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槍と解除

「おっお兄ちゃん?」


「うん、お兄ちゃんの事でしょ?お兄ちゃん名前ないし。」


あれって苗字だったのか……

おそらくほとんどの人は知らないだろう。


「はぁ……」


「そういえばシルちゃんお兄ちゃん嫌いなんだよね。」


「当然だよ!よくも私の夢を……」


え?という事は、だ。

元々コール様の時にやってた夢はその夫に阻止された。

それがクリムゾンになると。


「もしかしてクリムゾンって今──」


「神様だね。」


凄いな、やっぱり。

神までは行かなくとも近い地位くらいまでは行きたい物だ。


「何か強くなる──」


「焦らない事。」


「……」


「焦ってるでしょ?そんなに焦ってもダメだよ?」


「はい。」


「うーん……まぁ私が出来る事は

魔法の写本を渡すくらいだけど……持ってるよね?」


「何を……ですか?」


「お兄ちゃんの本。」


「本?」


クリムゾンって本出してないよな……

母さんも持ってなさそうだったしレアなのかな?


「知らない?クリムゾンの最終定理魔法全集。」


「そんな物があったら全世界苦労してませんよ。」


「じゃああげるよ、いっぱいあるし。」


言いながら僕に手渡ししてくるルナさん。

地味に空間を操りながら本を手に転移させてた。

軽く読むと色々書いてありどれもあってそうだ。


「ありがとうございます。」


「これくらいいいよ、むしろ処理できて助かるし。」


どうやら想像以上にあるみたいだ。

ともかく、これでしばらくは読み物に困らない。


「むしろ沢山持ってってくれない?」


「……ちなみに何冊あるんですか?」


「そこまで多くないよ、百冊ちょっとだし。」


と言いながら僕の目の前に大量の本を出した。

と言っても本当に百冊くらいしかなさそうだ。

僕はその本達をしまっていった。


「そういえばさ、」


「はい。」


「武器ってどんなのなの?」


「これです。」


僕は袋から槍を手に取った。

心なしか少し光っている。


「あ、お兄ちゃんの作った武器だ。」


「え?でもこれダンジョン製ですよ?」


「少し貸して?」


そう言いながらも半ば強制的に槍を取られる。

ルナさんはその槍を地面に突き刺した後、

魔力を込めながら右方向に回した。


すると瞬く間に槍が柔らかくなっている。

何が起きてるのかわからないままでいると槍を返してくれた。


「はい、これで封印は解いたから槍を何個かに切って

伸ばしたり柔らかく出来るようになったよ。」


「その、なんでダンジョンにこれが?」


「お兄ちゃんの発明品はダンジョンに何個か置いてきてるらしいよ?」


……よくわからないが強くなれるのは嬉しい。

これをうまく使いこなせばさらに力の向上に貢献する筈だ。


この後も少し話し合い僕達は精霊界を後にした。

シルフィは少しルナさんと話すと言って別行動だ。


「さ、帰ろ。」


「わかった。」


すぐに手を掴んでき、帰路に着いた。

砕けた喋り方はどうやら二人っきりの時に使うそうだ。

周りも暗く人もいなそうなのでこうしたのだろう。


このまま僕達はアリーの家に着くまで談笑をしていたのだった。






「それにしても、珍しいね。人やエルフと会うなんて。」


「まぁ、ね?あの子達は特別だから。」


「私も見た時は驚いたけど、こんな偶然あるんだね。」


「だよね、そうだシルちゃん。」


「何?」


「これからまたしばらくいなくなるんだけどさ、

あの技を二人に教えておいてよ。」


「あぁ、あれなら元々教えるつもりだったよ。」


「そう、ならしばらくよろしくね。」







家に着くとアリーの両親が僕達を出迎えてくれた。


「君がスラン君でいいのかい?」


「はい、スラン・レイサです。」


「バール・ア・オレンジだ、娘を頼むよ?」


「それは勿論です。」


「アリア?結構大胆な事をしてたって噂を聞いたのだけど、どうなの?」


「……やり過ぎたのはわかってるよ。」


「はぁ……初めての婚約者だからってはしゃぐのはわかるけど

もう少し節度を持って、場所を考えてやりなさい。」


「はい……」


とこの様に僕の事を快く受け入れてくれた。

アリーは母親に怒られているけど。


「いいじゃないか、今日ぐらい。」


「一般家庭なら許しますけど一応長の家庭です、

少なくとも精霊樹の前でやるのは論外です。」


「……本当か?」


「はい……」


「流石に擁護しきれないな。」


流石にあれはまずかったらしい。

そういう所もしっかりしてるのでいい家なのだろう。


「スー、それよりも自己紹介を。」


「そうですね、私はスキャー・ア・オレンジと言います。

今日は娘がご迷惑をおかけしてすいません。」


「僕は平気ですので、大丈夫です。」


そんな話をしていた。

その後家の中に入って談笑を始める。

どうやらお兄さんが帰ってきてないらしいのでまだ食べないらしい。


「ところで、スラン君はどの様な仕事をしてたんだい?」


「今やっている仕事は聖女の護衛ですね。」


そう言った瞬間空気が変わった。

と思ったらすぐに元に戻る。


「……今も聖女は元気なのか?」


「えぇ、基本的にいつも元気ですよ。」


「ちなみに聖女さんとどれくらいいたんですか?」


「最近までほとんど一緒でしたね。」


……なんかおかしいな?

セフィの事について聞いてくる。

ふと隣を見るとアリーの様子が変だった。


「アリー?」


「ひゃい!」


「大丈夫?」


「平気です、気にしないでください。」


少し違和感を残したまま、お兄さんが帰ってきたのであった。

実はストックが結構あります


KHRBよろしくお願いします

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