槍と予選
うわァァァァァァ
「スラン、そろそろ時間だから行きますよ。」
「わかりました。」
時間になったので僕は説教をやめせふぃについていった。
いよいよ武闘大会が始まるので緊張してくる。
最初は予選らしく形式はバトルロワイヤルらしい。
「…贔屓。」
「なんか言ったか?」
「何も言ってないよ?」
「…同じく。」
なんか悪口を言われた感じがするんだけど……
取り敢えず行かないとまずいのでさっさと外に出た。
外に出て闘技場らしき物の前には沢山の人がいた。
闘技場はイレイサのより小さかったがそれでも十分大きい。
「ではスラン、私達は観客席に行ってますので。」
「わかりました。」
セフィ達と別れて受付に並ぶ。
受付なんて久しぶりだ、騎士になろうとした日以来か。
そういえば二年も前になるのか、色々あったな……
これから数十年はこの仕事を続けるんだし頑張らないとね。
そんな事を懐かしんでいたら僕の番がきた。
僕がセフィから言われた番号を言うとバッチを貰う。
どうやら一定のダメージを受けたり魔力が切れたらこれが守ってくれるそうだ。
魔力はあんまり残ってないし魔法は使いたくはない。
かと言って何も使わなかったらバトルロワイヤルでは不利だ。
どうしようかな……あ!
そういえばあった。
魔力を使いはするけどあんまり使わない上に攻撃されない魔法が。
よし、まずはそれでいってみよう。
ちなみに僕が出るのは学生のみの試合だ。
結構優秀らしいので油断はしないでおこう。
「これから第六百六十六回学園武闘大会を始めます!
司会は司会でお馴染みのカイシ・シイナがお送りいたします!」
そう言って会場が盛り上がった。
カイシさんは本当にどこでもいるなぁ……
「初戦はバトルロワイヤル!
この後全員の選手にこの闘技場に出てもらい残り三十二人になるまで戦います!
そしてその残った選手でペアを作ってもらい第二回戦!
四組になるまで争ってもらい最後はタイマンです!
タイマンは明日ですが皆で盛り上がっていきましょう!」
そう言った瞬間、待機室の扉が開き外に出れるようになる。
外には沢山の観客がいて少し緊張してしまう。
「バトルロワイヤルのルールは単純!
闘技場から出てしまうかそのバッチの音が鳴ったら負け!
それ以外のルールは殺したら失格くらいしかありません!
では、第一戦スタート!」
と同時に僕はその魔法、ウインドカーテンを使った。
周りを見てみるが僕が透明になっている所を見た人はいなさそうだ。
早速僕は外周に行き人が来るのを待つ。
するとすぐに争っている二人がきた。
「今年こそ俺が勝つ!」
「あなたはいつになっても僕には勝てません!」
……なんか因縁の対決っぽいな。
でも僕は気にしない。
だって、バトルロワイヤルだもの。
僕は端で戦っている二人を横から押して外に出した。
その二人は驚愕した顔をして少し可哀想だと思ってしまう。
「な……」
「いつ僕達に近づいてきたんだ?気配はなかった筈……」
僕はそれからもどんどんと倒していった。
人を押した数はもう五十は超えているはずだ。
モニターを見ると残り三十三人と書いてあった。
丁度目の前にいたので一応姿を見せて戦う。
「うおっ!いつの間に!」
そう言ったのも束の間、僕は槍でそいつを掴んで外に出した。
そいつが足をつくのを確認して残り三十一と書いてある。
あれ?三十二まで戦うって言ってなかったっけ?
「えぇっと、ただいま審議中なのでお待ちください。」
暫くすると判定が決まった。
僕が押した人の方がほんの一瞬早かったらしいのでもう一人の方が生き残るらしい。
僕が押した人は声を荒げながら抗議していたが無駄だろう。
「さぁ、ここからは第二回戦です!
今からこちらでペアを組ませてもらいますがそのペアが倒れると
同時にあなた自身も倒れてしまいます!
二人で別れるのか、別れないのか、
攻撃するのか逃げるかはそのペア同士で決めてください!」
成る程、これは一番難しいな。
普通にペアが弱ければ守らなければいけないし逆も然りだ。
つまりここで一番いいペアは僕と実力が拮抗してる人。
「続いてのペアは……こちら!
スラン・レイサ&フリージア・マルマーぺア!」
よかった、絶対に今相手にしたくない人がペアだ。
一安心していると皇女様が僕の方にきた。
「よろしくな!」
「はい、取り敢えず負けない様にするのが目標でいいですか?」
「あぁ、いいぜ。」
皇女様に許可をもらったので槍を構える。
僕が目指しているのは負けない事だ。
この射影物のない場所で他より安全な所、それは
「始め!」
僕は槍で二人が乗れる大きさの絨毯らしきものを作りフリージア様を乗せた。
そして宙に浮く。
「おおっと!いきなりスラン、フリージアペアが宙に浮いた!
確実に勝地に来ている動きをしていきます!」
魔法はあるけどそれは魔力が無限にないので有限だ。
他の遠距離武器はそもそもバトルロワイヤルでは不利なので
持っている人はいなかった。
「皇女様、これから魔法には当たらない様にしてくださいね。」
「……これごと避けるんだよな?」
「僕もそんなに魔力ないんで色々考えて十分が限界なので自力で避けてください。」
そう言って少し青ざめた表情を見ながら僕達は残り五組になるまで攻撃されなかった。
ここまで約五分しかたってないのでまだ浮き続ける。
僕達の組を攻撃すると他のチームがその攻撃している人を攻撃してくれるので
特に問題なくそのまま一組脱落して僕らは四組の中に入った。
「フリージア様、明日戦うのを楽しみにしてますね。」
「おう、決勝で会おうな!」
そう言って皇女様は帰っていった。
……決勝で戦うとは限らないんだけどな
出す作品間違えたァァァァァァァァァァァァぁぁ




