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閑話 盾と家族

二ヶ月経って間話は非常に心苦しいですが読んで下さると幸いです。

私とルナ王女が同時にお母さんの事を呼ぶと同時にある違和感を覚えた。

私は孤児、こっちの家族との記憶なんてない筈。

でも何故か自然とその言葉が出てきた。


「ルナミス、王族だったの?」


「いや、それだけは絶対ない。」


「大丈夫よ、ルナミスには国王の遺伝子を入れてないもの。」


「……」


どういう事?

この悪魔が母なら私が悪魔の性質を持ってないとと矛盾が生じる。


「貴方は精霊女王、ルナローズの遺伝子のみで作っているのよ、吸血鬼の不利な部分は再現してないけどね。」


「それって、ルナミスちゃんが吸血鬼の真祖の性質に近いって事?」


「……」


「そうよ、流石は私のコピーね。」


「コピー?」


「私が死んだ時に移れる様に用意している魔法生命体、それが貴女よ、ミラ。」


「えぇっ!?」


「まぁ安心して頂戴、普通の人間社会に溶け込める様な調整だから。」


……この悪魔そんなに私達に話していいのかな?

こういうのって普通話さないと思うんだけど。


「あんたの身内ばかりね、怖い程に。」


「そうね、だから貴女を殺したら実質私の勝利なの。」


「後は連れ去ればいい、って事?面倒ね。」


そう言いながらタルトは私達に固有魔法をかけた。

多分私達をタルトの見た目に変えたのかな?

けど位置は動いてないのでバレバレな気がする。


「面白そうな魔法ね。」


「悪魔にそう言われるなんて、光栄だわ。」


強欲なる世界(グリードワールド)、だから貰ったわ。」


「嘘でしょ……」


「下がってて、私がやる。」


私はそう言って盾と剣を構えた。

勝てる気はしない、悪魔との格が違い過ぎる。


「あら、反抗期かしら。いいわ、少し遊んであげる。」


そう言って悪魔は鎌を異空間から取り出した。

私は盾で壁を作り王女の逃げ出す隙を作る。


「ルナ王女、逃げて!」


「へっ、あっ、はい!」


ルナ王女が立ち上がった瞬間、壁は壊された。

けどこれは想定内、また壁を再生成して時間を繋ぐ。

そしてルナ王女が部屋から出るまで繋いだ時、


「その盾、邪魔よ。」


そう言って悪魔が見えない速度で盾を殴ってきた。

勿論その攻撃を受け止められる訳もなく、盾は粉々になってしまった。

そしてその拳は私の左耳を消し去る。


「うっあっ……」


「ルナミスちゃん!」


ミラがすぐに私に回復を入れてれた。

耳は戻ってないから、気休め程度だけど。

後でセフィに治してもらわないと。


「未来視でも無理なの……」


「未来視?……ふふっ、まだそんな物が残ってると思うのね。」


やっぱり、分かってるのね。

私がもう、


「もう未来なんて見れないのよ、ねぇルナミス。」


「……」


「嘘よ、魔眼は目を潰されてない限り効力は残り続けるもの。」


「それは魔眼の話でしょ?私は時限付きの魔法陣を施しただけよ。

魂が定着したら消える様に施したの。」


「そんな訳!……本当、なのね。」


未来を見通せない事に。

いつからかははっきりと覚えている。

私の意識がはっきりし始めた頃から段々と見えなくなってきていた。


この力で切り抜けてきた場面が多かった分、動揺も大きい物だった。

このまま衰退していけばいずれ護衛を降りなきゃいけない。

そうしたらセフィとも……


「それと無駄なのよ、逃がそうとしても。」


そう言いながら悪魔はゲートの様な物を開いた。

その中からどういう訳かルナ王女が出てくる。


「まずは一人、ね。」


そう言いながら悪魔はルナ王女をゲートの中に戻した


「こうなったら手の内を隠してる訳にはいかないわね。」


そう言ってタルトの体は変形していった。

そして元が人間だとは思わない奇形の人型の生物になっていく。

全身から目玉が生えいつも見透かされている様で怖い。


「気持ち悪いわ、なんのつもり?」


「なっ!このかっこよさが分からないの!」


「かっこいい? え?」


「やっぱり気持ち悪いよ、タルトちゃん。」


「なんで毎回こうなのよ……」


そういえばタルトの美的感覚は結構ズレてるんだっけ?

目とかそんなにいらないのに無駄に多くついている。

妖怪じゃないんだから……


「取り敢えず、目障りね。」


そう言って悪魔が魔法を放つがタルトには効かない。


「?」


「魔法は僕に任せて!」


「えぇ。」


いつの間にかミラの固有魔法が使える様になってたらしい。

おそらく契約破棄の影響なのかな?

そう考えているとタルトの一撃が悪魔に入る。


「中々ね、消えなさい。」


左手だけで攻撃を受け止めた悪魔は右手から大鎌を出した。

私は嫌な予感がしてタルトを守ろうと動いた。

そして私が庇える状況になって悪魔は一撃を放った。


収穫の時間(ボーンタイム)。」


そして、私の目の前が真っ暗になった。







《条件を達成しました、対象が勇者に覚醒します。》






そんな言葉が脳内でされると同時に私の視界は鮮明になった。


「!?」


「えっ……」


「嘘っ!」


体中に力が溢れ出ている感覚が絶えず伝わってくる。

今の私には誰にも負けない自信しかない。


「なんで死なない!いや、それよりどうして……!」


悪魔が非常に困惑しているのがわかる。

でも、何か考えついたのか顔は清々しい顔になった。


「………勇者。」


「えっ?」


勇者?でも私はあの人達とは別枠だし。

そう考えていると悪魔は決心のついた顔になった。


「まぁいいわ、貴女さえ殺せば私達の悩みの種は全てなくなるの。

だから死んで?ルナミス。」


そう言い切る前に攻撃を始めた悪魔。

でも私には遅くて遅くて、退屈だった。

一撃で仕留める。

私生活が忙しくなるので長期間不定期更新となります。

正直更新ペースは乱れていたので感覚は変わらないと思います。ただ周年の話は絶対出すつもりです。


追記:間隔を空けるのは良くないですね、ミラさんの固有魔法は使えなかったらしいので無理矢理変えました。

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