始章 聖女と贈り物
「セフィ、遅れちゃったけど誕生日プレゼント。」
「えっ、いいんですか!」
「いいの、セフィは大切な友達だし。」
「ありがとうございます、開けてもいいですか?」
「勿論よ、冬に使ってね。」
「マフラーですね、大切に使います!」
「何やってるの?」
「メイ、貴女もセフィにプレゼントを?」
「は?なんで私が一々用意しなきゃ行けないんですか?」
「ですよね……」
「そんな事言っちゃ駄目でしょ!」
「恋敵に与える塩はありません。」
「あぁ、やっぱりスランが好きなんですね。」
「えぇ、まぁ私が甘えたい時に甘えられればいいですが。」
「これ以上、増えませんよね?」
「多分、ね。」
「平気ですよ、私が消してるので。」
「へぇ……えっ!?」
「当然じゃないですか、ご主人様がどれだけ人気か知らないんですか?」
「その様な方見た事もありませんけど……」
「裏で話してるんですよ、察してください。」
「侍女達に人気なのですね。」
「よく私と料理場とか出入りしていますから、それででしょう。」
「過激な事してないでしょうね?」
「精々斧で威嚇するくらいです、一体私を何だと思ってるんですか。」
「それを過激って言うのよ……」
「これ以上増えなさそうですね……」
「二人は甘過ぎるんです、これくらいしないとああいう人はすぐ他の女に持っていかれるんですから。」
「そんな訳──」
「だったらご主人様の相手が七人になってる訳無いじゃないですか。」
「うっ。」
「まっまぁいいわ、誰か他に用意していないか聞きにいきましょう。」
「そこまでしなくても……」
「いいから、行きましょう。ほらメイも。」
「……はい。」
「ごめんね!私知らなくて……」
「私は用意したんだけどね、ミラに止められたから無いのよ。」
「だってタルトちゃんの贈り物が普通だった事私ないよ?使い所にも困るし。」
「こういうのは気持ちなのよ?」
「だとしても貰って困る物はやめようね、というかなんで私に誕生日の事教えてくれなかったの!」
「いや、知ってると思って。」
「私がそういうの疎いの知ってるでしょ!」
「あぁ……」
「はぁ……聖女様、これ、ご主人様からです。」
「えっ、スランからですか?」
「正直渡したくありませんが仕方がありません。」
「これは……後でお礼を言わないといけませんね。」
「何それ?落書きにしか見えないんだけど。」
「これは、私が一番欲しかった物です。」
「これが!?」
「まぁ貴女達は変だと思うのは当然よ、普通の人には落書きだもの。」
「まずは、私がこれを使える様にならないといけませんね。」
KHRBよろしくお願いします
約一時間後に一本出して今日の更新は終わりです




