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公爵子息の葛藤
キース視点です。短めです。
私の心は、酷く揺れていた。
(彼女を守ると決めたのに、こんなではいけない。)
けれど、
『イリーと、もう、呼んではくださらないのですね。』
彼女の、あの言葉の意味を図りかねていた。
一体、彼女は何を望んでいるのだろう。
リベス侯爵子息が、最近、彼女と行動を共にしているらしい。
(中庭で、合うなんて)
彼女はそういう類の場所は好まないものだと思っていた。
(少なくとも、私と居た時はそうだった。私では、彼女を甘えさせることができなかったのか。)
彼女の支えに、
(私はなれなかったのか。)
ならば私に出来ることは何か。
(彼女に幸せになってもらいたい。)
私がそばにいてはいけない。
(私が幸せにしたかった。だが、)
彼女の幸せに、私はいらない。
(あぁ、覚悟していた筈なのに)
こんなにも苦しいのか、愛する人を、愛せないことが。




