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槍と先代

第二ブロックの試合が始まる前に僕とフリージアはセフィの所まで戻ってきた。


「スラン、少しいいですか?」


「えっ、何?」


着いた途端に何か不安そうに聞いてきた。

何かあったっけ?


「……ルンちゃんと付き合ってたんですか?」


「あぁ、うん。そうなんだけど……」


あれ、さっき言わないって言ってなかったっけ?

そう思ってルナミスの方を見る。


「口が滑っちゃったの……」


「その、いいんですよ?いいんですけど……」


セフィが露骨に不満そうな顔をした。

まだ根に持ってるのかな?


「どうしてスランはそんなに女性に好かれるのでしょうね?」


「……さぁ?」


僕自身イレイサに来る前はアリーを除けば女性との関わり合いは殆どない。

アリーとも最近会ったばっかりだしね。

考えてみれば、殆どイレイサに来る前くらいからの話ばかりだ。


「でも、殆どイレイサに来てからの話でしょ?」


「うっ……やっぱりあの話は本当だったのでしょうか?」


……あの話?

そう思った時後ろから声をかけられた。


「久し振りね、セフィちゃん。」


「あ!テリジアさん!」


そう言ってセフィがその女性に近付いた。

その女性は紫色の髪で赤い瞳をもった人だ。

女性らしい感じで白いドレスを着ている。


「初めまして、テリジア・イレイサよ。

今は第一位をしているの。」



「え!?あ、スラン・レイサです。聖女様の護衛をしています。」


第一位って凄い事した人しかなれなかった筈。

何をしたんだ?この人の家系の人達は。


「……あら、セフィちゃんはそうしたのね?」


「はい、私を一番に見てくれればいいと思ってたんですけど……」


「不安よね、わかるわ。」


なんかよくわからないけど僕と何か関係ありそうだ。


「やっぱり凄い威圧感ですね。」


「どうしたのフリージア?」


「だって、先代の聖女様ですよ?」


えっ


「えぇっ!?」


「あら、知らなかった?」


そういえばイレイサって付いているのは王家と聖女だけだったか。

なんか自然すぎて全然気付かなかった。


「フリージアさん。」


「はっはい!」


「留学はどうですか?」


「とても、有意義な留学になってます。」


「そうですか、後数ヶ月頑張ってくださいね。」


そう笑顔で言ったテリジアさん。

その話に呼応する様にフリージアが


「先生は最近どうなんですか?」


そう言っ──先生?


「最近?最近はねぇ、ルーくんがぎゅーってしてくれたの!」


「先生……いたっけ?」


「そういえばスランは私の留学中に会っていませんよね。」


どうやらあそこで固有魔法の講師をしてたらしい。

固有魔法の研究成果も相まって第一位になったとか。


「で、ルーくんって誰?」


「テリジアさんの元護衛です。今はテリジアさんの夫ですね。」


まぁ予想は出来たか。

何せ九十パーセント以上護衛と結婚してるんだし。


「あ!次の試合が始まるわ!見ましょ!」


急にテンションが上がったテリジアさんの言う通り試合が始まった。

一人は双剣使いでもう一人は素手格闘の──


「ルーくん頑張れー!!」


「ルークさん出てたんですね。」


「勿論!今回も優勝狙ってるんだから!」


今回もって事は前回は優勝したって事か。

……少しだけ優勝出来るか不安になってきた。

試合自体は一瞬で終わり双剣使いの方が勝った。


「ルーくん、戻ってきて!」


そう言うと画面の先にいた双剣使いの人がテリジアさんの隣に現れた。

金色に髪に赤色の瞳をしていて背丈も僕くらいだ。



「お帰り、ルーくん!」


「ただいま、シア。」


この人がルークさんか。


「……どうやってここに?」


「知りたい?」


「それはまぁそうですけど。」


一体どういう技術なんだろうか?

出来そうだったら僕も練──


「愛の力よ!」


愛……


「ね、ルーくん。」


「うん、そうだね。」


ルークさんも認めてるみたいだし本当なんだろう。

……まぁ後々考えていくか。


「君がスラン君だね?」


「はい。」


「妻から話を聞いてるよ、頑張ってね。」


「ありがとうございます!」


「そうだ、シア。」


「どうしたの、ルーくん?」


「少しあっちでスラン君と話てくるよ。」


「うん、いってらっしゃい!」


「じゃあ行こうか。」


「はい。」


どうやら僕に何か話したい事があるらしい。

僕はルークさんに着いて行き話を聞いた。


「君は、聖女の固有魔法の事は知っているよね。」


「聖、ですよね。」


「あぁ、でもこの魔法は一つだけ隠された力がある。」


力?一体それは……


「この固有魔法を持つ者が恋をした異性は、沢山の女性に慕われやすくなる。」


「え?」


「実際俺もそうだった、シアの威圧感で離れていったけど。」


正直心あたりはある。

セフィはそこら辺寛容だったしね。


「このせいで聖は別名性と呼ばれてたりする。」


せい……話から考えると性、かな?

話の中だと分かりずらい。

そう思っていると大きな歓声が聞こえた。


「多分勇者が勝ったかな?」


「勇者?」


あの人達が?


「勇者がいる時はソードベルの枠で出るんだけどね、本人達が実力で出たいって言ったらしいよ。」


へぇ……

少しだけ、気になるな。


「さ、行こう。そろそろ怒られそうだし。」


「はい。」


そうして僕とルークさんはセフィ達の所に向かったのであった。

そろそろトーナメントに入れそう。

KHRBよろしくお願いします。

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