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槍と対戦相手

僕達が城に戻るともう既に前夜祭が始まっていた。

世界中の聖女協定に入っている国の要人達が大勢いる。


今日聖長が休めるのはこの為だ。

各国の強者が集まっている今、襲われる事は今までなかった。

なのであまり羽を伸ばせない聖長は休めるというわけだ。


その関係でよく休めるルナミスは休みはない。

勿論イレイサも有事に対して対策してないわけではない。

第五聖の人達をある程度王都まで呼び戻している。


第五聖の人達は実力者揃いだ。

一人一人が各聖団の副聖長レベルまで仕上がっているくらいには。

僕や第一聖の人達は例外だけど、それでも十分強い。


第五聖も三分の一の人達は今も警備をしているとか。

まぁ要は今ここにいる人は運が良かったという事かな。


「さ、聖女様の所行きましょ?」


「え?あぁうん。」


流石に着替えてから行きたかったけど、いいか。

この状態でも十分に動ける。

そうして僕達はセフィがいる中央まで歩いていく。


中央には王族が沢山いる様でいかにも近付けない雰囲気だった。


「なぁ、流石に着替えてから行こうよ。」


「私に任せなさい。」


そう言って先に護衛らしき人に近付いた。


「?、ここから先は立ち入り禁止だ、立ち去──」


「初めまして、私はソーダルト王国元第一王女、タルト・ソーダルトです。」


……?

あれ、あいつもう死んだ事にしたんじゃなかったか?


「何を馬鹿な事を、もうその方は亡くなられている。」


「あら、これを見てもそう言えるかしら?」


そう言ってどこからかペンダントを取り出した。

それは、明らかに僕がよく知る王家の紋章の形をしていた。


「そっそれは……」


「そう、これで信じて──」


「貴様勝手に模倣品を作ったな!」


「はぁ!?」


ほらやっぱり、そうなると思った。

はぁ、面倒な事するなよ……

そう思っていると見覚えのある人がこちらに向かってきた。


「これはまた、珍しい方もいる様だね。」


「お久しぶりです、メビウス皇帝陛下。」


紫電ことメビウス・マルマーが話しかけてきた。

僕の憧れの騎士であり、今はマルマー帝国の皇帝だ。

実力は……今戦ったら勝てるかな?


「……お知り合いですか?」


「うーん、一回だけ戦後の会議で会った時くらいかな?」


そもそもあまり交渉の場に出てきてないってのはあるけど一回って中々だよな。

ソードベルに来た時に会いそうなものだけど。


「二人共、聖女様の所まで連れて行こうか?」


「いいんですか?ありがとうございます。」


「じゃあ二人は連れて行くよ。引き続き、よろしくね?」


「はっ!」


そうして、僕達は中央に向かって歩いて行く。


「スラン君、聖女様枠で出るんだよね?」


「はい!」


「今回は結構強敵揃いだけど、頑張ってね。」


「強敵……」


誰なんだろう?

ガロンさんレベルだと大変そうだけど、それ以上に楽しみって感情でいっぱいだ。

ん?でも……


「……誰が出るか知ってるんですか?」


「うん、今発表されている人達だけね。」


「発表!?」


いつの間にそんな事してたんだ?

僕はそんな事聞いてない。


「ほら、丁度そこに似顔絵付きで載ってるだろう?」


「……本当だ。」


まず一番左からガロンさんが出てきて驚いた。

確かに強敵揃いというだけあって最初から強い。

似顔絵も結構似ていて出来がいいと思う。


二人目が……紫電だ。


「出るんですね。」


「うん、最後のわがままってやつだね。」


確かに皇帝になったらこういう事出来ない。

後ガロンさんが出るなら互角くらいの人なんてマルマーだと紫電くらいだし。


「スラン君と戦える事、楽しみにしてるよ。」


「ありがとうございます!」


僕自身一回負けている紫電にリベンジ出来る最後の機会かもしれないし、楽しみだ。

似顔絵は物凄く似ていた。


「凄く似ていますね、似顔絵。」


「あぁ、妹が書いてくれたんだ。」


「えぇ!?」


あの絵をフリージアが!?

……全然これを書いているイメージが湧かない。


というか一年間交流はあったけど知らない事だらけだな。

まぁ僕が帰国するまでの期間はバタバタしてたってのもあるけど。

時間を作ってお互いの事をもう少し話さないとな。


三人目はフウ、だそうだ。

ゴーラーダ王国の選手であり、炎風兄弟の弟の方。

正直言って絡まれた印象しかないから悪いイメージしかない。


世界にダンジョンが散らばった後、炎風兄弟の活動は減った。

理由はただ一つ、兄であるエンがその災害に巻き込まれたからだ。


僕には兄弟や姉妹はいないからわからないけど相当心にくる物はあった筈だ。

似顔絵はまぁまぁかな。


「……誰だ、あれ。」


見ただけでわかる、あれは現実にはいない。

顔が悪いわけではない、良すぎるのだ。


「誰って、あんたでしょ?」


「まさか、僕なわけないじゃないか。」


この先に僕の似顔絵が──あったらよかったんだけどね。

あれが、僕。

なんかなんとも言えないな、この感じ。


さて、作者は誰だろう。

少し文句を言わないと気が──セフィなの!?


「君の絵には驚いたよ、まさかあんな顔になっているとはね。」


「あはは……」


「さっ、あそこにいるのが聖女様だよ。」


そう言ってセフィの方を指差した。

そして僕は一直線に歩いていき、


「あれ、スラン?どうしている──」


「聖女様少し話したい事があるのですが?」


「え?あっわかりました。」


僕の怒りが伝わったのかセフィはすぐに僕と共に少し離れた場所まで行くのであった。

KHRBよろしくお願いします。

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