槍と劣勢
あ……
「メイ、大丈夫か!」
「…ん。」
これは……初日なのか?
今は開戦して数時間経った深夜だ。
ソーダルト王国からの奇襲はよめていたが予想以上に数が多い。
セフィを守りながらとはいえ少し押され気味だ。
皇女様も一応守らないといけないけど
自衛能力はあるのでセフィより心配はしてない。
ルナミスは魔眼のおかげか結構余裕そうだ。
僕は魔力を温存しながら戦っているので少し余裕がない。
そのせいか僕の方に来る騎士が多い気がする。
……温存している場合ではないな。
僕が魔力を使い始めると僕の所に来ていた騎士がいなくなった。
何だろう、気のせいかもしれないけど体が軽い。
魔力も使いやすいし今日は調子が良さそうだ。
僕はセフィからあまり離れられないので
加勢には行けなかったが無事奇襲を乗り越えた。
こちらの死者はセフィの回復のおかげで数人に抑えられた。
あちらの騎士は拷問する人以外は殺してしまう。
数がこちらの方が少ない為なるべく人を殺した方が
その騎士達が本陣で暴れられる可能性がなくなる。
「お疲れ様です、怪我はないですか?」
「僕はないです。」
「…ない。」
「私もないかな。」
僕達は怪我をしてなくてよかった。
実質護衛が三人なのであまり変な怪我は出来ない。
あぁ……第六聖がいたら僕も全力で戦えるのに。
でも第六聖の人達の泊まる所を確保するのが難しいのでそこはしょうがない。
結局学園内には入れないのでイレイサから許可が降りる事はないと思う。
そして僕達は睡眠をとった。
一応僕は今日寝ないでセフィの護衛をするので寝ないけど。
マルマー帝国の騎士がやってくれるとはいえ信用は出来ていない。
勝てるのかな?
僕はそんな事を思いながら夜空を見上げるのだった。
「おはようございます、スラン。」
「あぁ……おはようございます。」
「少し動かないでくださいね。」
そう言われたので動かなかったらセフィが僕に魔法をかけてくれた。
すると先程まであった眠気が綺麗さっぱり無くなったのだ。
「ありがとうございます。」
「私にはこれくらいしか出来ませんから。」
それでも十分助かる。
眠気がなくなったのはとても大きい。
相手が初日に奇襲してきたので油断は出来ない。
そんな中眠気と戦っていたら負けるのは当然。
二日目だけど少しここが危険でうかうかしてられないしね。
油断はしてないけどここまで早いのは聞いてない。
多分魔法で相手の布陣を見たせいだろうとは思っている。
そりゃあ反射すればこっちの本陣の位置もわかるさ。
初日に奇襲は余裕で出来るだろう。
ただこの奇襲が失敗に終わっているのであちらの士気は下がった筈。
戦場でも押されていたらこちらが不利でもあるが。
ただ今はそっと前線の人達を応援する事に徹しよう。
あれから一週間が経ち、今はこちらが劣勢だ。
あちらと同じくらいこちらの戦死者や負傷者が物凄くいる。
元々こちらの方が人数が少ない以上劣勢と言わざるを得ない。
「……僕が出陣しよう、そろそろいいと思うけど。」
紫電が皆の前に出てそう言った。
確かにもう出てもいいと思う。
総大将が出るのはいけない事だが勝つには仕方のない事だ。
色々揉めた結果紫電が出る事になった。
紫電は明日以降から出陣予定なので今日はまだいるけど。
「スラン君、ちょっといいかな?」
「はい、なんでしょうか?」
紫電の出陣が決まった日の夜、紫電が僕に話しかけてきた。
深夜に前線に着く予定なのでもうそろそろ行く筈だ。
「妹をよろしくね。」
「それは勿論守りますよ。」
結婚するかもしれないのだ、それは守るに決まってる。
してなくても守るだろうけど。
「それならいいんだ、安心したよ。」
「何がですか?」
「僕が死んでも妹が一人ぼっちにならなくて済むってゆう事だよ。」
……その覚悟は出来ているのだろう。
ただ紫電には死んでほしくない。
「でも……」
「君が言いたい事はわかるよ、
僕が死んだら妹は血の繋がった家族がいなくなる。」
「はい、それが可哀想で。」
血が繋がっている人がいないのは寂しいものだ。
僕だっていまだに寂しい。
「僕だって死ぬ気はないさ、
ただ任せられる人は一応探しておかないとね。」
と言いながらその場から立ち上がった紫電。
もう行くようだ。
「……妹を、頼んだよ。」
「……はい。」
こうして紫電は前線に出たのだった。
「……ビクマス隊長、紫電が出陣しました。」
「そうか、ではお前ら行くぞ。」
紫電が出陣した夜、忍び寄る影があった。
その者達が着ている鎧には当然の様にソードベル王国の紋章がついている。
「……もう少しで追加の部隊が来ますけど待ちますか?」
「いや、いらないな。この俺が相手の本陣を壊滅させてやるよ!」
そして彼は一歩踏み出した。
そして少し気になる物を見つける。
「ん?何だこれ。」
「死体……ですよね?」
「女の死体だな、でもどうしてこんな所にあるんだ?」
そこは大魔王の森である、普通女が来る所ではない。
しかもその死体は外傷一つもない。
何故死体だと判断できたかとゆうとその死体から魔力を感じなかった為。
そしてその死体は回収され地面に埋められた。
ねぇ、なんでサボってたの?
すいません……ゲームしてました。
何で三十くらいあったストックがなくなってるの?
すいませんでした、なるべくサボらないようにします。
本当?ならいいや、でも少し投稿が止まるかもね。
……KHRBよろしくお願いします。




