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槍と決壊

お久しぶりです。

中に入ると意外にも生活感のある部屋だった。

音を出さない様に魔法で多少なりとも音は抑えてはいるが

それでもバレてもおかしくはないと思ってしまう。


「ご主人様、少し空いている扉があります。」 


そう言われてそちらの方を見ると確かに少し開いている扉があった。

そこからいかにも怪しそうな地下へと続く階段がある。


まずウインドサーチやウインドカーテンは使えない。 

もし相手が魔法の発動が分かる魔道具を持っていたりしたらまずいのだ。

まぁあくまで魔法の発動がわかる、つまり体系化されている魔法じゃなければ平気。


まぁそれでも使われているのはある程度の魔法も感知出来るから。

この魔法はなるべくバレにくい様に調整をしてあるのでそこまで心配はしていない。


「……行こうか。」


「はい。」


メイとの意思疎通をしゆっくりと階段を降りていく。

勿論罠かもしれないが頼まれてしまった以上ここを通るしかないのだ。


階段を降り終わると真っ白な空間が僕達を待っていた。

少しその空間に見惚れているとどこかから声が聞こえてくる。


「ようこそ、深刻の研究所に。」


その声が聞こえた瞬間にウインドサーチを発動する。

バレてるなら別にバレようが関係ないとゆう事だ。


すぐにその声の主だと思われる人を察知したので僕は槍でその場所を貫こうとする。

が、この白い壁に阻まれて攻撃ができなかった。


相当頑丈な物なのだろう、だけど魔鉱石を防げる材料なんて

メテノンくらいしかないよな……


「おっと、危ないね。殺す事に躊躇がないのかい?」


「殺さないよ、捕まえて拷問くらいはするかもしれないけど。」


「怖い怖い、まぁこの壁は深刻が作った最新の材料で作られてるんだ。

君達がこれを壊すなんて万が一もないよ。」


……成る程、新素材か。

ここから出るにはその壁を壊さないといけないな。

入り口も気がついたら封鎖されているしね。


「まぁ君達が死ぬまでたっぷりと実験台(モルモット)として使わせてもらうよ。」


と言うと同時に目の前に大きな穴が地面に空いた。

そこから見た感じ十メートルはある大きさの人形が出てくる。


「こいつはこの壁と同じ素材で作られた人形(ゴーレム)

せいぜい倒してみるんだね!」


この壁と同じか……なら壊せるかな?

そう思い僕は槍で目の前のゴーレムを捕まえて

先程あの声の主がいた方向の壁に叩きつけた。


すると僕の予想通り少し壁にヒビがついていた。

そのまま同じ場所にゴーレムを叩きつけていく。


「なっ!まさか同じ素材だと……いや、それなら。」


そう言う声が聞こえたと同時にゴーレムが砕け散った。

流石に耐えきれなかったか。


「やはりな!ゴーレムの方が純度は低いんだ、先に壊れると思ったさ!」


「ここまでくればもう必要ないけど?」


「……まさか!」


僕は槍を小さくしてひび割れた壁に技を放つ。


「槍技:爆弾(ボム)!」


この技は小さくした槍を一気に大きくすることで

隙間から攻撃出来る技だ。


普通に伸ばした方が対人戦は攻撃しやすいので

主に物に対しての技となっている。


壁を壊すとそこには先程から聞こえていた声の主でありそうな研究者が

驚いた顔をしてこちらを見ていた。


「馬鹿な!この壁はそんな柔らかいわけがない!」


と言いながらも研究者は冷静にボタンを押した。

それと同時に地面が揺れ始めて僕達は先程の部屋の方に落ちてしまう。

それと同時にその部屋の床が抜けてしまった。


「一応自己紹介をしておこう!

私深刻の幹部の一人、ジェミニだ!」


その声を聞きながら僕達は滝に流されていくのだった。






「……危ない危ない、危うく殺される所だったよ。」


そう言ってジェミニは椅子に座ってくつろぎ始める。


「この研究所は放棄かな……まぁ良い物は手に入ったからいいか。」


そう言ってその研究者は一本の髪を手に取る。

それは紛れもない、メイの物であった。


「彼女の魔力量は少ないけど

他の魔力と親和性を持っている反応があったからつい取ってしまったよ。」


そう言いながらその髪の毛を機械の中に入れる。


「彼の魔力に目がいってしまうのは二流以下、

まぁ僕の研究が親和性を大事にする物だからわかったのかな?」


そう言っている内に機械から解析完了の音がした。


「光と闇ね……面白そう。」


そう言って彼は研究を始めた。

人造人間の研究を。

しかも同じ遺伝子から二人分である。


また、この二人が遥か未来で一騒動起こすのだが、

それはまた別の話である。






「うっ……」


ここは何処だろう?

多分滝に流されてどこかについたと思うんだけど……

あ、そうだ!メイは!


「うぅ……」


よかった、運よく隣にいた。

それにしてもよく僕達無事で入られたな。

あの高さから落ちたら普通死ぬと思うけど……


「大丈夫かメイ?」


「はい……あ。」


メイが何かに気づいた瞬間、僕は頬を叩かれた。

それと同時に体全体をメイが手で隠す。


「……悪い。」


「……タオルください」


それからしばらく体の水を拭いた。

その後僕が服を乾かしてようやくお互い落ち着く。


「あの……すいません。」


「気にしなくていいよ。」


そう言いながら僕達は歩き始めたのだった。

KHRBよろしくお願いします。

多分次は閑話かな?

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