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枕の下に 希望の上に(2)

インスタントラーメン

選べなかった僕達の

選べなかった歌は

底に溜まった二酸化炭素と

部屋に充満した一酸化炭素で

意識だけが

空に流れて砕け散る

不純物の多い水晶

綺麗だと思われなかった水晶

今はもう

汚泥まみれの水晶

机の上の黒い水晶




大きな二枚貝の貝殻に

青の絵の具を落として

絵を描いては

コーヒーの熱さと戦い

鏡の輝きと戦い

白いキャンパスと戦い

結局は

誰と戦っているか

わからなくなった人から

負けていくのだと

負けてから気づいたり

負けて

数年経ってから気づいたり

馬鹿の駆け足は

いつの時代も

変わらず虚しかった




封印した物は

いつか開封される

封印されなかった物は

いつか消える

情熱や好きな物に

自由を与えて

燃やせる人は

才能があると

言えるのかもしれない

永遠に続く

炎みたいな作品群を

目の前で読みながら

彼女は笑った

静かな図書館で




目覚まし時計を睨んだ

休日にまで

お節介なヤツだった

時間に落とし込まれた

人間の悲しい心持ち

澄んだ人間になれると

思っていた

小学生の頃の夏休み

読書感想文の本

読みながら

登場人物を

テレビのドラマみたいに

感じていた

未来の自分が

まさかその中に

溶け込んでるなんて

思わずに




インスタントラーメン

食べながら

暑いって言う

扇風機生活で

汗ダラダラかきながら

明日は仕事だって

笑って

何処か出掛けるにしろ

来週一週間の

昼飯代が頭をよぎるような

再来週一週間の

昼飯代が頭をよぎるような

給料日前と後の

変な繰り返しが起きるような

それを

大人の生活だと言ってしまう

そんな

あの時くだらないと思った

本の登場人物に

なってしまっている

取り返しのつかない

人間になっている

子供の頃

思い描いた大人は

問答無用で

なりたかった大人

だったのかもしれない















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