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2016年2月 その2
2/14 晴れ
目の不自由な体の縮こまった老人の昔話を家の奥の暗がりで聞いた。
あたしを娘だと思っているらしい。
空爆の話やら新幹線ができたときの話やらずいぶんと懐かしい話を聞いた。
最近ものを覚えられなくなってきているけど昔のことは不思議と覚えている。
あたしは首をかしげながら老人の話に耳を傾けながら日が暮れるまで時間をつぶした。
以上
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2/19 曇りのち晴れ
夜風が冷たかったが体がなまらないように散歩に出かけた。
好きな月はまばらに浮かんだ雲が盗んでいったようで見当たらなかった。
見知らぬ街の夜をしばし歩いていると見覚えのある老人と出会った。
嗚呼と声を出したらあたしに気が付いて道に迷ったと言った。
あたしは小さな老人の手をとって一緒に帰った。
以上




