槍と開戦
「本気か?」
「はい。」
僕達はお父さんに認めてもらう為説明をした。
今は忙しいのはわかっているがこれは大事な事だ。
「……たまに顔を見せにくれば何も言わん。」
「……はいっ!」
どうやら認めてもらえた様だ。
よかった、これで何事もなくイレイサに戻れそう。
まぁ、戦争が終わってからじゃないと森から出れないけど。
「しかし、戦争が終わってからだからな?」
流石にこんな状態で娘を外には出さないだろう。
僕にも時間がないし早く終わらせたい。
「最近多いですね、戦争。」
「たまたまだよ、たまたま。」
これが人為的に起こされてたら僕を目の敵にしているという事だ。
僕は人にそんな事はしてないと思う。
結局は相手側がどう思うかで僕にはわからないんだけど。
「さて、どうしようか?」
「一刻も早く帰る為に前線に出ましょう!」
「えぇ、ダーリンとの時間を一秒でも増やす為にもそれは賛成です。」
二人とも血の気は多い様だ。
多分僕は獣人達より強い。
一回だけ城に入る時、一瞬見た事がある。
確かに人間の一般兵よりも練度は高く身体能力も高い。
だがどうしても力技感が否めないのだ。
魔力が高い獣人も稀なのでそれも一つの要因とも言える。
その原因は獣人の魔力抵抗が高い、ただそれだけである。
まぁこれはどうでもいい、今はどうやって早く終戦させるかだ。
「時間的には一週間くらいで終わらせたい。」
「……無理かと。」
「でも帰り時間まで考慮するとこれくらいが限界です。」
そう、そこなのだ。
ここからイレイサまでを考えると一週間はほしい。
アイン王国までラフタニアの目の届かない海上を飛ぶのに三日。
ちなみに僕はこの方法を行く時には思いつかなかった。
イレイサまでは一日で行けるので余裕を持って行動する為に一週間欲しいというわけだ。
僕の魔力も数日なら持つが一週間は無理だ。
休憩もほしいのというのもある。
「明日から戦争でしょ?」
「はい。」
「うーん……三日だな。」
「え?」
「三日で終わらせる、いいな?」
魔法が有効打でなくとも武器経由なら十分効くしいける。
あまり数が多いと単純に時間がかかるのでなるべく少なめがいい。
そんな事を思いながら僕は戦争に向けて準備を始めたのだった。
「全員!射撃準備!」
ザッ
「放てぇっ!」
その一言で矢が放たれる。
その矢は遠くにいて見えない獣人に届くが避けられてしまう。
「装填準備!」
が、慌てずに次の矢の準備をする。
「よく見えるね、肉眼じゃ見えないよ。」
「そうですか?よく見えますけど……」
僕がウインドサーチをして動きがわかるくらいな距離なのに正確だ。
それこそエルフだからと言われても疑う程には。
しばらくすると獣人の動きが速くなりこちら側は焦ってきている。
遠距離だし距離を詰められるのは焦るのは理解出来るけどね。
でも流石にようやく肉眼で見えるくらいの距離にしては焦りすぎだ。
「ご主人様!行ってきます!」
「あっ!メイ!」
メイは何故か前線に出て行った。
メイは走りながらフェルを呼び出し見えなくなる。
「大丈夫かな……」
どうせあの軍隊は私を追いかけるついでにフォレスチナに宣戦布告した。
なら、私が前に出れば軍隊の動きは一瞬止まる。
私が軍の前で立ち止まると元婚約者が前に出てきた。
「ようやく諦めてくれたか、さぁこちらに──」
「諦めるわけないじゃないですか。」
「……は?」
私は斧に炎を纏わせながらフェルにも炎を分け与える。
するとフェルは赤くなり炎を纏った。
「自分の幸せをわざわざ諦める程、私は弱くありません!」
それと同時にエルフの放った矢が兵士に突き刺さる。
一人、また一人と倒れていき周りの兵士は標的にされない様逃げようとした。
普通なら逃げるのは簡単、だけど──
「“動くな!”」
その一言で獣人達は一瞬動きを止める。
その間に矢が刺さり多くの獣人が倒れ込む。
「なっ!」
「私の固有魔法、忘れたのかな?」
私の固有魔法の姫は正式に言えば「姫:獣」と言う。
この魔法は動物になら強制的に操る事が出来る。
勿論、私に敵対するのならば効果は薄まりはする。
だけど、この状況下ではそれで十分。
エルフの放つ矢が面白い様に当たっていく。
「ナルムゥ!裏切ったな!」
「私はそもそも貴方達の味方ではありません。」
私はあくまでもご主人様の物だ。
決して十王国の政治の道具ではない。
私は獣化をし、戦闘準備を始める。
……そういえばこの姿をご主人様に見せるのは初めてかも。
よし、頑張ろう!
「炎舞:開花!」
私は武技を使い、戦いを始めた。
「……後でお礼しないといけないかな。」
「それにしてもメイ暴れるな。」
想像以上にメイが強かった。
案外僕より強いかもしれない、負ける気はしないけど。
メイが前線に出たおかげか獣人の動きが鈍い。
むしろたまに止まっている。
相手が相手だ、少し動きが鈍くなるのもしょうがない。
しかしここは戦場だ、殺すか殺されるかの世界であの様な感じになるのは
練度が足りないなと思ってしまう。
まぁそのおかげで矢が当たる様になって早く終戦出来そうだ。
そんな事を思いながら相手の出方を見るのだった。
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