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槍と強欲

「でも、する意味ある?」


《なんで?》


「だって、ほら……」


悪魔は遠目からだが動く気配がない。

死んでるとまではいかないものの憑依くらいは解けてそうだ。


《あんな攻撃で死ぬほど最高位悪魔は弱くないよ?》


言い方的にも手加減してそうだ。

どれだけさせたいのか、その合体ってやつを。


「アリー、メイは平気そう?」


「動けるくらいには回復したよ。」


ならよかった、とは言えないけど……

まぁエルフ達がメイをどうこうするとは考えられないし平気だろう。


「で、どうしてそれを僕達に?」


《それはね!──》







ヤッホー!みんな元気!皆のアイドルコールちゃんだよ!

全く、私の出番が少なくて泣きそうだよ……

今日は合体する方法について説明するね!


この合体は色々な条件を満たさないと出来ない強化形態?だよ!


この合体には厳しい条件が沢山あって……え?この合体の正式名称?

ないよ、そんな物。

逆に教えてほしいくらいなんだよね……


まぁ合体でいいんだよ合体で。

気を取り直して、ゴホンッ!


この合体には厳しい条件が沢山あるんだけど

今日はその中でも特に重要なポイントを紹介するよ!


まず一つ目が自分の魔法属性が同じな事!

属性が一致しないと互いの属性が喧嘩しちゃうんだ!

勿論魔力量とかその熟練度も同じの方がいいよ!


二つ目は仲良し度!

仲が良ければ良い程強くなれるんだ!


三つ目が──あぁ……

ゴメンっ!今日はここまで!

じゃっ!まったねー!






《って感じなんだ。……》


「大体わかったけど、どうしたの?」


《なんでもないっ!》


シルフィが途中から機嫌が悪かった。

どうしてなんだろう?


《まっ、とにかくやってみてよ!》


シルフィが僕達にする様に催促してくる。

……やり方わからないんだけど。


「シル?やり方知らないんだけど……」


《あっ、まず手を繋いで!》


そう言われたのでアリーと手を繋ぐ。


「で、この次は?」


《どっちを母体にする?》


「ダーリンで。」


「そんな即答する?まぁいいけど。」


シルフィは僕達に合体させるために近付いてくる。


《この魔力の感じを覚えてね!》


そう言われたので魔力の流れを感じる。

僕とアリーの魔力が段々重なっていく。

そして次の瞬間、魔力が一つになった。


「「……これが、合体?」」


《成功だね!》


魔力の量が倍ぐらいになった気がする。

それに体も軽くなったり目が良くなった感じもした。


「これがダーリンの体……フフッ。」「アッ、アリー?」


《さぁ!ようやく起き上がって来たよ!》


そう言われて悪魔の方を見ると悪魔が立ち上がった。

まだまだ余力がありそうな感じだ。


「流石は最古の精霊だな、強い。」


どうやらシルフィは最古の精霊らしい。

想像以上に長生きなんだろうな。


《スラン!アリーちゃん!いくよ!》


そう言いながらシルフィが勝手に精霊憑依する。

僕が母体だし憑依自体は簡単なのだろう。


「魔法は任せたよ。」「わかった。」


そう言って僕は槍を取り出し悪魔の方に走った。

悪魔は警戒しているのか様子を伺っている。


「ウインドスピード!ウインドサーチ!」


アリーも魔法を使ってくれている様だ。


「後は……ウインドディレクション:フィールド?」


ウインドディレクション:フィールドもちゃんと使えている。

自作の魔法でもこうやって使えるのは凄いな。

僕と合体しているとはいえ未知の魔法だしね。

合体しても流石に経験や知識は共有できない。


「槍技:監獄(プリズン)森林形態(フォレストモード)!」


この技は槍が分裂出来る様になってから思いついた新技だ。

捕獲(キャッチ)&(アンド)投擲(リリース)は多人数戦用だが、この技は個人戦で確実に相手を拘束する技。


通常と違って動こうとすると怪我をする様な構造にはしてある。

さぁ、これで──


「忘れたか?強欲なる世界(グリードワールド)!」


あっ忘れてた!

この武技の対処法はただ単に避けるが正解だ。

手元に槍があるせいでそれも叶わなそうだが。


「!、チッ!」


何故か悪魔は技を避けた。

そして僕が放った武技が正常に放たれる。


「ウインドブラスト!」


「っ、これも出来ねぇ!」


アリーの唱えた魔法も避けてしまった。

どうやら今の僕達の状態では効かなそうだ。


「あぁっもうっ!この体邪魔!」


すると目の前の悪魔の声色が急に変わった。

男の声質から女の声質へと。

どうやら悪魔本人は女の様だ。


「ガブリン!収穫の時間だよ!」


そう言って悪魔が鎌を構え始める。


「……収穫の時間(ボーンタイム)。」


先程とは比べ物にならない速度で近付いてくる。

咄嗟に槍で鎌を受け止める姿勢になると悪魔がニヤリと笑った。

まさか、罠──


「とうっ!」


「……ぁ」


声を出せない程の威力なのか悪魔は攻撃した彼女の足によって地面に叩きつけられる。


「危ない危ない、二人が死んじゃうところだったよ。」


精霊女王様だ。

今さっき帰って来たのだろう。


「ルナローズ……」


「もう追っかけはやめてくれない?」


「絶対にお前をものにする!」


そう言って悪魔はどこかに消えてしまった。

なんだか因縁がありそうだ。


「私は男の人が恋愛対象だって何回言ったらわかるかな?」


一撃で悪魔の戦意をなくす威力の攻撃を出せたのは流石としか言えない。

余力もありそうだし、最強と言われているだけはあるな。


「さっ、皆で帰ろ。」


その一言で、戦争は終わった。

KHRBよろしくお願いします

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