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槍と調査

暫しの沈黙の後、アンゼスさんは何かを思い付いたようだ。

そうしてそのままルナミスに質問を投げかけた。


「……日本の都道府県の数は?」


「四十七だけど、それがどうしたの?」


「成程、面白いですね。」


そう言いながらアンゼスさんは一人で納得してしまった。

内容については全くもって理解できないな。


「私がこの世界に来るまでいた世界では三百五個ありました。」


「何言ってるの?」


「つまり貴女の日本と私の日本は違うという事です。」


「あぁ……言われてみれば確かに。」


「陛下、少しお時間頂いてもよろしいでしょうか?今すぐ彼女と話がしたいのです。」


「それは──」


「私は構いませんよ。」


「そうか?ならアイゼン、手短にな。」


「はい。」


そう言ってルナミスと部屋の端で話始めた。

それと同時にセフィが僕の耳元に近か寄ってくる。


「あの、さっきのお話理解出来ましたか?私、何も分からなくて。」


「僕も分からないよ。というかあの二人以外分からないんじゃ?」


そう思って他の人に目線を動かした。


「謎の会話でした、数だけは分かりましたが。」


「……」


概ね予想通りの反応だ、ソリアが不機嫌な以外は。


「ひゃっ!」


「どうしたの?」


「いえ、私先に帰るわ。」


「えっ!?ちょっと!」


ソリアが急に態度を変えて部屋から出て行ってしまった。

何かあったのかな?


そうしている内に二人が帰って来た。

どうやらある程度話がまとまった様だ。


「終わった?」


「うん……」


なんか歯切れが悪そうだ。

何かあったのかな?


「アンゼス、終わったか。」


「えぇ、彼女と一戦交える権利を貰いました。」


「へ?」


「そうか、存分にやるといい。」


アンゼスさんが急にルナミスと戦う事になっていた。

竜王陛下も何故か疑問にも思っていない様だ。

というかなんでルナミスは承諾したんだろうか?


「やるんですか、まぁルンちゃんがいいなら構いませんけど。」


「いいんだ?」


「した方が良いと考えたんですよね?」


「……うん。」


ルナミスはアンゼスさんとの戦いに利益を見出したのか。

それならいいのかな?アンゼスさんが何を利益にしたのかは知らないけど。

そう考えているとアンゼスさんが喋り出した。


「さて、スランさん。」


「はい。」


「貴方には自然保護区に行ってもらいたいのです、無名(ネームレス)と共に。」


「僕が、ですか?」


急にそんな事をアンゼスさんが言い出した。

まぁ何かやるんだろうなとは思ってはいたけどさ。

なんでフリージアとなんだろうか?


「今行けば運命の歯車が狂う、と判断しましたのでどうかなと。」


「狂わしていいんですか?」


「狂わしていいから勧めているんですよ?」


「そういう事ならいいですけど……」


そう言いながらセフィの方向へ向いた。

できる事なら受けたいけど許可がないと行けないからね、流石に。


「いいですよ、従った方がいいですから。」


「ん?」


「アンゼスさんの事は聞いた方がいいよ?」


なんか周りの様子がおかしい。

どういう事だ?


「やはりスランさんには効きませんか。」


「アンゼスさん?」


そう言いながらアンゼスさんは手を叩いた。

その瞬間、違和感が消えた。

いや、今まであった違和感を感じられる様になったと言うべきかな?


「あれ?私は一体何を……」


「という事でお願いしますね、スランさん。」


「はい……」


「あの、一体何をお願いしたのですか?」


「自然保護区の調査ですよ、聖女様に許可して頂きましたが。」


「へ?私そんな事許した覚えが……」


多分、というかアンゼスさんは思考誘導らしい事が出来るのだろう。

なんか僕には効かなかったらしいけど。


「私は他人の思考を破壊する事が出来ますがその応用で多少の誘導が出来るのです、それで許可してもらったのですよ。」


「あの、それは許可とは言わないと思いますよ?」


「……それってよく見るいけない技なんじゃ。」


「はい、ただ残念な事にそういうのは生理的に無理なのです。」


そう言ってアンゼスさんは指を鳴らした。

その音が聞こえた後、僕は森にいた。

少し先には火山らしき物があり煙が立ち上っている。


「はぁ!?私転移に抵抗した筈なのにどうして!?」


フリージアも何故か僕の隣に飛ばされていた。

というかあの指を鳴らす動きは転移の合図だったんだろう。


「この私があんな若造に負けたっていうの?」


「なんか別の世界からこっちに生まれたらしいよ。」


そう言うとフリージアの雰囲気が変わった。

何故か大きな息を出して安堵した様子だった。


「よかった、なら問題ないわ。」


「というかそんな感じの話してたでしょ?」


「あんな奴らの話なんて聞くわけないでしょ?」


そうだろうなとは思ってはいたけどそうだったな。

もう少し仲良くなってほしいなとは思う。


「誰があんな奴らと……」


「そういえば呼び方考えたんだけど、それで呼んでいい?」


「だから好きにしなさいよ、どうでもいいんだから。」


「じゃあ、ソリア。」


その言葉と同時にフリージア、もといソリアが止まった。

そしてゆっくりと振り向きながら


「……その名前、どこで聞いたの?」


「えっ?どこって言われても……」


「答えなさい!!」


そう言ってソリアの攻撃が僕に──

ストックを含めるとそろそろ物語も最終盤になりました。

今年中に完結を目指せたら目指しますね。

KHRBよろしくお願いします。

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