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槍と大混戦

「それで、陛下。お話というのは……」


「実はな、最近とある噂を聞いてな。」


「噂、ですか。」


「お主が内通者だという噂がな。」


「わっ私ですか!」


「そうだ、バサイカ三位。」


バサイカ三位。

セフィを未だに妻にしようと企んでいる男だ。


ゲームだと確かそうしようとする理由はこのままだと自分の代で貴族の位である三位から落ちてしまうから。

大きな功績を挙げようにも彼では能力が足らないので絶望的。

だから手っ取り早い聖女との結婚を狙ってる。


だけどバサイカ三位はゲームだとマルマーとソーダルトとの戦争中に死んでるから

そこまで詳細には分からないんだよね。


スランがマルマーで内通者を探してくれって言われた時に存在を思い出した時点で記憶はあやふやだし。

諜報担当にそれとなくバサイカ三位を調べてほしいと頼んで二年。

長い間尻尾を見せてくれなかったバサイカ三位が最近になって見せてくれた。


「じゃあ、大人しく連行させてくれる?」


そう言って私は剣を抜いた。

そして、彼が次に取った行動は──


「クソッ!」


陛下への攻撃。

……まぁそうよね。

しかしながら、その攻撃は当たらない。


「陛下にこんな危険な事させる訳ないでしょ?」


「幻影!?」


先程まで話されていたのは陛下の魔法で作られた偽物だ。

勿論、ここで戦闘する事を考え昨日から部屋には防御魔法が仕掛けてある。

これで、逃げられない筈。


「ふふふっ。」


「あら、怖くて笑ってるのかしら。」


「いいや、上手く行き過ぎてな。」


上手く?

そんな事はない、私達がいないからってどうにかならない相手なんて……


「今頃、外では悪魔が暴れている頃だ。」


「それぐらいならスランで十分よ。」


スラン様は強い、私にはもう手が届かない位に。


「ふん、まぁいいのだ。死ぬがいい、失敗作(ガラクタ)!」






『シッキ、予定より早いけど作戦に移るよ。』


「……」


ねむい。


『聞いてるの!……まぁいいでしょう、シキザとタオはいけるでしょ?』


『勿論っ!』


『いける、よ。』


でも、やらないとなぁ……


『でも本当によかったの?タオが勇者殺しに行かなくて。』


『なんか嫌な予感がね、するのよ。』


『ふーん、まっ早く終わったら殺しにいっとくね!』


『お願いね、シッキは早く生き残りを殺して勇者の方に行きなさいよ!」


「……うん。」


『ゴウヨウ、姉さんも、計画達成、頑張って。』


『えぇ、何百年もかけてやってきたルナローズ作成計画、仕込みは十分よ。』


……あいつを、殺す。

そしたら、寝る。






「!?」


今一瞬とてつもない身の危険を感じた。

それはルークさんも同じらしく同じ方向を向いている。


その方向には見覚えのある一人の男が佇んでいた。

その男の名はフウ、クロタケさんに負けた人だ。

少し身構えようかと思った次の瞬間、僕は本能的にその場から離れた。


そして元いた場所に目を向けるとそこにはフウがいた。

ルークさんも同じ様に感じたのか驚いている様子だ。


「避けないでよ、面倒だから。」


フウとはかけ離れた女性の声と共にフウの肉体から何かが分離した。

そしてそれは僕が何度も見た事がある光景だった。


「悪魔……」


「ん、嫉妬の悪魔シッキ。」


その悪魔は気怠げそうに名乗った。

本当に嫉妬の悪魔か疑問が残る所だけど対応していそうな大罪の悪魔とは既に会っているし、本当なのだろう。


「早く勇者殺して寝たいから、死んで?」


そう言って禍々しい刀を構えて、抜刀した。






──っ!この気配は!

厄介なのがいるわね。

幸い私は関わる事がなさそうだし、このまま──


「ねぇ君!死んでくれない?」


その声と同時に強力な魔法の発動を感知した。

急いで常時発動中の結界の効力を上げ、対処する。


「さて、器を殺しに……って嘘!」


「あれくらいじゃ死なないわ。」


目の前にいるのは二体の悪魔。

しかもそこら辺にいる悪魔ではなく最高位。

表の一体だけだと思ってたけど、とんだ思い違いね。


「ここは通さないよ、悪魔(ゴミ)共。」


「へぇ、言ってくれるじゃん。」


「早く、死なない、でね?」


ここで本気は出せない。

時間稼ぎだけ、させてもらう。






「くっ!」


「どうした!そんなもの我には効かんぞ!」


あれから数十秒間バサイカ三位の魔法の猛攻を受け続けている。


「ミラ!何やってんの!」


「魔法が、魔法が使えないの!」


「はぁ!?自分自身には発動してるでしょ!?」


「分かってるけど出来ないんだよ!」


あのミラの固有魔法を封じられている為相手は魔法を使いたい放題。

あれを封じるなんて方法があるなんて……

あれの攻略方法はゲーム内だと物理で殴る以外なかったのに。


「ん?」


何かバサイカ三位が気が付いたみたいだ。

その視線の先を見てみると思わぬ人物がいた。


「ルナ王女?!」


「えっあっ……」


人払いをしていた執務室に想定外の人物がいた。

くっ……


「タルト!ミラ!ルナ王女を守って!」


「分かったわ!ミラ、魔法はもういいから剣出して。」


「うん……」


ミラは少し魔法が使えなくて動揺しているみたい。

それでも十分戦力にはなる。

大丈夫、勝てる。


「これは好都合、後で処分する筈の王女自ら出向いてくれるとは。私は運が──グハッ!?」


急にバサイカ三位の様子がおかしくなった。

何が、起こるの……


「待て!まだ契約は……うっうわァァァァァァァァァァァァァァ!」


その声と同時に女の悪魔が出てきた。


「久し振りね、ルナ、ルナミス。」


「お母様?」「お母さん?」

すいません、一月開いてしまいました。

なるべく、なるべくない様に、します。

KHRBよろしくお願いします

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