槍と激突
ストック貯まるといいわね。
本当にその通りです……
「大ありなの、聖女がいるのを知っていて
戦争を仕掛けたの?」
「勿論、聖女ごと潰す為にな。」
は?
「……馬鹿なの?」
「馬鹿じゃないさ、全てはそこの男に復讐するためさ。」
あぁ……そうゆう事か。
「君のせいで僕の人生が壊されたんだ。
だから僕は君の人生を壊すことにしたんだよ。」
完全な逆恨みだな。
だけど、何だろう。
あの時より危険な感じがする。
具体的に言えば僕の体が逃げようとするくらいには。
それくらいに強くなっている。
「手始めに、そこの……男女はどこいった。」
「……男、女……」
ミラさんが結構ショックを受けている。
いくら嫌いでもそんな事言われたらそりゃあ傷つく。
「お前か……結構変わってるな。」
「……」
「まぁいいだろう、僕はまず男女を操ろうとした。」
え?
したって事はしてないんだろうけど
そんな事出来るような魔力は持ってない様に見える。
「が、妹のせいで二度も邪魔されて出来なかった。」
妹さん、ナイス!
タルト・ソーダルトだっけ、確か。
「なので僕は嘘の情報を彼女に渡した。」
嘘の情報?
どんな情報だろう?
「こいつの好きな人が結婚してるって嘘を吹き込んだんだ。」
「ミラさん好きな人いたんですね。」
「失礼な、僕だって女なんだから好きな人くらいいるよ!」
おっと、怒らせてしまった。
「そしてその次に僕は、君の仲間を殺す事にした。」
……
僕のせいで今狙われてるんだ。
「そうだな、そういえば面白い話を持ってきたよ。」
「面白い話?」
「君達の補給部隊、一人残らず殺しておいたから。」
は?
補給部隊って、まさか!
「勿論勇者ごと、ね。」
「え……」
一体いつの間に……
そう簡単にやられるような集団じゃないはずだけど。
「そして次は君達の番って事だ、よ!」
と言いながら攻撃を仕掛けてきた。
が、堅牢が止めたので何も起きない。
「……邪魔だよ。」
「流石にこれはダメなの。」
と言ってお互い距離をとった。
「……一旦休戦と行くの。」
といいながらこちらをチラッと見てくる。
「どうする、セフィ。」
「……受け入れましょう、今のままでは集中して叩かないでしょうし。」
じゃあミラさんの腕輪も取らないとね。
僕はミラさんの腕輪をとる。
「いいの?」
「一時休戦なので。」
ミラさんがいてくれた方が勝てる気がする。
「じゃあ行くよ、エンチャント:ミラー!」
その言葉でカードに魔法がついた。
……あれ?
「ミラさん、あれ敵だよ。」
「わかってるよ、こうじゃないと個人単位で
魔法を止められないからこうしてんの。」
案外繊細な魔法なんだな、鏡って。
「じゃあ、ウインドスピード!」
僕は魔法を使って一気に前まで出る。
あそこはミラさんに任せた。
僕は高速でカードの下まで走り抜く。
僕が目の前にいるのにも関わらず何もしてこない。
一体何をしてくるんだ?
……あれ、なんか既視感があるな。
そして僕の攻撃はそのまま何もしないカード
に当たり吹き飛んだ。
やっぱり、あの時と一緒だ。
僕がカードに勝負と挑んだ試合と。
何が狙いなんだ?
負ければ負けるほど強くなるのは勘弁してほしい。
……何も起こらなかった。
そして、カードは死んでいたのだ。
「……え?」
「死んでますね。」
「……」
「…弱。」
少し拍子抜けだったカードに対して安堵した。
だけど……あの感じは何だったんだろう。
「貴方達、まさか勝ったとは思ってないよね?」
とゆう声が後ろから聞こえた。
振り向くとそこには一人の女性が立っている。
髪が桃色が特徴的な女だった。
スタイルはスラリとしていて十代のような体付きだと思う。
「私はシキザ、色欲の悪魔よ。」
色欲……7つの大罪の一つだ。
だけどタオの様な圧倒的な実力差は感じない。
彼女はおそらく彼よりは弱いのだろう。
「貴方達の実力はわかってるわ。
ヘルウッドに苦戦している様じゃ私には勝てないよ?」
ヘルウッド?
……もしかしてあの動く木の事か?
「ヘルウッドなんて貴方達の尺度で言うと
精々13、それに対して私は16って言われたわ。」
16……そうなると前の悪魔は17かな?
後言われただって?もしかして裏で誰かと繋がってるのか?
「ま、一応これ飲んで確実に勝ちにいくけどね!」
と言って取り出したのは桃色の液体だった。
あ!その色はもしかして!
「……もしかして貴女が作ったんですか?
私が飲んだあの液体って。」
「ん?……あぁ、確かに私が作ったね。
あの男に頼まれたから作ったけど。」
指を指す方向にはカードの死体があった。
こいつ経由だったのか、あれは。
「貴方、私の毒を喰らったでしょ?
よく生きてたわね。」
え?
毒なんて喰らった記憶ないけど……
「まぁ最低でも身体能力は落ちてるし、いいか。
貴方の両親は根性なかったけどね。」
「……今なんて言った?」
父さんと母さんは……こいつのせいで?
「私の薬で殺したのよ、貴方の両親は。」
その瞬間何かが吹っ切れた気がする。
僕はその悪魔を全力で殴った。
目の前にいる、僕の親を殺した張本人を殺す勢いで。
シキザはとても驚いた顔をしている。
まるでそれがありえない事かの様に。
KHRBよろしくお願いします。




