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槍と開催

「さぁ皆!声を出す準備は出来たよね!」


「「「「「うおぉぉぉぉ!」」」」」


「いい声だね!では今から第百回、武闘祭、聖女成人杯を開始します!」


カイシさんが宣言すると周りからハナビが打ち出された。

初代勇者がこの大会の第一回で使ってから伝統的に使われている物だ。


「ルールはいたってシンプル!相手が付けている結界をより早く壊した方の勝ちです!」



「例年通りですね、あまり被弾するのは避けてくださいね。」


「分かってるよ、まぁ相手が相手だし避け切る事は厳しそうだけど。」


「ご主人様なら勝てますよ、悪魔と互角なんですから。」


確かにメイの言う通りだと思う。

悪魔と互角以上に戦える人なんて極めて僅かだ。

ただ僕は今回参加する人の中で二番目に若い。


対人戦の経験では圧倒的に相手が上。

相手が僕の速度に反応出来るならシルフィを使うしかない。

それでも、敵わないと思う。


「うーん……僕は勿論スラン君に勝ってほしいけど、ギリギリだと思うな。」


「スランが勝てる要素はどれだけ自分の技を相手に見せないかね、

決勝に行く相手はこいつの技を知らないわけだし。」


「兄様が勝つなら俺が色々言う事も出来るけど……いるか?」


「正々堂々やりたいからいいよ、でもありがとう。」


僕はそうフリージアに返した。

これ以上の事をするとキリがなくなるからね。


「そういえばアリアさんがいませんね?」


「アリーはハナビの手伝いに行ったよ。」


「エルフですし、頼られますよね。」


実は今回、ハナビを打つ人が怪我をしてしまって足りなくなってしまった。

そこで、エルフの中で射撃が一番上手かったアリーが手伝いに行ったのだ。


「……ルーくん、何見てるの?」


「俺もあんな感じになったのかなって思っただけだよ。」


ここは貴賓室、その内の一つだ。

ここは主に聖女様が入ってくる。

つまり、先代もいるわけだ。


因みにもっと前の聖女はいない。

というか普通は今代しか入れないのだ。

今回はルークさんが出るから入れているだけである。


「浮気したかったんだ、へぇ?」


「俺はシア一筋だよ。」


「ふーん、で?」


なんかセフィに似てるよなぁ。

あの感じ、やっぱり聖女ってそういう人が多いかな?


「第一試合、まずはこの人!」


そう宣言すると、片側から大量の炎が湧き出た。

その勢いが収まるとそこから一人の男が出てくる。


「ダンジョンに挑む者が多いゴーラーダ王国の中でも随一の実力を持つ風の男!

最難関である猿の箱庭では五十八階層まで攻略し注目を一身に集め武闘祭に身を投じます!

その名は、烈風のフウ!」


そう言うと観客の歓声が大きくなった。

結構人気なんだな、あいつ。


少し気になる点はある。

炎風兄弟だけで攻略出来たのは三十階層までと、聞いた事がある。

それを一人になった状態でそこまで行けたのかと思うと……


「あの人はスランに一撃で倒された人ですよね。」


「うん、今どれだけ強くなってるかは分からないけど、


魔力の圧、剣の扱い方。

少なくともそう簡単にやられる人ではない。


「僕でもシルフィがいなかったら負けてると思う。」


「そんなにですか!?そういう風には見えませんね……」


「僕自身の魔力の出力より彼の方が上なんだよ。」


「だからシルがいないとって事ね。」


その声を聞き僕達は後ろを向いた。

勿論、そこにいたのはアリーとシルフィだった。


《やっぱり私がいないとスラン君は全力出せないもんね!》


「そんなわけないだろ、スラン自身の魔りょ──」


「本当だよ。」


そう言った瞬間部屋の中に静寂が訪れた。

関係のないルークさん達も、静かになっていた。


《スラン君の魔力は元々人間には過ぎた物なんだよね。》


「シルフィがいない時の僕の出力は精々三割弱、それ以上出したら体の四肢が弾け飛ぶだろうね。」


《一応私と精霊憑依していく中で少しだけど出力が出せる様になっていくんだけどね。》


だからこそ、魔力切れは起こした事はない。

いつかは、自力で全力を出してみたいけどね。


「いいんですか、そんな事をここで話してしまって。」


「いいよ、ルークさんになら最初から全力で精霊憑依するから。」


そう言ってからルークさんを見ると引き攣った顔をしていた。


「はは、お手柔らかにね。」


「こちらこそ。」


シルフィがいる事はどうせ準決勝に行った時に絶対バレるだろうし問題ない。

あの二人相手に手を抜くなんて事したら一瞬で勝負がつく。

まぁ本気の召喚は召喚するまで少し時間がかかるからそれさえ言わなければいいだろう。


「続いて二人目、ストアリオ大陸唯一の国家、アオギリ王国からの刺客。

圧倒的な力と魔力で全てを薙ぎ払う彼はどこまで突き進むのか!」


そう言った瞬間もう片方から炎が止んだ。

そして見慣れない姿で登場する。


「黒竜のクロタケ!」


黒竜か、まぁ見たまんまか。


「ん、妻よ!我が二つ名は他に何かなかったのか!」


「これが民意です、諦めてください。」


どうやら本当に結婚しているらしい。

どういう経緯でなったのかを知りたいな。


「んん、気を取り直して第一試合、準備はいいですか?」


「あぁ。」「勿論だとも!」


「では、3! 2! 1!──

誰が優勝するか予想してみてください

KHRBよろしくお願いします

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