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プロローグ
「みんな がんばれ。もう少しで最深部に着くだろう」
「あぁ まだいけるぜ」
「えぇ大丈夫よ」
「私も行けるわ」
俺たちは絶海の孤島マドワールにたどり着いた。
そこには伝説の鉱石オリハルコンが眠っているといわれている。
辿り着くまでにいくつもの難所を乗り越え、時に死にかけた事もあった。
そして今、孤島の中心にある洞窟の奥底へと向かっているのである。
「右だ避けろ」
「グギャァァァァ」
「チッ いてぇぇだろぉぉがぁぁぁ」
ズシャッ
ド シン
「―――大丈夫かッ」
「あぁ 少しもらっちまったが大丈夫だ」
「ヒール」
「―――ありがとうな」
「えぇ でもそろそろ魔力が尽きそうですわ」
この洞窟に入ってからは連戦に次ぐ連戦で俺たちは満身創痍であった。
「少し休憩でもしようか」
「あぁ」
「「えぇ」」
暗闇の中、たいまつや仲間の魔法によるわずかな明かりを頼りに進んでいる為、
心身共に極限の状態でいるせいか、どうしても言葉が少なる。
並みの冒険者であればとっくの昔に発狂しているか魔物に食べられているだろう。