表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
182/277

槍と第三試合?

「お待たせしました第三試合!まずはこの選手、一般枠からの刺客、その実力はいかに!リッチ!」


唯一一般枠の中で有名じゃない相手、どうしてもこれくらいになってしまう。

ただ僕はずっと昔にこの人を見た事がある気がする。

どこだったけなぁ?


「続いては!今代聖女セフィリア・イレイサの護衛の一人、ソーダルト王国では神風の異名を持ち、剣帝と魔帝の一人息子!風魔法と槍でどこまでのし上がれるのか!スラン・レイサ!」


そう言われたので僕は外に出た。

さて、どこまで見せようか。

まぁ一戦目はカイシさんが言ってた所までかな。


武技は二戦目以降、手の内はなるべく決勝まで残しておきたい。

よし、やるか!





「へぇ、彼そんな血筋なんだ。」


「剣帝って昔ルーくんが手も足も出ずに負けた相手だよね?」


「うっ……」


ルークさんが剣帝に負けたとなると相当強かったのでしょうね。

でも……それなら何故悪魔に負けてしまったのでしょうか?


私はそこまでルークさんの戦う姿を見ていませんがそれでもスランくらいの強さはあります。

それなら遥かに強い剣帝は何故スランが勝てた悪魔に殺されたのでしょう?

あの悪魔的には殺せてないらしいですけど。


悪魔を殺してはいけない理由があったのでしょうか?






スラン・レイサ。

まだ謎が多い彼を俺が書く本に載せて大儲けしてやる。

しかし、目の前に立つと様になるな。


俺の目的はあくまでも情報収集、勝つ事じゃない。

勝てないのは分かっているが持久戦に持ち込めば不要な情報を渡してくれる筈。

観客席だと分からない事も多いしな。


開始!」


おっと、いつの間に始まってたか。

相手は……攻めてこなさそうだな。

というかなんでまだ考え事をしてるんだ?


まぁいい、最初だけ攻めてやる。


そして俺は右手に持った相手に向けて剣を振りかぶった。

しかしまるで俺を気にしていない様に簡単に避けられる。


クソっ、分かってはいたが全然本気を引き出せる気がしない。

だが引く訳にもいかないんだよな。

俺は連続で剣で斬りかかるが全て躱されてしまう。


流石の俺でも少し頭にきた。

これを使うと思わぬ所でバレるかもしれないのだが知ってるやつなんて片手で数える程度だ。

使った所でバレる心配は殆どない。


どうせ俺の協力者しかこの顔を覚えるくらい見せていない。

そうして俺は本気を出す為に魔力を使った。

どうだ、これで──


「あっ!ソードベルで本を売ってた人ですよね!」


……は?





そうだそうだ思い出した!

僕が騎士の世界を知るきっかけになった本を売ってた人だ!

顔が全然違うから分からなかったよ。


他にも他国の情報とかが載っている本を売っていたりしてとても頼りになった本屋。

正直値段は凄く高かったけどそれだけの価値はあると思う。


「……たっ、逮捕ー!」


カイシさんが急にそんな事を言うと目の前の人も逃げ様とする。


「スラン!捕まえてください!」


「え!?あ、はい!」


僕はセフィの声に反応し反射で相手を捕まえてしまった。

そしてそのまま何処かに連れてかれてしまう。


「ええっと、不戦勝でスラン選手の勝利です。」


……あ。





「スラン、気にしなくていいんですよ?」


「はい……」


やってしまった、不戦勝はしたくなかったのに、はぁ……


「ダーリン……」


「聖女様、これは少し放っておいた方が……」


「ですが……」


ん?というかなんでフリージアはその話し方になってるんだ?

少し辺りを見渡すと心当たりが一つ、先代聖女だ。

多分いる事に気付いてなかったんだろう。

成程ね、でもさっきまで普通に喋ってたのに気付かれないって事はあるのか?


「ご主人様。」


「なんだ、メイ。」


「甘えたいです。」


「そうか、こい。」


そして僕はメイを膝の上に乗せ頭を撫でた。

メイは相変わらず嬉しいそうだ。


「ご主人様。」


「なんだ?」


「ここにいた他の第六聖の人達は王城警備の強化の為そちらに向かいました。」


そう言われてみればルナミス達がいないな。


「報告ありがとう、メイ。」


「いえ、仕事ですから。」


それにしても王城の警備強化か、何かあったのかな?


「あの、スラン?」


「どうしたの、セフィ?」


「いえ、何でもありません……」


そう言いながらもセフィが凄く落ち込んでいる顔をした。

何か僕したっけ?


「セフィ、平気?」


「はい、平気です。少し負けた様な気がしたので……」


負けた?何に?

フリージアもアリーも同じ様な顔をしてるし、なんなんだ?


「皆さん、平気ですよ。」


「……本当ですか?」


「えぇ、これは私にしか出来ませんので!」


そう言ってメイは勝ち誇った顔をした。

落ち込んでた僕にはどういう状況なのかが分からない。


「鱗、硬いですよね……」


「くっ……」


「スランは人間より犬派ですか……」


「いや、猫派。」


そう言った瞬間メイの顔が崩れた。


「ご、ご主人様。」


「ん?」


「私より猫なんですか?」


「あー、動物形態だったらそうかな?」


正直昔犬に噛まれてから苦手だ。

今はある程度距離を取れば平気になったけど。


「そうですか、スランは猫派なんですね!」


「はい。」


なんか急にセフィ達が元気になったぞ?

駄目だ、よくわからない。


「絶対、絶対に犬派にしてみます!」


そう言ってメイは小型犬くらいの大きさになり膝の上の寝転がってしまった。

とても怖い、今すぐにでも逃げ出したいけど……メイにしたら後が怖い。


我慢、するか。

KHRBよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ