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槍と第四試合

すいません、とても遅れました

「……次の試合に行きましょう!、第四試合、まずはこの人!この国、イレイサ王国の三強でありルーク選手と同じ時期に入り、前第一聖長のグラウンド第三聖長の相棒として長年切磋琢磨してきたその力はただでは折れない!前大会ではルーク選手に敗れたその雪辱を果たす事が出来るのか!ガロン!」


そう言われ出てきたのは本気の装備をしてきたガロンさんだ。

あれは特注品なので明らかに正規の装備ではないのは一目見ればわかる。

分かってはいたけど見応えがある試合になるな、これは。


三強であるガロンさんとルークさんが出ている大会って言われると怖いな。

幸いなのはもう前線からは引退したグラウンドさんが出てない事。

相性的にもグラウンドさんには勝てる気がしない。


いつかは並び立ちたいな、まだまだだけど。


「続いてこの方、現マルマー帝国国王であらせられ槍の名手。今大会を最後に本格的な戦闘からは引退し国政に精を注ぐそうです。紫電と呼ばれた彼の勇姿をぜひその目に焼き付けましょう!第二百一代目皇帝、メビウス・マルマー帝!」


カイシさんが世間体を気にして丸めな説明をして出てきたのはメビウスさんだ。

彼も彼でエレクトロや帝国の紋章が入った鎧を着ている。


どちらも僕より格上の人達の試合、なるべくここで情報を得たい。

この回は集中しよう。





「最後の場で貴方と武器を交える事、感謝するよ。」


「いえ、こちらも貴方と戦えて光栄です。」


メビウス・マルマー、俺と肩を並べられる数少ない御仁だ。

グラウやルークとは違ってリーチの長い槍なのが厄介だな。


昨日は対槍の感覚をつける為にスラン君を呼び出したが……

まぁいい、昨日は教えるついででやった事だ。

今は、目の前の敵を打ち倒すのみ。


「──開始!」


「紫電疾走!」


試合の始まりと共にメビウス帝がこちらに向かってくる。

だが、そんなものは俺には通じない。

俺は確実に盾で受け止める、しかし、


「紫電!」


続け様に武技を放ち俺に一撃を与えた。

しかしながら俺にはその衝撃は伝わらない。

俺は一度距離を取る為に盾でメビウス帝を跳ね飛ばした。


「分かってはいたけど、効果は無いか。」


「貴方の技は俺とは相性が悪いですから。」


「思ってたより最初の難関って所かな?」


それでもなお余裕のあるメビウス帝に今度は俺から切り掛かる。

メビウス帝の魔力は無視して立ち回る為俺は幾分か気が楽だ。

俺は攻撃と速度を上げる為に体内の魔力を操作して挑む。

その一撃はメビウス帝をいとも容易く捉え、そして耐えられる。


「っ、中々にいい一撃だね。」


「ありがとうございます。」


少しは効いている様だな。

それならまだ突破口はある。

俺は一撃でメビウス帝を沈める為に一旦距離を取る。


崩砦(ほうさい)。」


そして、俺の武技が炸裂したのだ。

この武技で足場を崩した俺は速度のみに魔力を当て飛び掛かる。

が──


「いない?」


どこに行った?

考えられるのは上、だが跳んでいる様には感じなかった。


「!?」


それと同時に地面からの攻撃を喰らってしまう。

一瞬戸惑ったがそれが槍だというのに気付くにはそう時間はかからなかった。


「くっ……」


「これくらいの攻撃なら当たらないよ。」


あの状況で瞬時に地面に潜って一撃を入れられたか。

一筋縄ではいかないか……


「スラン君とはもう一度しっかり戦いたいからね、ここで負けるわけにはいかないんだよ。」


「俺も似た様な物です。」


そう、俺もルークとの約束がある。






「ガロン、俺が一般枠の試合に出る事になった。」


「ルーク……」


「分かってるよ、これが今代用って事は。」


「先代は上手く行った筈だ、わざわざ出なくても……」


「二連続優勝をしてほしいってね、困ったよ。」


「……」


「前回グラウとは戦えただろ?だから次はガロン、お前と戦いたい。」


「ふっ、出来たらな。」






「紫電──


「不動砦。」


── 一閃!」


お互いの武技がぶつかり合った。

そして──


「おおっと!ガロン選手の盾が壊れた!」


チッ、貫かれたか。

が、


「しかしメビウス帝にも大きな反動が来ています!」


右腕は使いにくく出来たな。

色々考えても俺の方が若干有利だ。

このまま攻めて──


「しょうがない、左手でやるか。」


?、利き手ではない左手に変えた分俺の方が──


「紫電崩壊。」


そして、俺は負けた。






「勝者!メビウス帝!」


はっ!気付いたら試合が終わっていた。

メビウスさんが左手でに持ち替えてからの展開が速かったな。


「あの……スラン?」


「えっ?ごめん気付かなかった。」


好きな二人の試合だったから意識がこっちに向かなかったな。

気を付けないと。


「その……メイがですね、」


「メイが?、あっ。」


僕の上にいるメイが体を震わせていた。

そう、まるでトイレを我慢しているかの様に。


「あっ、ごめん!」


メイは一目散に部屋から出た。

悪い事したな……


「そういえば、扉の前にカトリーナさんが守りに着きましたよ。」


「さっき来たの?」


「はい、先程挨拶に。」


なら出る時に挨拶しないとな。

しないと色々面倒そうだし。


準決勝の相手はメビウスさんに決まったけど……あれをどう攻略しよう?

KHRBよろしくお願いします

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