のも勘違いだったのかな?誤解が解けてよかった。


「そうだよ、僕は人間なんだから。」


少し人間らしくない動きは出来るけど多分半分亜人の血が入ってるとかそういう感じだろう。


「は?」


「何言ってんだ?」


「パパ、嘘はいけないよ?」


「いや、嘘じゃないけど。」


皆僕を変な奴みたいに見ている。

どうしてだろう?


「まぁ少し人の血じゃない所があるかもしれないけどさ。」


「……あんた人外よ。」


「へ?人間の血は入ってるでしょ?」


「入ってる訳ないでしょ。」


「……」


えぇ……

大変長らくお待たせしました、続きです。

現状この作品の投稿していない部分の進み具合としては最終章突入らへんを執筆しております。

予想では後4~50話程書けば終わるかな?といった具合ですね。

年内完結を目指して出来るだけ頑張ります、終わるといいなぁ…


KHRBよろしくお願いします。

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