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プロローグ 1
初登校です。
プロローグはなるべく早く上げてしまうつもりです。
「さて、今日もヒストリアやるか」
俺はしがないサラリーマンの大塚奏多。歳は27歳。日々時間に追われ、生き急いでいる擦れた社会人の1人だ。
今日はいわゆる花金。土日月の3連休前の金曜の夜だ。近所のスーパーで酒やつまみ、カップ麺を目一杯買い込み、この3連休はゲーム漬けの予定だ。
VRヘッドギアを装着し、ベッドに横になる。起動するタイトルは『ヒストリアオンライン』と言うVRMMORPGだ。
正式サービス開始の時から5年程プレイしているが、老舗になりつつある今も俺は飽きずに毎日プレイしている。
もはや廃人の1人だ。だが同時期にプレイしていたフレンドたちは飽きて他のゲームに移ったり、リアルの事情でゲーム自体ができなくなり引退したやつもいる。
『ヒストリアオンラインを起動します』
ヘッドギアに文字が表示され、俺の意識はそのまま電脳の世界に溶けていった。