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槍と深刻

すいません、本当にやる気と書く環境が整わなくって……

僕達が暫く休んでいると先程の獣人達が

目の前を通って行った。

臭いでバレたかと思ったがどうもそうではなさそうだ。


「行ったか……もう少し休んでからにするか。」


「……はい。」


そう言って僕達はもう暫く休むことにした。




「よし、そろそろ行こうか。」


「分かりました。」


メイに確認を取ってから僕はウインドカーテンを外す。

まだこの辺りにいるかもしれないのでなるべく音を出さずに

先に進む。


道はメイが覚えてるらしいので

特に迷わず出口に着く。

洞窟から出るとそこは先程の場所より寂れていた。


「ここは……」


「まだここは開発途中なんですよ。」


メイが言うにはここは最近鉱脈が見つかったらしく

今現在その整備をしているらしい。


「それにしてはあまり活気が無いな。」


「……あ!あそこにいる人に聞いてみましょう!」


そう言ってメイは年配の女性に話しかけに行った。


「すみま──」


「何だい!まだここから持ってくのかい!」


「え……」


「もうここには何も無いんだよ!」


「あっあの……」


「あんた狼族ならなんとかしなさいよ!

後なんなのさその格好は!そんなお金があるなら

私達に分けてくれてもいいじゃないか!」


「うぅ……ごしゅじんさま〜」


メイが泣きそうな声を出しながら僕に抱きついてきた。

その姿を見て最初は不快な顔をしていたが

段々とその顔を元に戻していく。


「……あんた、本当にご主人様なのかい?」


「はい、すいませんが今ここでは何が起こってるんですか?」


そうして、その女性から今のこの町の現状を聞いた。


話によると鉱脈が見つかり発掘の準備が出来かけてた

所に謎の研究員達が現れたらしいのだ。


その研究員達がその鉱脈を占拠してしまい

そこから鉱石を取れなくなったらしい。


更にそこに追い討ちをかける様に領主が税を上げたのだ。

勿論講義したそうだが領主が鉱脈の収入を考えて

借金を作ってしまった。


それで渋々高い税を払っていたそうだが

水が最近汚くなってきたらしい。


しかもそれで住民の九割が病に伏せてしまったのだ。

働き手もいなくなり税も払えなくなり

この町は崩壊した。


とゆう様な内容を話される。


「因みにその研究員達は何て

名乗ってたりとかは……」


「確か……深刻と名乗っていたよ。」


……深刻か。

聞かない名前だな。


「よかったら追い出しましょうか?

その研究員を。」


「いいのかい!」


「はい。」


「そうだ、もし追い出せたら

ダムを壊してくれないかい?」


ダム?と思ったらどうやらそれがなければ

領主から対処出来るらしい。


「先を急いでるんでこちらには

戻れないんですが……」


「それなら領主様から受け取ってくれないかい?」


「大丈夫ですよ、ただの人助けですから。」


「そんな遠慮しなくてもいいんだよ。

ほら、領主様ならそれくらい──」


そこから少しの間話し合った結果

結局貰う事になった。


まぁ貰えなかったら貰えなかったでいいんだけど。

それにしてもあの女性は領主と

どうゆう関係を持っているのだろうか?


紹介の手紙を出せるなんてよっぽど偉い人なのだろう。

まぁそこは深掘りしなかったけどね。


そうして僕達は峠を登っていったのだった。




「えいっ!」


僕達が峠を登っていると途中から罠が仕掛けられていた。

ほとんどメイが壊してくれるので僕はやる事がない。


崖にある物や空に飛んでいる物は

白い犬の魔獣を呼び出してそれに乗り壊していく。


「そろそろ変わろうか?」


「大丈夫です!」


と言ってここら辺にある罠を全て破壊し終えた。

僕はせめてメイを労う為に頭を撫でようとする。

が白い犬に噛まれそうになった。


「うわっ!」


「フェル!噛み付いちゃダメでしょ!」


「ガルル……」


そう唸りながら渋々噛み付くのをやめた。


「フェルって言うんだなその……犬?」


「一応神狼(フェンリル)です。」


神狼って言えば高ランクの魔獣だ。

大人になればその強さは竜にも匹敵するらしい。


「結構大きいな、何歳なんだ?」


「私と同い年の十八歳ですよ。」


「へぇ……ん?」


メイと同い年の十八歳?

って事はメイって……


「メイ。」


「なんですか?」


「僕の一つ下なの?」


一応今年で十九歳になるのでそうゆう事だろう。


「いいえ、同い年ですよ?」


「僕今年で十九歳なんだけど?」


「私もフェルも今年で十九歳です。」


……本当に同い年なのか?

同い年ならもう少し発育が──


「……何か文句でもありますか?」


「いいや、何も。」


こうゆう所は同い年って感じはするけど。


「実は私マルマーの方へ留学する予定だったんですよ。」


「って事はセフィが留学する頃には卒業してたんだ。」


そう言うとメイはコクリと頷いた。


「……ご主人様。」


「何?」


「実は私裏切られたんですよ。」


「裏切られた?」


一体何の事だろう?

今までの事からじゃ推測出来ない。


「はい、私の護衛だった男になんですけど。」


「……名前は?」


そう言うとメイが少し言うのを戸惑いながら


「ゴライアン、フクロウの獣人です。」


その名前を聞いて、しばらく僕達は話さなくなった。




「ここが研究所かな?」


「多分そうです。」


あの女性からもらったマークと同じものが貼ってある

木で出来た家がある。


僕達はその中に潜入し始めたのだった。

KHRBよろしくお願いします。

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